大河ドラマ「真田丸」 第20回 前兆 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/05/22 22:30

今回は豊臣秀吉の狂気の始まり、まさに「前兆」ともいえる聚楽第落首事件(ちなみに軍師官兵衛だと39回)です。史実よりも「被害」を少なくしている点が気になりますが、史実と虚構をうまく織り交ぜているところは楽しめます。

駿府から上田に戻ってきた真田昌幸一行。平謝りする信幸の態度から、離縁を悟るおこうさん。すると、「かしこまりました」とあっさり受け入れます。

あらためて家族にこう離縁する旨を伝える昌幸・信幸。これに対し、とりは「ひどい、ひどすぎる」と憤ります。

昌幸「実は……わしも断るつもりでおったのじゃ」

えっ。

昌幸「しかし、源三郎がどうしてもと。なっ?」

ひどい、ひどすぎる。

でも、ツッコまずに「これも真田の家のためでございます」と、この決定の責任を引き受ける信幸。かっこいい。

昌幸「これ……やめるか?」

おい。 久しぶりに昌幸の適当トークが展開されたところで、稲が上田城入り。肩をふるわせて稲を見送る輿担ぎは……やっぱり本多忠勝

祝言も終わり、信幸と稲、初ツーショット。さてどんな会話が展開されるのかと思えば、「何でも申せ」という信幸に、何か大事を言い出すかのような口ぶりで、実は「寒い」という、ありがちな肩すかしパターン。まあ、ここはボケが入るだろうと予想していましたが。

で、信幸が羽織る物を命じたら、応えた侍女は……やっぱりこう。

こう「何でもお申し付けくださいませ」
信幸「できるわけないだろう!」

天正16年4月14日。聚楽第の後陽成天皇行幸。大はしゃぎの秀吉にちょっとイラっとしている徳川家康さん。ここでの彼の役目は、「秀吉に世継ぎがいない」と語ることだけです。

そして天正17年年明け。北政所、阿茶局、茶々がガールズトーク。茶々があっけらかんと北政所と同席しているパターンは珍しい。こんなに「不愉快ではない」茶々を見るのは初めてです。もしかしたら、私史上、最も性格がいい茶々(淀)になるかもしれません。

まぁ、相変わらず余計な一言で場を凍らせる吹雪姫ですが。

珍しいといえば、北政所と談笑する阿茶局というのもかなりのレア物。セリフが若干当てこすり気味でしたが。何の因果か家康の側室、スケバンもいつの間にかいい感じの女優になったものです。

で、茶々の懐妊が知れわたり、聚楽第落首事件発生。2月末のころなので、ガールズトークから若干時間が経過しています。

落首の実際の内容は、後世の創作などもあってよく分かりません。

「大仏の くどくもあれや やりかたな くぎかすがいは 子たからめぐむ」

なんてもが有名ですが、これも創作っぽい。大仏=方広寺の大仏、やりかたな=刀狩り、くぎかすがい=刀をクギにするなど、この後三成と大谷吉継が語る政策が織り込まれています。

で、石田三成が穏便に収めようとしたら、片桐且元が秀吉に話しちゃって大事に。実際に秀吉の耳に入れたのが誰かは知りませんが。

対処を命じられた真田信繁は、状況証拠から犯人を華麗にプロファイリングします。さらに、尾藤道休(尾藤次郎右衛門)という容疑者まで絞り込むスピード捜査です。すごいなー。

しかし、本願寺は平野長泰・信繁が要求する道休との面会を拒否(実際には三成と増田長盛が本願寺に出向いたようですが)。そこで三成は秀長を頼ります。ああ、秀長が長生きしていたら豊臣の運命も変わったでしょうに。

秀長のメールが利き、道休への尋問が実現。しかし、彼は字が書けないと言って容疑を否認。

こうして犯人不明のまま、2月25日夜、17人の門番が磔となります。鼻と耳を削いだ上での処刑だったようで、ビジュアルはそうとうえぐかったことでしょう。

ただ1人、酒を飲み続ける三成……。

秀吉による粛清がさらに拡大しそうな状況の中で、本願寺から道休が死んだという知らせが届きます。実際は、顕如が道休を自害させて首を差し出したようですが、ドラマでは自然死(背中を痛めたことが原因?)ということにしたようです。

で、信繁は道休を犯人に仕立て上げて事を収めようと提案します。手を下せない信繁に代わり、吉継が道休の首を落として秀吉に差し出します。本願寺から首が届いたと言っていたので、史実を知った上での改変だったようです。

それでも怒りが収まらない秀吉は、道休の家族も探し出して殺せと命令。ついに、三成がガチで諫止。口出ししようとする信繁を制し、諫止の責任を自分1人に止めようとします。三谷が、毎回少しずつ、丁寧に三成の魅力を描こうとしていることが伝わってきます。

「乱心されているのは殿下の方」とまで言い、破局寸前というところで北政所が諫止に参戦。さらに茶々も参戦。子の父親が誰か、茶々に直接聞けという北政所。

茶々「この子の父親は……源次郎です」

おい。

で、あらためて秀吉の子だと明言されて、秀吉ダッシュで逃亡。これにて一件落着ですが、1人残った北政所がちょっと寂しそうです。

ドラマではこれで落首事件は収まりましたが、史実はさにあらず。秀吉の怒りは収まらず、道休の妻子や町民63人も追加オーダー。六条河原で磔となってしまいました。

5月20日に、ドラマでも語られた金くばりが実施され、27日に捨が生まれます。

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