大河ドラマ「平清盛」 第8回 宋銭と内大臣
カテゴリ:平清盛
日時:2012/02/26 22:33
今回は保延2年(1136年)からスタート。鳥羽院御所で腐敗に眉をひそめていた藤原頼長初登場シーンにて、彼が「(権)大納言」と呼ばれており、途中で内大臣内示を知らされ、後半で内大臣と呼ばれていたことからも、これが1136年のことであることが分かります。
博多・神崎荘を訪れてた清盛一行は、忠盛が院宣を捏造(史実)して密貿易している様を目撃。ここでキーアイテムとなる「しゃべるオウム」が登場。この時代の日本に、「しゃべるオウム」がいたことは事実のようです。というのも、忠通に献上されたオウムの観察記録が、頼長の日記『台記』(別名「ホモ日記」)に記されているからです。Wikipediaによると、「舌は人間の舌に似ているから、よくものを言うのだろう」的なことが書かれているそうなので、このオウムはしゃべったのでしょう。ドラマではこのオウムをダメ義さんが頼長に献上するという形に翻案していました(また「歴史改変」「史実捏造」とか言い出す輩が出てくるのかなぁ)。ただし、去年のセキセイインコはアウト。
しかしまぁ、今回は無意識だったようですが、舞子の件といい、イチイチ平氏の足を引っ張る役をやらされてるなぁ。>ダメ義さん。 微妙に気になったのが、神崎荘での密貿易システムを説明されたときの清盛の反応。不正や曲がったことを嫌うブルーヒップなキャラだった清盛が、院宣捏造には実にうれしそう。あれ、「不正ではないか!」と怒ったりはしないのね。これは、
1.数え19歳にして、清濁併せ呑む度量が備わったぜ
2.単なるキャラのブレ
3.他人(王家&公家限定)の不正は許せねーが、パパ盛のやることならオッケー
さて、どれでしょうね。
鳥羽院御所で院のやることなすことにムカついている、この時点では権大納言の頼長。ここで使われていた青磁の酒器を見とがめ、清盛の名を認識するという流れはうまい。ここは義清と鳥羽院の接近から崇徳帝の孤独につながるシーンでもあり、かつ庭の花が水仙(璋子の象徴)から菊(得子の象徴)に変わったことで鳥羽院の心象が表現されており、実にムダがない。
屋敷戻った頼長は、実父忠実&兄にして義父の忠通から内大臣の内示を知らされます。が、乱れた都に憤慨している頼長は喜びません。
頼長「これを正すべき院が若き側女に入れ込み(以下略)」
ん? 「若き側女」? 史実上は19歳の得子(松雪泰子39歳)のこと……だよな、やっぱり。
このシーン、頼長の粛正宣言で終わっていましたが、ドラマストーリーではこの後、
忠実「わが子ながら頼もしい」
忠通「わが子ながらかわいげのない」
というセリフが続きます。忠実の溺愛っぷり、忠通との確執が今後のポイントなので、できればカットしてほしくなかったなぁ。限りある尺ゆえ、仕方ないのですが。
一方、久々に登場の義朝は東国で武芸の鍛錬というかサバイバル中。ドラマストーリーによると、ここから保延3年(1137年)。悲惨な生活の映像と、それとは正反対の「みんな親切で、一人暮らしをエンジョイしてます」的手紙ってのは、ドラマ的にはよくある話ですね。それを「安心させるためのウソ」と見抜く親、も。
そこへ、由良ちゃん登場。これまたテンプレぎみのツンデレを炸裂させます。田中麗奈のツンデレっぷりはかわいいのですが、眉を上げたときの額のしわがやや気になるところ。まぁ、去年のほうれい線幼女よりはマシか。
ここで、頼長と清盛を結びつける役として、ダメ義さんが前述の大活躍。密貿易品として清盛が京に連れてきたオウムを頼長に献上してしまいます。
オウム「ここで買うたことは内密にな」
史実に反して殿上闇討ちの実行犯役などを割り振られるダメ義さん哀れというか、大活躍だな、というか。私は、ドラマとして面白ければこうした改変は歓迎です。だって、これ「ドラマ」ですからね。「史実だと勘違いしちゃう人がいるから」って? そりゃ、ドラマを史実だと思う人が愚かなだけでしょう。ドラマはドラマです。でもツマらない改変はノーサンキュー。
こうして頼長による清盛の呼び出し。頼長、中ボスの貫禄十分です。表情、目線の動き、所作など、山本耕史はいい仕事をするなぁ。麻呂メイクも似合っており、大変すばらしい。去年のゴロ寝将軍とは雲泥の差です。
中ボスにボコられて帰路につく清盛。ラビット丸に「なぜ言い返さなかった」と言われ、
清盛「言い返さなかったのではない、言い返せなかったのじゃ。言えば言うだけ、己の青臭さ、浅はかさを思い知らされそうな気がして。……何かを変えたいという、思いだけでは動かぬこともある」
いやー、清盛成長したなー。青臭さ、浅はかさを自覚しているところがすばらしい。やはり、反省も成長もなく、どう見てもおろかな言動なのに登場人物からは賞賛され続けるスーパー主人公より、自省と成長がある主人公がいいですね。
明子「ややができましてござりまする」
重盛キター!
次回はデスノートvs.ライアーゲーム
そういえば、唐突に登場した侍女 生田。微妙にキャラが薄い。ピザ侍女(「功名が辻」)が懐かしい。
・大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
・大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第8回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。
博多・神崎荘を訪れてた清盛一行は、忠盛が院宣を捏造(史実)して密貿易している様を目撃。ここでキーアイテムとなる「しゃべるオウム」が登場。この時代の日本に、「しゃべるオウム」がいたことは事実のようです。というのも、忠通に献上されたオウムの観察記録が、頼長の日記『台記』(別名「ホモ日記」)に記されているからです。Wikipediaによると、「舌は人間の舌に似ているから、よくものを言うのだろう」的なことが書かれているそうなので、このオウムはしゃべったのでしょう。ドラマではこのオウムをダメ義さんが頼長に献上するという形に翻案していました(また「歴史改変」「史実捏造」とか言い出す輩が出てくるのかなぁ)。ただし、去年のセキセイインコはアウト。
しかしまぁ、今回は無意識だったようですが、舞子の件といい、イチイチ平氏の足を引っ張る役をやらされてるなぁ。>ダメ義さん。 微妙に気になったのが、神崎荘での密貿易システムを説明されたときの清盛の反応。不正や曲がったことを嫌うブルーヒップなキャラだった清盛が、院宣捏造には実にうれしそう。あれ、「不正ではないか!」と怒ったりはしないのね。これは、
1.数え19歳にして、清濁併せ呑む度量が備わったぜ
2.単なるキャラのブレ
3.他人(王家&公家限定)の不正は許せねーが、パパ盛のやることならオッケー
さて、どれでしょうね。
鳥羽院御所で院のやることなすことにムカついている、この時点では権大納言の頼長。ここで使われていた青磁の酒器を見とがめ、清盛の名を認識するという流れはうまい。ここは義清と鳥羽院の接近から崇徳帝の孤独につながるシーンでもあり、かつ庭の花が水仙(璋子の象徴)から菊(得子の象徴)に変わったことで鳥羽院の心象が表現されており、実にムダがない。
屋敷戻った頼長は、実父忠実&兄にして義父の忠通から内大臣の内示を知らされます。が、乱れた都に憤慨している頼長は喜びません。
頼長「これを正すべき院が若き側女に入れ込み(以下略)」
ん? 「若き側女」? 史実上は19歳の得子(松雪泰子39歳)のこと……だよな、やっぱり。
このシーン、頼長の粛正宣言で終わっていましたが、ドラマストーリーではこの後、
忠実「わが子ながら頼もしい」
忠通「わが子ながらかわいげのない」
というセリフが続きます。忠実の溺愛っぷり、忠通との確執が今後のポイントなので、できればカットしてほしくなかったなぁ。限りある尺ゆえ、仕方ないのですが。
一方、久々に登場の義朝は東国で武芸の鍛錬というかサバイバル中。ドラマストーリーによると、ここから保延3年(1137年)。悲惨な生活の映像と、それとは正反対の「みんな親切で、一人暮らしをエンジョイしてます」的手紙ってのは、ドラマ的にはよくある話ですね。それを「安心させるためのウソ」と見抜く親、も。
そこへ、由良ちゃん登場。これまたテンプレぎみのツンデレを炸裂させます。田中麗奈のツンデレっぷりはかわいいのですが、眉を上げたときの額のしわがやや気になるところ。まぁ、去年のほうれい線幼女よりはマシか。
ここで、頼長と清盛を結びつける役として、ダメ義さんが前述の大活躍。密貿易品として清盛が京に連れてきたオウムを頼長に献上してしまいます。
オウム「ここで買うたことは内密にな」
史実に反して殿上闇討ちの実行犯役などを割り振られるダメ義さん哀れというか、大活躍だな、というか。私は、ドラマとして面白ければこうした改変は歓迎です。だって、これ「ドラマ」ですからね。「史実だと勘違いしちゃう人がいるから」って? そりゃ、ドラマを史実だと思う人が愚かなだけでしょう。ドラマはドラマです。でもツマらない改変はノーサンキュー。
こうして頼長による清盛の呼び出し。頼長、中ボスの貫禄十分です。表情、目線の動き、所作など、山本耕史はいい仕事をするなぁ。麻呂メイクも似合っており、大変すばらしい。去年のゴロ寝将軍とは雲泥の差です。
中ボスにボコられて帰路につく清盛。ラビット丸に「なぜ言い返さなかった」と言われ、
清盛「言い返さなかったのではない、言い返せなかったのじゃ。言えば言うだけ、己の青臭さ、浅はかさを思い知らされそうな気がして。……何かを変えたいという、思いだけでは動かぬこともある」
いやー、清盛成長したなー。青臭さ、浅はかさを自覚しているところがすばらしい。やはり、反省も成長もなく、どう見てもおろかな言動なのに登場人物からは賞賛され続けるスーパー主人公より、自省と成長がある主人公がいいですね。
明子「ややができましてござりまする」
重盛キター!
次回はデスノートvs.ライアーゲーム
そういえば、唐突に登場した侍女 生田。微妙にキャラが薄い。ピザ侍女(「功名が辻」)が懐かしい。
・大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
・大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第8回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。