大河ドラマ「軍師官兵衛」 第31回 天下人への道 感想
カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/08/03 20:24
天正10年(1582年)6月27日、清洲ミーティング開催。出席者は勝家、秀吉、長秀、恒興の4人だけという、久々にまともなメンツです。江が立ち聞きしてたり、利家が乱入して秀吉に切腹をせまるなど、奇天烈なことはなし。
が、アバンだけであっさり終了。ノベライズには、秀吉が連れてきた三法師をめぐってさらに紛糾するシーンがあるのですが……。ここは秀吉の独擅場で官兵衛は関与しておらず、「さすがは官兵衛」と官兵衛を称賛できないからどうでもいいってことですかね。
で、領地配分についてもノベライズよりあっさり目に紹介。長浜を勝家に譲ったことにだけ触れておねと光のおばさん2人の無意味な会話シーンへ。ばあさんどものガールズトークなんかイラネーっす。長浜の譲渡も、実際には勝家というより勝家の養子で勝家から冷遇されている勝豊に譲るなど、結構深い政治的駆け引きがあったんですがねぇ。 10月15日、信長の葬儀開催。相変わらず勝家に見えないちっさいヒゲモジャのおっさん、「してやられた」と悔しがります。女子アナをゲットして北庄城にこもってるからでしょ。
ちっさいおっさんがプリプリしていると、女子アナが無駄に現れて予想通りの棒読み。さすがバラエティー担当アナ、笑わせるというか笑われるのは得意ですね。
勝家が田舎で女子アナとキャッキャウフフしている間に、秀吉は山崎宝寺城でティーパーティー開催。長秀、恒興、清秀を招き、派閥形成に邁進。この時点で、秀吉に対して「お待ちしておりました」と、目下の礼を尽くす長秀さん。長秀が秀吉の風下に立つに至る心境の変化ってどんなだったのか、実に興味深いところですがこのドラマではスルー。山崎の戦いに参戦させたところはともかく、以後は特に「さすがわ官兵衛」ってことじゃないからですかね。
そして、新旧官兵衛のツーショット。旧官兵衛がウンコ君の存在を臭わせます。
ティーパーティーお開き後の会場で、秀吉と官兵衛のトーク。吉川と勝家が組みそうってことで、コント担当ジェネラルを利用して毛利と勝家の連携を分断。
ここでノベライズとドラマではエピの順番変更あり。ノベライズでは、12月の長浜城奪還(勝家と仲が悪かった勝豊が秀吉に寝返った)、イケメン信孝の岐阜城攻撃、イケメン信孝の降伏について触れて新年会、官兵衛とウンコ君の再会という流れなのですが、ドラマではまずウンコ君と再会。
ノベライズでは、ウンコ君登場にキレて退出した官兵衛は、数日後に再訪するのですが、ドラマではしょうもない新年会が間に入ります。ドラマは何でこんな入り組んだ順番にしたのでしょう。そして、頭を丸めて澄まし顔のウンコ君、異常にイラっとします。村重時代は面白かったんですが。
というわけで、ドラマでは長浜城奪還も、イケメン信孝の降伏にも触れず天正11年(1583年)。新年会のシーンへ。ノベライズは、このつまらないシーンのために5.5ページも割いています。毎度のことですが、この脚本家は力を入れるところが私の好みとつくづく合いません。
こうして、知能がやや心配な長政と妙に顔面センターで大して可愛くない小娘の縁組みが決定。前回、長政に対して一方的に無礼なことを口走っていた小娘が、今回はあからさまに色目を使ってるとか、感情の推移が全く理解できません。あれだけインパクトがあった小娘を覚えていない長政の頭の中も心配です。少年時代の方が頭よかったのでは。
そして、この脚本の(というか大河ドラマ伝統の)噴飯モノなところが、事前に本人の気持ちを親が確かめてあげちゃう時代錯誤性。「お前の正直な気持ちを聞いておきたい」とか、笑わせてくれます。そんなもん、どうでもいいから。縁組みするなら親同士で勝手に決めろよ。本人に話すのは決まった後でいいんだよ。
とまぁ、こんなくだらないエピで時間を浪費しちゃうわけです。
そして官兵衛はウンコ君と会うためにウンコ君の庵へ。そこには、何か書き付けているという不思議な演出を付けられ、それでも妙に手持ちぶさた感に満ちあふれた右近さん。「村重を裏切った負い目」でウンコ君の世話をしているという。
この脚本の右近は妙に一貫性がなくて実にヘンテコ。この右近は、「裏切り・謀反」についてどういう哲学を持っているのか。
まず、村重とともに信長に反旗を翻したとき。「信長を裏切った負い目」は? で、信長の調略で戦線離脱。これは「裏切り状態の解消」では? しかし、村重に負い目はある、と。
本能寺の変が起こると、「主君を討った光秀の行いは、デウスの御心にそむくもの。断じて許せませぬ」とイキってましたが、君、村重と一緒に主君を討とうとしてたよね。謀反ってそういうことだよね? 君自身と村重の行いはデウスの御心にそむくもので断じて許せないんじゃないの?
デウスの御心に背こうとした断じて許せないはずの村重に負い目がある、と。場面場面ではまともなことを言っているように見える右近も、時系列で並べるとかなり問題ありです。
そしてウンコ君と官兵衛の無駄に長いトーク。実に退屈です。ウンコ君になった村重は魅力がなくなってしまいました。また、「乱世が続く限り、わしのような化け物が生まれるのだ」って。すぐに自分の行いを時代のせい、社会のせいにするのやめようぜ。乱世だろうが受験戦争だろうがワーキングプアだろうが、ほとんどの人はちゃんと生きてるんだから、社会のせいじゃなくて「お前のせい」なんですよ。
このウンコ君とのウンコトークも、最後にようやく意味が含まれていました。
道糞「信長は天下が近づくにつれ変わっていった」
秀吉の変貌を予言する、と。これを言わせたかったわけですね。
さあ、ここからの流れはあっという間です。2月、秀吉は伊勢に侵攻して一益を攻撃。美濃大返しはスルーして、いつの間にか賤ヶ岳の戦いに突入。「賤ヶ岳の二本槍」の活躍がほんのり登場。5本足りない? このドラマに何を期待してるんです? 利家の撤退シーンがないのは予想通りでしたが、裏切り者の名を受けて戦う男、デビルマン清秀の討ち死にシーンもスルー。
え~~!!
右近を垣根の向こうにぼんやり立たせてるより、シワシワばあさんを映すより、村重謀反の原因を作ったおっさんの死亡シーンやれよ……。
この脚本は私にはどうも合わないようです。
で、賤ヶ岳の戦いも一瞬で終わり、北庄城もあっさり落城。最後の最後まで勝家に見えなかった、小物臭プンプンのちっさいおっさんとクネクネ女子アナという、最悪のミスキャスト夫婦が退場。こうして、戦国最強のさげまん市は2つの嫁ぎ先を見事に滅ぼしたのでした。
で、ウザ井三姉妹が救出されて今回は終了。
2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
もご利用ください。
が、アバンだけであっさり終了。ノベライズには、秀吉が連れてきた三法師をめぐってさらに紛糾するシーンがあるのですが……。ここは秀吉の独擅場で官兵衛は関与しておらず、「さすがは官兵衛」と官兵衛を称賛できないからどうでもいいってことですかね。
で、領地配分についてもノベライズよりあっさり目に紹介。長浜を勝家に譲ったことにだけ触れておねと光のおばさん2人の無意味な会話シーンへ。ばあさんどものガールズトークなんかイラネーっす。長浜の譲渡も、実際には勝家というより勝家の養子で勝家から冷遇されている勝豊に譲るなど、結構深い政治的駆け引きがあったんですがねぇ。 10月15日、信長の葬儀開催。相変わらず勝家に見えないちっさいヒゲモジャのおっさん、「してやられた」と悔しがります。女子アナをゲットして北庄城にこもってるからでしょ。
ちっさいおっさんがプリプリしていると、女子アナが無駄に現れて予想通りの棒読み。さすがバラエティー担当アナ、笑わせるというか笑われるのは得意ですね。
勝家が田舎で女子アナとキャッキャウフフしている間に、秀吉は山崎宝寺城でティーパーティー開催。長秀、恒興、清秀を招き、派閥形成に邁進。この時点で、秀吉に対して「お待ちしておりました」と、目下の礼を尽くす長秀さん。長秀が秀吉の風下に立つに至る心境の変化ってどんなだったのか、実に興味深いところですがこのドラマではスルー。山崎の戦いに参戦させたところはともかく、以後は特に「さすがわ官兵衛」ってことじゃないからですかね。
そして、新旧官兵衛のツーショット。旧官兵衛がウンコ君の存在を臭わせます。
ティーパーティーお開き後の会場で、秀吉と官兵衛のトーク。吉川と勝家が組みそうってことで、コント担当ジェネラルを利用して毛利と勝家の連携を分断。
ここでノベライズとドラマではエピの順番変更あり。ノベライズでは、12月の長浜城奪還(勝家と仲が悪かった勝豊が秀吉に寝返った)、イケメン信孝の岐阜城攻撃、イケメン信孝の降伏について触れて新年会、官兵衛とウンコ君の再会という流れなのですが、ドラマではまずウンコ君と再会。
ノベライズでは、ウンコ君登場にキレて退出した官兵衛は、数日後に再訪するのですが、ドラマではしょうもない新年会が間に入ります。ドラマは何でこんな入り組んだ順番にしたのでしょう。そして、頭を丸めて澄まし顔のウンコ君、異常にイラっとします。村重時代は面白かったんですが。
というわけで、ドラマでは長浜城奪還も、イケメン信孝の降伏にも触れず天正11年(1583年)。新年会のシーンへ。ノベライズは、このつまらないシーンのために5.5ページも割いています。毎度のことですが、この脚本家は力を入れるところが私の好みとつくづく合いません。
こうして、知能がやや心配な長政と妙に顔面センターで大して可愛くない小娘の縁組みが決定。前回、長政に対して一方的に無礼なことを口走っていた小娘が、今回はあからさまに色目を使ってるとか、感情の推移が全く理解できません。あれだけインパクトがあった小娘を覚えていない長政の頭の中も心配です。少年時代の方が頭よかったのでは。
そして、この脚本の(というか大河ドラマ伝統の)噴飯モノなところが、事前に本人の気持ちを親が確かめてあげちゃう時代錯誤性。「お前の正直な気持ちを聞いておきたい」とか、笑わせてくれます。そんなもん、どうでもいいから。縁組みするなら親同士で勝手に決めろよ。本人に話すのは決まった後でいいんだよ。
とまぁ、こんなくだらないエピで時間を浪費しちゃうわけです。
そして官兵衛はウンコ君と会うためにウンコ君の庵へ。そこには、何か書き付けているという不思議な演出を付けられ、それでも妙に手持ちぶさた感に満ちあふれた右近さん。「村重を裏切った負い目」でウンコ君の世話をしているという。
この脚本の右近は妙に一貫性がなくて実にヘンテコ。この右近は、「裏切り・謀反」についてどういう哲学を持っているのか。
まず、村重とともに信長に反旗を翻したとき。「信長を裏切った負い目」は? で、信長の調略で戦線離脱。これは「裏切り状態の解消」では? しかし、村重に負い目はある、と。
本能寺の変が起こると、「主君を討った光秀の行いは、デウスの御心にそむくもの。断じて許せませぬ」とイキってましたが、君、村重と一緒に主君を討とうとしてたよね。謀反ってそういうことだよね? 君自身と村重の行いはデウスの御心にそむくもので断じて許せないんじゃないの?
デウスの御心に背こうとした断じて許せないはずの村重に負い目がある、と。場面場面ではまともなことを言っているように見える右近も、時系列で並べるとかなり問題ありです。
そしてウンコ君と官兵衛の無駄に長いトーク。実に退屈です。ウンコ君になった村重は魅力がなくなってしまいました。また、「乱世が続く限り、わしのような化け物が生まれるのだ」って。すぐに自分の行いを時代のせい、社会のせいにするのやめようぜ。乱世だろうが受験戦争だろうがワーキングプアだろうが、ほとんどの人はちゃんと生きてるんだから、社会のせいじゃなくて「お前のせい」なんですよ。
このウンコ君とのウンコトークも、最後にようやく意味が含まれていました。
道糞「信長は天下が近づくにつれ変わっていった」
秀吉の変貌を予言する、と。これを言わせたかったわけですね。
さあ、ここからの流れはあっという間です。2月、秀吉は伊勢に侵攻して一益を攻撃。美濃大返しはスルーして、いつの間にか賤ヶ岳の戦いに突入。「賤ヶ岳の二本槍」の活躍がほんのり登場。5本足りない? このドラマに何を期待してるんです? 利家の撤退シーンがないのは予想通りでしたが、裏切り者の名を受けて戦う男、デビルマン清秀の討ち死にシーンもスルー。
え~~!!
右近を垣根の向こうにぼんやり立たせてるより、シワシワばあさんを映すより、村重謀反の原因を作ったおっさんの死亡シーンやれよ……。
この脚本は私にはどうも合わないようです。
で、賤ヶ岳の戦いも一瞬で終わり、北庄城もあっさり落城。最後の最後まで勝家に見えなかった、小物臭プンプンのちっさいおっさんとクネクネ女子アナという、最悪のミスキャスト夫婦が退場。こうして、戦国最強のさげまん市は2つの嫁ぎ先を見事に滅ぼしたのでした。
で、ウザ井三姉妹が救出されて今回は終了。
2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
もご利用ください。