大河ドラマ「平清盛」 第10回 義清散る
カテゴリ:平清盛
日時:2012/03/11 22:36
今回は、有名な西行(佐藤義清)の出家エピソード回。NHKのドラマストーリーを見ると、各シーンでセリフがかなりカットされています。尺に合わせるためにもカットは避けられませんが、ドラマの展開が分かりにくくなっている個所もあります。
今回は保延5年(1139年)からスタート。得子は躰(体)仁親王を東宮に立てようと画策し、崇徳帝中宮 聖子の父である関白忠通に接近。躰仁親王を崇徳帝の中宮聖子の養子にします。「聖子の養子」ってところが今後のキモです。さすが女狐。
前回の歌詠みで頼長に(非性的な意味で)目を付けられたとは知らない義清は、清盛の屋敷に。時期的には六波羅ってことでいいのかな?
明子に会ったは義清は、明子を「私を振った女」と呼び、
生田「なにゆえ義清さまよりもウチの殿など」(おい……)
という正論を吐きつつ、去年のヨシ(江の乳母)的なスメルを発してみたり。
このシーン、「第7回 光らない君」を見ていた人であれば特に問題ないのですが、見ていないと義清の発言が分かりにくいのでは。 実はこのシーンでは、清盛が明子に贈ったラブレターは義清の代筆であったことが明子に明かされ(4年間も騙していたのか……)、それを受けて義清が
「かようにお美しきお方と存じておれば、私の名でもっと熱烈な歌を贈るのであった」
と発言してラビット丸がキレる、という展開になるはずだったようです。ラブレターの種明かしのくだりがカットされたため、「義清を振った」という部分が浮いてしまったというわけです。毎回見ている人にとっては、今回の描写だけで十分ニヤっとできて面白いのですが。
バニー丸を凹ませて調子こいている義清ですが、堀河局の偽メールに騙されて院御所へ。いそいそと帳に忍び込む姿が何とも滑稽。檀れいだと思ったら、「振り向けば眉なしりょう」は十分ホラー。ふと、「包帯取ったら西田敏行」を思い出してしまいました。
堀河局に「二度と璋子様をお訪ねにならないでくださりませ」と釘を刺された義清ですが、「では誰が待賢門院様をお救いするのだ?」と反論する義清。「救おうと思うのがおこがましいのです!」と一刀両断の堀河局。この後セリフがカットされているのですが、実はこのカットされたセリフが今回のオチだったりします。
堀河局(カットセリフ):「あなた(義清)が誰よりも愛しいと思うているのは、あなたご自身ですもの」
保延5年12月、雅仁親王元服。雅に振る舞い、「屈強な男たちに押さえつけられ、力づくで大人にされてしまった」誰かとは大違いかと思いきや、バックダンサー付きで今様を歌い踊る始末。キレた鳥羽院に対して後白河らしい返答をするライアーゲームのセリフがカットされているのですが、きりがないのでここでもカット。
続くライアーゲームとデスレコーズ社長のトークバトルは、保延6年(1140年)春。
その後、摂関家三麻呂が待ちぼうけを食わされるなどの何やかんやの末、鳥羽院御所の庭にたたずむ待賢門院に接近する義清。が、待賢門院は彼をスルーして庭に唯一残っていた水仙(待賢門院の象徴)を見つけて慈しむ。これにブチギレる義清。
義清「許さぬ。許さぬ! なにゆえ分かってくださらぬのですか。貴方をお救いできるのは私しかおらぬのに。なにゆえ私ではなく、あのような酷いお方を愛しく思われるのですか」
と、待賢門院を首絞め。完全にストーカーの論理です。
院御所から逃げる義清を目撃した頼長。義清を御所に呼び出し、証拠と自身の目撃情報を基に彼を追い詰めます。頼長ならむしろ自邸に呼び出して、この件をネタに肉体関係を迫るのでは……などと思ってしまうのは、多分私が頼長を誤解しているからでしょう。多分。
が、頼長の尋問をスルーする鳥羽院。
頼長「えっ」
璋子「えっ」
義清「えっ」
清盛「えっ」
「(待賢門院が)誰と何をしようと、もはや私の心はさざ波ひとつ立たぬゆえ」と。やー、キツいなぁ。
屋敷に戻った義清を迎える妻と娘(花子)。ついに来るのか、幼女虐待シーン。NHK的にアリなのか? アリならどう演出する? と、義清がいつ娘を蹴落とすのか、気になって仕方がありませんでした。
あ、蹴落とした。
やはり、西行の出家にはこのエピソードは欠かせないでしょう。その後の清盛とのトークは蛇足的というか、もうどうでもよーい。
というわけで、第10回 「義清(の髪)散る」完。次回は明子死亡。この死因がまた何とも……。
・大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
・大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第10回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。
今回は保延5年(1139年)からスタート。得子は躰(体)仁親王を東宮に立てようと画策し、崇徳帝中宮 聖子の父である関白忠通に接近。躰仁親王を崇徳帝の中宮聖子の養子にします。「聖子の養子」ってところが今後のキモです。さすが女狐。
前回の歌詠みで頼長に(非性的な意味で)目を付けられたとは知らない義清は、清盛の屋敷に。時期的には六波羅ってことでいいのかな?
明子に会ったは義清は、明子を「私を振った女」と呼び、
生田「なにゆえ義清さまよりもウチの殿など」(おい……)
という正論を吐きつつ、去年のヨシ(江の乳母)的なスメルを発してみたり。
このシーン、「第7回 光らない君」を見ていた人であれば特に問題ないのですが、見ていないと義清の発言が分かりにくいのでは。 実はこのシーンでは、清盛が明子に贈ったラブレターは義清の代筆であったことが明子に明かされ(4年間も騙していたのか……)、それを受けて義清が
「かようにお美しきお方と存じておれば、私の名でもっと熱烈な歌を贈るのであった」
と発言してラビット丸がキレる、という展開になるはずだったようです。ラブレターの種明かしのくだりがカットされたため、「義清を振った」という部分が浮いてしまったというわけです。毎回見ている人にとっては、今回の描写だけで十分ニヤっとできて面白いのですが。
バニー丸を凹ませて調子こいている義清ですが、堀河局の偽メールに騙されて院御所へ。いそいそと帳に忍び込む姿が何とも滑稽。檀れいだと思ったら、「振り向けば眉なしりょう」は十分ホラー。ふと、「包帯取ったら西田敏行」を思い出してしまいました。
堀河局に「二度と璋子様をお訪ねにならないでくださりませ」と釘を刺された義清ですが、「では誰が待賢門院様をお救いするのだ?」と反論する義清。「救おうと思うのがおこがましいのです!」と一刀両断の堀河局。この後セリフがカットされているのですが、実はこのカットされたセリフが今回のオチだったりします。
堀河局(カットセリフ):「あなた(義清)が誰よりも愛しいと思うているのは、あなたご自身ですもの」
保延5年12月、雅仁親王元服。雅に振る舞い、「屈強な男たちに押さえつけられ、力づくで大人にされてしまった」誰かとは大違いかと思いきや、バックダンサー付きで今様を歌い踊る始末。キレた鳥羽院に対して後白河らしい返答をするライアーゲームのセリフがカットされているのですが、きりがないのでここでもカット。
続くライアーゲームとデスレコーズ社長のトークバトルは、保延6年(1140年)春。
その後、摂関家三麻呂が待ちぼうけを食わされるなどの何やかんやの末、鳥羽院御所の庭にたたずむ待賢門院に接近する義清。が、待賢門院は彼をスルーして庭に唯一残っていた水仙(待賢門院の象徴)を見つけて慈しむ。これにブチギレる義清。
義清「許さぬ。許さぬ! なにゆえ分かってくださらぬのですか。貴方をお救いできるのは私しかおらぬのに。なにゆえ私ではなく、あのような酷いお方を愛しく思われるのですか」
と、待賢門院を首絞め。完全にストーカーの論理です。
院御所から逃げる義清を目撃した頼長。義清を御所に呼び出し、証拠と自身の目撃情報を基に彼を追い詰めます。頼長ならむしろ自邸に呼び出して、この件をネタに肉体関係を迫るのでは……などと思ってしまうのは、多分私が頼長を誤解しているからでしょう。多分。
が、頼長の尋問をスルーする鳥羽院。
頼長「えっ」
璋子「えっ」
義清「えっ」
清盛「えっ」
「(待賢門院が)誰と何をしようと、もはや私の心はさざ波ひとつ立たぬゆえ」と。やー、キツいなぁ。
屋敷に戻った義清を迎える妻と娘(花子)。ついに来るのか、幼女虐待シーン。NHK的にアリなのか? アリならどう演出する? と、義清がいつ娘を蹴落とすのか、気になって仕方がありませんでした。
あ、蹴落とした。
やはり、西行の出家にはこのエピソードは欠かせないでしょう。その後の清盛とのトークは蛇足的というか、もうどうでもよーい。
というわけで、第10回 「義清(の髪)散る」完。次回は明子死亡。この死因がまた何とも……。
・大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
・大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第10回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。