大河ドラマ「平清盛」 第45回 以仁王の令旨 感想

カテゴリ:平清盛
日時:2012/11/18 21:32

清盛高倉帝に譲位を迫った治承4年(1180年)ナレ朝さんはこのときを「春」と表現していましたが、譲位が行われたのは2月21日。現代的な感覚では違和感がなきにしもあらず。ノベライズでは、最初のシーンは「治承4年1月」となっており、この方が自然に感じられるでしょう。

で、清盛の意を受けた新棟梁宗盛基通が、高倉帝に譲位を迫ります。

平家と関白からプレッシャーを受ける高倉帝も不幸ですが、以仁王30歳も所領を奪われしょんぼり。

以仁王「私は、何のために王家に生まれてきたのでござりましょう。いや、何のために生まれてきたのでござりましょう」

そこで八条院は頼政に力添えを迫ります。が、韜晦して要求をかわす頼政。ノベライズでは、いずれ兵を集めて平家を倒す意志があったことを告白していますが、ドラマではカットされてしまいました。

八条院「このまま一生を終えてよいのか

これに対し、あの世で義朝に首を刎ねてもらうつもりと語る頼政77歳。当時としては相当高齢ですが、宇梶剛士では白髪を増やしたくらいでは年相応に見えないのが残念。『義経』の丹波哲郎は以仁王の令旨の段階でははまってましたが……逆に平治の乱当時の頼政では老けすぎ。難しいものです。 場面は伊豆へ。後に頼朝挙兵時にファーストターゲットにされる伊豆目代山木さん登場。頼朝に嫁を奪われ攻められるなど、頼朝にとことん不幸にされちゃうかわいそうな人です。この山木兼隆に租税アップを伝えられ、平家のやりように深刻トークの時政、政子、藤九郎。頼朝は話に加わらず、黙々と弓の準備。

りりしい表情で弓をつがえる頼朝に、期待ワクテカな表情の政子。が、矢は大外し。

一同「……」

頼朝「……しばらく武芸から離れておったゆえ」

それどころか、政子にコーチされる始末。いいんだよ、頼朝は政治家なんだから。

一方、奥州では見事に的を射落とす義経。まぁ、君はただの前線指揮官だから武芸はできないとね。しかしまぁ、対比の好きな脚本ですな。

そして、弁慶と武芸を磨く義経を笑顔で見守る目張り秀衡。京本政樹はブレないな……。
2月21日、高倉帝が譲位して、壇ノ浦ダイバー安徳天皇が即位します。5年後にはドボンですねぇ。

清盛の横暴はとどまることをしらず、高倉上皇の厳島参詣を要求。兼実らはこれをのみますが、延暦寺、興福寺、園城寺が猛反対。これに配慮して日程が遅れたため、ヘソを曲げる清盛さん。さらに、福原遷都を言い出します。そこへ、かの祇王と祇女登場。

宗盛もまた、俺たちのムメムネ化が順調に進んでいます。胸が熱くなるな。

清盛の意図を曲解し、宴三昧の日々。ここでムネムネをさらに屈折させたのが、時子の諫止と、竹馬を持ってきた清宗(不細工)。壊れた竹馬を直すことなく斬られた忠正の思い出が蘇ります。しかしまぁ、よく壊れた竹馬なんかとっておいたものです。

時子と清宗の波状攻撃ですっかり屈託したムネムネ。ここであの有名なエピソードにつなげたところはお見事。

ムネムネはあろうことか、頼政の嫡男仲綱の愛馬「木下(このした)」を奪い、この馬を「仲綱」と名付けて辱め、焼き印まで押してしまうのです。完全に「むしゃくしゃしてやった。今でも反省していない」状態のムネムネ。仲綱の無念はいかばかりか……。

仲綱「父上。我ら親子は木下のようなものにござりますな」

嘆く仲綱に、頼政の謀反フラグがまた1本……。八条院の言葉が蘇ります。

八条院「このまま一生を終えてよいのか

ついに臨界を突破した頼政・仲綱親子は、八条院と以仁王の屋敷を訪問します。そこで、八条院にトラブルメーカー&残念源氏の行家と引き合わされます。本当に、行家の攻勢期は以仁王の令旨を全国に届けたことだけですなぁ。

こうして、歴史のターニングポイント、以仁王の令旨が出されることになります。彼は「王」なので本来は「令旨」ではなく「御教書」でなければならないのですが。

4月22日、安徳帝即位の儀が行われます。

福原の清盛は、祇王、祇女を侍らせてイチャイチャ。そこにニュー白拍子仏御前が参入。ノベライズの表現によると「若く、美しい白拍子だった」。「美しい」はともかく、木村多江って「若く」と言ってもいいの? 一応、仏御前はこのとき20歳だけど……。ちなみに、仏御前によって清盛の寵愛を失った祇王が、福原を去って仏門に入ったのが21歳のとき。仏御前が特に若かったというわけではなさそうです。

以仁王が令旨をしたためたのが4月9日。27日には行家が頼朝に令旨を手渡しています。

都と東国で歴史が変わろうとしているそのとき、清盛は仏御前にロックオン。

仏御前「君を初めて見る折は 千代も経ぬべし姫小松 御前の池なる亀岡に 鶴こそ群れ居て遊ぶめれ」

今回は、清盛を黙って見つめる盛国の複雑な表情が印象的。

ナレ「平清盛は、たったひとりで、暗闇の中にいた」

まぁ、清盛がこのままってことはないんですがね(ネタバレ)。

大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第45回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。