大河ドラマ「軍師官兵衛」 第38回 追い込まれる軍師 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/09/21 21:43

誰か、光を成敗してくれよと思った第38回。

ノベライズには、官兵衛の本陣に合流した清正正則から、秀吉の意向を長政に話したことを聞かされ、長政を案じて苦労九郎右衛門を中津にやる場面があるのですが、豪快にカット。

後のシーンで、九郎右衛門が鎮房らが成敗されたことを報告するのは、このファーストシーンを受けてのことだったわけです。

さらに、シーンがカットされたために関係性が不明瞭になったのが、鶴と又兵衛。ドラマでは、鶴は唐突に牢に入れられていましたが、ノベライズでは長政が城井谷への出陣を命じた喧噪の中、鶴が捕らわれるのですが又兵衛が逃がします。で、又兵衛が謀殺について長政に詰問。

又兵衛「泥をかぶるおつもりか?」

と長政の真意を悟ったところで鶴を捕らえたという報告が入り、長政が牢に入れておけと命じます。鶴を牢から出すとき、又兵衛が来て説得したのは、ここで関わりが出来ていたからだったわけです。にしても、二度も捕まるとは鈍くさい姫だ。 そして、牢に入れられた鶴を訪問する光。鶴に詫びを入れ、「殺すようなことはさせぬ」と勝手に確約。そして出陣準備中の長政を捕まえ、くどくどと苦情を垂れ流します。

光「宇都宮に本領安堵を約束しながら国替えを命じ、従わねば皆殺しとは、何と無慈悲な!」

正論だけど、長政を責めても始まらない。史実はともかくドラマでは善助を交渉に行かせたり時間稼ぎしたり、それなりに努力はしていても秀吉を翻意させることはできなかったわけで、光の正論は「だから何?」って感じです。まぁ実写かいでもこんな人いますけどね。当事者が色々手を尽くしているのに、訳知り顔で後から正論を持ち出す部外者。

もう、誰かこの役立たずのウザい女切り捨てろよ。

長政がやらかしたことを知った官兵衛は、朝房を呼び出します。光がほざくと殺意が湧きますが、当事者たる朝房が「あまりにも理不尽!」と怒るのは、まぁ気持ちも分かります。「はなからわれらを滅ぼすつもりだったのだ!」には同意しかねますが。理不尽な点はあるものの、それを堪えて伊予への国替えに従っていれば問題なかった。そして天下人たる秀吉の仕置きに対して一揆を起こしておいてお咎めなしを期待するのは虫が良すぎるというもの。

これまた役に立たない正論を吐く朝房をどうするのか? 史実では暗殺された朝房ですが、「お前だけは生きろ」とか言っちゃって赤マフラー化か? と思ったら、官兵衛自ら手を下します。朝房をちゃんと殺したのは、大河関係者にも最低限の良心は残っているということかな。

一方、まだ磔にもされず生き残っている鶴はハンガーストライキ中。ノベライズには、光、糸、福、宇宙人が集まって鶴を助けるための密談をこらすという、くだらないシーンがあるのですがドラマではカット。大河関係者にも最低限の良心は残っているということかな。

で、黒田家を守った殊勲者長政が城井谷から疲れ果てて戻ると、中津城の女たちもストライキ中。家老の姫を無礼にも侍女扱いでこき使っていた光が、鶴を牢から出せと長政に要求します。

「助ける」のではなく「勝手に逃げた」というのが、「光が考えた、苦肉の策」(ノベライズの地の文)。小学生が考えたような浅はかな考えで、笑えます。誰か、このバカ女を切り捨てろ。

で、一族を皆殺しにしておいて「生きよ。何が何でも生きるのだ」と命じるのも妙な話ですが、鶴は磔を回避して見事赤マフラーに。まぁ、初代赤マフラー同様、鶴にも生存説はありますけどね……。

5月、官兵衛帰還。鶴の話題になると、「助けたわけではない、勝手に逃げただけ」とドヤ顔の光。しかし、「逃げられた」ってのは十分不手際であり、叱責・処罰の口実になり得ます。「13歳の小娘に逃げられるって、お前ら仕事する気あんの? バカなの? 死ぬの?」って感じです。「拘留中の犯人に逃げられました」なんてことになったら、みんな警察袋だたきにするでしょ。

光、つくづく考えが浅くて愚かすぎ。誰か、このイラナイ、皮膚がヌメヌメした女切り捨てろよ。

そして長政に語りかける光。

光「こたびはつらい戦でした」

お前はつらい思いをして戦っていた長政を責め、ますます追い詰めていただけだがなー。

7月、成政切腹。肥後に小西行長と清正を入れ、唐入りプロジェクトを開陳する秀吉。「明でございます」とドヤ顔の、髭が似合わない三成がウザい。

こんなタイミングで京都旅行を計画する家康(映像では分かりにくいのですが、行き先は大坂城ではなく京の聚楽第)。そしてデスラー総統を介して「会ってみたい男」官兵衛と会談。「官兵衛が天下を取るだろう」という有名な逸話を、家康が聞いた噂話という形で入れてきたのはなかなか良かった。

これを聞いて官兵衛ショーック。秀吉に警戒されていると知り、次回、長政に家督を譲るという有名な展開につなげるわけですね。

2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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