大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第40回 天正の草履番 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/10/08 22:07
今回は、浜松城の玄関で生まれた草履マネジメントのイノベーション。これが斜め上過ぎるのですが、徳川家では評価されてよかったね、というお話。まぁ、本当のテーマは井伊家再興を巡るぞれぞれの本音の吐露ですが。

ではドラマスタート。万千代たちは草履マネジメントに失敗し、浜松城の玄関は大混乱。見たところ、顔と名前の一致が不十分で草履に付けたネームプレートが役に立っていない。名前が分かっても、あの並べ方では草履の検索に難がある。

あのヘロヘロの名札なんかやめて、いろは順なりなんなりで置き場所を固定すれば、少なくとも草履探しは省力化するのに。インデクシングはデータマネジメントの基本だよ。

万千代が井伊を称したことは各所に波紋を呼び、おとわは万千代をいさめるために出陣。浜松城に到着するやいなや、玄関先で説教を始めます。

万千代は、「草履を並べるための棚」という、イマイチ解決に結び付きそうにないものを制作中。浜松城には草履ストレージすらなかったのか? 逆に、草履番新設以前の浜松城はどうしていたのか気になります。都築や鈴木らの口ぶりから、草履番設立以前は特に問題なかったっぽいのですが……。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第39回 虎松の野望 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/10/01 20:47
井伊直政のスタートが通説よりもハードモードな気がしますが、この後しばらくドラマとしては直政の出世物語しか切り口がないでしょうからお話としては面白いかもしれません。それより、「鷹匠・ノブ」の正体が気になります。

ではドラマスタート。天正2年(1574年)12月14日、井伊直親の十三回忌法要開催。その後、虎松は井伊谷で社会科見学。井伊谷の豊かさに感嘆した虎松は、おとわが近藤を操っていると聞き、般若顔で憤慨。

何だ? このキャラ。

井伊再興を志した虎松は、南渓にメールを託します。このメールを持って、いそいそと出立した南渓が向かったのは岡崎城。そこで、(5年後には死んじゃう)瀬名&徳川信康と面会。そして、虎松メールを瀬名に渡します。

さて、虎松が瀬名に何用かと思ったら……。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第38回 井伊を共に去りぬ 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/09/24 20:04
今回のタイトルは、「武田が来たりて火を放ち、井伊を共に去らぬ」。有象無象がどうでもいいことをやっているうちに信玄が死んじゃって、その死がバレバレだったというお話です。

ではドラマスタート。井伊谷を制圧したものの、百姓は逃散、兵糧はナッシング。武田信玄はその腹いせに村を焼き払えと命じます。

前回が、武田が来たりて近藤が火を放つ
今回がホントの、武田が来たりて火を放つ

でした。

南渓は、井伊は武田に味方するから安堵してねとお願い。すると、近藤の首と引き替えに所領を安堵するというメールがおとわに下されます。そのメールを近藤に見せるおとわ。井伊と近藤が反目している体を取り、武田が優勢なら井伊が、徳川が優勢なら近藤が立つことにして様子を見ようぜと、小細工を持ちかけます。

しかし近藤が信用せず、破談。

一方、高瀬の挙動を龍雲丸が不審に思ったことから、おとわは高瀬をマーク。そして、高瀬が近藤のために用意した薬を飲もうとし、腕を高瀬がはたき落とすというベタベタな展開。やっぱりこのパターンかー。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第37回 武田が来たりて火を放つ 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/09/17 20:09
武田じゃなくて近藤が火を放っていた第37回。徳川パートは面白かったのですが、井伊パートは微妙。取りあえず、最近まで殿だったおとわにもうタメ語で話せる農民たちの順応力に乾杯!

元亀三年(1572年)秋。まずはどうでもいい小ネタからスタート。瀬戸方久は刺繍にビジネスチャンスを見いだし、制作者のあやめに熱烈プロポーズ。あやめ、というか光浦がめでたくご結婚です。

おとわはファーマーにジョブチェンジ。龍雲丸に女の影! で安っぽいラブコメネタをひとくさり演じつつ、龍雲丸の堺行きを絡めておとわの心情描写。

近藤の屋敷では、あからさまに怪しい行商人が高瀬に接近。高瀬に近藤暗殺命令が下ります。あー高瀬って武田の間者だったのね、びっくりしたわー。おどろいたわー。意外な展開だわー。

祐椿尼に背を押され、堺行きを決断するおとわですが、10月3日、武田が遠江侵攻を開始したことで事態は一変。

徳川は劣勢。そこで徳川家康は生き残りを賭けて織田から武田に寝返る決断を下します。そこへやって来る、援軍の佐久間信盛。徳川一同のガッカリ感に笑いました。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第36回 井伊家最後の日 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/09/10 20:08
井伊谷の連中の、順風満帆な再就職を垂れ流すヌルいお話です。直虎が還俗したところでマジで「もう終わりでいいよ」と思いましたが、来週からは面白くなる……かな?

ではドラマスタート。掛川城を出た今川氏真は、北条家へ。北条氏康とも話が弾んで結構なことです。

井伊谷では、近藤康用がリハビリ開始か、と思ったらいきなり立っちゃいました。絶対「クララが立った」を意識してるだろ、って演出で萎えます。これですっかり善人化した近藤が、新野らを召し抱えてもいいよ、と井伊直虎にオファー。

続いて虎松問題が前進。わびを入れに来た常慶が、虎松に松下をプレゼントするとオファー。

さらに悩む直虎に、もう井伊は終わらせようぜと言う南渓。小野政次の形見の碁石もボッシュート。こうして、井伊家終了が決定します。

直虎は、隠し里の連中と虎松に井伊家終了のお知らせ。虎松は母しのが嫁いだ松下源太郎(清景)の下へ。早速「父上」と呼んで、新生活を良好にスタート。旧家臣らも近藤や松下に召し抱えられます。一族郎党皆討ち死にするわけでもなく、皆殺しにされるわけでもなく、井伊家終了といってもヌルいソフトランディングです。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第35回 蘇(よみが)えりし者たち 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/09/03 20:37
徳川による井伊谷、気賀の制圧と政次ロスの衝撃から脱した直虎と井伊の人々が日常と明日への希望を取り戻す箸休め回。だから大したことは起こらず、話の進展としては大名家としての今川滅亡(氏真自身は江戸時代まで生きてる)くらいです。

ではドラマスタート。気賀に急行した井伊直虎が見たのは、死屍累々の光景。そして、なぜか「龍雲丸だけ」が生きていました。不思議なこともあるものですなあ。

正気を取り戻した直虎は、政次の血付き尼頭巾を着けていません。この後、再び尼頭巾を着けますが、政次の血は付いていないものになります。あの尼頭巾は政次ロスの象徴だったのでしょう。

龍潭寺に戻った直虎は、龍雲丸をかいがいしく看病します。意識のない龍雲丸に薬を飲ませようとするも、当然飲み下しません。すると、口移しで薬を与える直虎。すると、なぜか飲み下す龍雲丸。

ごめん、この理屈が全く分からない。

器で注ごうが口移しだろうが、できるのは口腔(こうこう)内に注入することだけ。飲み下すかどうかは別の問題です。直虎の行為は全く意味がありません。

ちなみに、「意識がなければ飲むわけない。誤嚥しちゃうからそんなことしない」(某看護師)とのことです。まぁ、寝てるときに口に水なんかぶち込まれた日には、気管に入って盛大に「ゴフッッッッッ!」となりますわな。常識的に考えて。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第34回 隠し港の龍雲丸 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/08/27 20:45
視聴者以上に直虎が「政次ロス」にはまっていて、逆に政次ロスを感じませんでした。堀川城の件は酒井忠次に押しつけた感があってやや残念。種崎浜の虐殺も逃げたNHKですから、何らかの形で逃げを打ってくるとは思っていましたが。

ではドラマスタート。小野政次をしのび、1人で碁を打ち続ける井伊直虎。と、当初は思われていましたが、隠し里行きを勧められたときに異変が判明します。政次の死を記憶からキャンセルしていたのです。一方で、政次を手にかけた際に血が付いた尼頭巾を着けたまま。

年は改まり永禄12年(1569年)。武田の駿河侵攻にキレた北条が、武田へ攻撃開始。これで今川が体制を立て直し、膠着状態となります。今川氏真が立て籠もる掛川城は落ちず、湖岸は大沢基胤の大活躍で徳川は苦戦中。

こんな情勢下で大沢が気賀と堀川城を占領。気賀を脱出した瀬戸方久と中村屋は、引間城の徳川陣営に駆け込みます。中村屋が提供した船や物資、方久の城情報から、攻略プランを立てる徳川家康。その様子を冷ややかに見る酒井忠次。忠次というと家康の忠臣というイメージがあり、この表情はちょっと意外です。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第33回 嫌われ政次の一生 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/08/20 20:44
小野政次というか高橋一生の退場回。本ドラマのクライマックスの1つです。この回を見るために、これまで我慢してきたと言っても過言ではありません。

しかしまあ、「嫌われ政次」とはまたひどいタイトルを付けたものです。松子もとい政次がかわいそうになります。それはともかく、こうして見ると「一生(いっしょう)」は「一生(いっせい)」とのダブルミーニングのような気がしてくるのですが、考えすぎでしょうか。

ではドラマスタート。井伊谷城明け渡し時の、ツッコミどころ満載な抵抗を巡り、非をとがめる近藤と冤罪を主張する井伊直虎が対立。双方とも証拠がない状態ながら、直虎の主張は筋が通っています。が、「井伊の再興」「家康公にお取り次ぎを」を連呼するウザさでかなり減点。酒井忠次的には、「うわぁ……」って感じでしょう。

半刻後、徳川家康らが井伊谷城に到着。小野政次の非をならす近藤、それに同調する菅沼。縁戚故に直虎の釈放を願う鈴木。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第32回 復活の火 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/08/13 20:52
直虎のために動いている政次をどのように処刑される立場に立たせるのか。連絡の行き違いか、何かの勘違いか、悪辣な謀略か。とても楽しみにしているのですが、今回のラストでちょっと不安になってきました。

ではドラマスタート。井伊直虎は、井伊の情勢を説明するメールを徳川家康に送信します。こういうメールは到着が遅れたり届かなかったりして悲劇を生むのが定番ですが、さて?

家康は、重臣らと軍議中。ノベライズには諸将のセリフがあって徳川の事情が分かるようになっているのですが、ドラマではザックりとカットされています。ざっとまとめると、
・10日後に武田は駿府に攻め込むよ(ドラマでも言及)
・徳川は掛川を落とせって、えー
・掛川は遠江の東端じゃん! つれーよ
・引間は松下常慶が調略してるよ
・海岸沿いの大沢、浜名は難しいよ(ドラマでも言及)

で、井伊を調略しに行った酒井忠次がヘロヘロになって帰還します。忠次が語ったのは、

・井伊は取り潰された
・目付家老の小野政次が乗っ取り、虎松は首を取られた

という表面上の情報だけ。家康は既に菅沼定盈を通じて井伊谷三人衆を調略中。そこでこの3人を使って政次を討ち取るプランを立てます。情報伝達が不確実な時代にはこうした行き違いがあるものです。

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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第31回 虎松の首 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日付:2017/08/06 20:47
井伊谷と直虎を守るため、自らの手を血に染めて修羅の道を邁進する政次。このドラマ、政次の処刑後はどうやって見どころを作り出すつもりなのか、心配になります。

百姓どもの座り込み騒ぎが流血沙汰になる寸前というタイミングで、井伊直虎を引き連れて場を制する小野政次。この機に乗じて、徳政令受け入れを直虎に要求します。政次が裏切り者役を演じて今川から井伊谷を預かるつもりと信じた直虎は、徳政令を受け入れます。

関口にまんまと事後処理を任された政次は、直虎らに立ち退き要求。無慈悲な扱いにも見えますが、ここで退去しておけば後に今川が井伊家の処断を考えても安全を図れるということ。

隠し里に逃れた直虎は、一同に井伊復活プランを開陳。ついでに政次が今川に面従腹背していたことを明かします。実はそう思ってたとか言い出す連中も居れば、全部ひっくるめて直虎がだまされている可能性を指摘する直之もいたり。

そして久々の今川パート。ノベライズには、武田に調略された椎名康胤(元は上杉の国人)を攻撃するため、上杉が動けなくなって今川がピンチ、という背後情勢が語られています。つまり、北から武田を圧迫するはずの上杉が自国問題に煩わされているため、武田は後背を気にせず南下して今川を攻められるようになったというわけです。

 今川氏真がイラついていたのはこのような事情があるわけですが、ドラマではカット。ストーリーには直接関係ないし、真田丸のコーエーメソッドでも使わないと説明が難しいところです。しかし、井伊谷の受難もこうした大局の一側面でもあり、こうした流れが戦国史の面白いところ。このドラマの薄っぺらさの一端は、大局観の排除にあるような気がします。

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