大河ドラマ「おんな城主 直虎」 最終回 石を継ぐ者 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日時:2017/12/17 22:12

ラストはホーガンの『星を継ぐもの』かな。すごく面白い小説なのでおススメです。「石を継ぐ者」は悲惨で目を覆いたくなるほど退屈でしたが。

ではドラマスタート。戦後処理として、井伊谷の自然が問題となり、於大の方と対立するおとわ。おとわの偉そうかつ嫌みったらしい口調にイラっとさせられます。

さらに、織田信長の子だと言い出し、証拠として信長から拝領した天目茶碗を披露して押し通します。まあどうでもいいや。

僧になった自然の法名は「悦岫」。信長の子で龍潭寺四世(第4代住職)となる人物です。ちなみに、歴代は黙宗→南渓→傑山→悦岫→昊天。龍潭寺のサイトによると、慶長5年ごろ「龍潭寺四世・悦岫永怡より昊天の号を授かる」とのことで、昊天と悦岫の関係はドラマとかなり異なります。

そして特にコメントするほどのこともないエピが続き、おとわが例の井戸の前で死亡。どうでもいいオリキャラも遭難死した模様。

南渓から碁石を渡された万千代は、北条との和睦交渉役に立候補。任されると甲斐・信濃の国衆を徳川に臣従させて北条が口出しできない状況を作ります。で、和睦成立。 元服して直政の名を与えられ、さらに松下、木俣、川手、庵原、近藤、鈴木、菅沼の七家&武田の赤備えをゲット。庵原助右衛門らは後に、直政のブラックっぷりのために逃げ出しちゃうわけですが、直政の負の部分はスルーですよねそうですよね。

というわけで、何の感動も盛り上がりもなく最終回終了。ラスト2回のクソッぷりはどうしたことか。ここまでくると笑えてきます。

1年を通した感想は、「私の見たい井伊の話ではなかった」です。他の人にとってはそうではなかったかもしれません。

今川家臣の目線で遠州忩劇をもっとちゃんと見てみたかった。直虎の産業振興村おこしも悪くはなかったけど、あれは井伊でなくてもよかった。万千代編はやや持ち直したものの、おとわが出張るとつまらない。政次がいたころは面白かったが、それは政次の魅力に直虎が引っ張られていたにすぎなかった。結局、井伊直虎という魅力のない主人公を中心に話を回そうとして、魅力のない話になってしまった。

もちろん、いいところはたくさんありました。政次のキャラ造形は秀逸で、それを高橋一生が見事に演じきっていました。あれは脚本と役者両方が良かった。氏真さんも良かった。史実とウソをまとめる手腕も、うならされる場面がしばしばありました。今回の、光秀の子(笑)と天目茶碗をくっつけて悦岫にしちゃうところも、正直驚きました。

でも、やはり総合すると凡作でした。終盤、おとわの出番を減らして万千代中心でクライマックスを作っていれば(『真田丸』とは違った伊賀越えとか)、また違っていたのでしょうが。

作り手たちは、本当に「井伊直虎で作りたい!」という情熱があったのでしょうか。「この人物を通してコレを見せたい」というものがあったのでしょうか。残念ながらそうではなく、「今年は女性主人公にしなきゃいけないから、直虎に決まったから、何とかエピをかき集めて作りました」という印象を受けました。

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