大河ドラマ「軍師官兵衛」 第7回 決断のとき 感想
カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/02/16 21:35
前回、浮いていた太兵衛が善助と義兄弟になり、ぼんやりといい感じになった黒田家を安国寺恵瓊が家庭訪問。いぶかしむ黒田家一同。今回から、官兵衛の弟である兵庫助(利高)ふんわりと参入。これでKRD24は4人に。今回はもう1人増えますが。
恵瓊と会うことにした官兵衛さん。互いに腹の探り合い。2人とも笑顔なのにピリピリとした緊張感がある名場面……にはなりませんでした。演出が悪いのかな。
「死を3年は秘密にせよ」(『甲陽軍鑑』)という信玄さんですが、死んで1年も立たないタイミングで官兵衛も恵瓊もみんな知ってるのはギャグですか?
そして恒例の信長中継。天正元年(1573年)9月、浅井・朝倉戦終了。論功行賞として北近江をもらう藤吉郎。さらに木下から羽柴へのリネームが認められ筑前守の受領名までゲット。 大喜びの秀吉はおねと大はしゃぎ。まさに竹中直人オンステージ。これ、『秀吉』だっけ? ここで、おねが「落ちた城(小谷城)は縁起が悪うございます」と言っているのは、今浜あらため長浜城を作れってことですな。ま、ここは無駄に長いし、『軍師官兵衛』にとって必要な話かよ? って感じですが。
場面はようやく姫路へ。官兵衛がKRD24の5人目の新メンバー、又兵衛(後藤又兵衛)を連れてきます。青年から少年まで取りそろえ、幅広いニーズに対応するユニット戦略を着々とすすめます。ここはひとつ、じゃんけんやファン投票で先陣を決めていただきたいところ。
ノベライズでは、ここで又兵衛エピが続くのですが、ドラマで力の姫路訪問が先に挿入されます。この場面は、ノベライズでは天正3年(1575年)正月となっていますが、エピの順番が変わったので年月も曖昧に。
力は毛利についた上月景貞に嫁いでおり、黒田へも毛利とトギャザーしようぜとお誘いします。それより、子宝に効果がありそうな怪しげな薬が気になります。
そして又兵衛エピ。松寿丸を木の枝でボコる又兵衛。やっ! 後の両者の確執の伏線か? というのは考えすぎで、むしろ仲良くなるためのフラグ。もちろん、少年時代から仲が良かったという方が、又兵衛の出奔もドラマチックになるというもの。この脚本家が表現できるかどうかというとはなはだ疑問ですが。
だって、蓄電した又兵衛が雨に濡れて発熱。看病する光に明かされる、誰にも心を開かない又兵衛の生い立ち。寝ずの看病をした光に心を開き笑顔を見せる又兵衛。おいおいおいおいおいおい、またテンプレかよ。しかも、「看病したら心を開いた」って、去年もやったぞ。又兵衛が発熱した段階で展開が見えてしまって興ざめです。
また織田中継。濃が信長に意見するという、まことに退屈なエピを挿入。ここ、いらない。ノベライズには、この後長篠の戦いの場面があり、信長、秀吉、半兵衛、勝家が対毛利戦についてトーク。播磨の地侍を調略すべしという秀吉と、伯耆、出雲から毛利を突き崩すべしという勝家。これに反論しようとする秀吉をあえて制して去って行く信長、というエピがあるのですがカット。カットする場面を間違えてるだろ、このドラマ。
再び場面は播磨。織田につくか、毛利につくか。官兵衛の苦悩が本格化しなければいけないのですがイマイチ伝わってきません。パパ黒田に弱音を吐くあたりが苦悩の表出といったところですか。上月に嫁いだ力を引き合いにして官兵衛を説得する左京進といったところは悪くないので、もっと1人で思い悩む場面を入れるとか、追い詰められ感をもっと出してかないと。
6月、小寺小寺大ミーティング開催。毛利につくことで決定だね、という空気の中、一人織田につくことを主張する官兵衛。割と簡単に織田につくことを決断した小寺政職さん。え、そんなんでいいの?
ノベライズにはない刺客登場によるショボイ活劇を繰り広げつつ、有岡城訪問。取り次ぎ依頼や村重による対信長アドバイスはまあいいとして、だしはいらない。他にやることがあるでしょ。
で、ついに岐阜城到着。信長ヲタの官兵衛がついに信長に拝謁! という場面なのに、官兵衛は淡々としていて拍子抜け。緊張しているとか、逆にワクワクしているとか、もう少し盛り上げようがあったんじゃないの? このファーストコンタクト。
こういう場面でも淡々としているのが官兵衛、ってキャラにしたいのかもしれないけど、だとしたらつまらん主人公だなぁ。
これまで延々と『八重の桜』京都編レベルの状態が続く『軍師官兵衛』。脚本と演出はもっとがんばらないと、いいところが何もなく印象にも残らないドラマになっちゃいますよ。
2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
もご利用ください。
恵瓊と会うことにした官兵衛さん。互いに腹の探り合い。2人とも笑顔なのにピリピリとした緊張感がある名場面……にはなりませんでした。演出が悪いのかな。
「死を3年は秘密にせよ」(『甲陽軍鑑』)という信玄さんですが、死んで1年も立たないタイミングで官兵衛も恵瓊もみんな知ってるのはギャグですか?
そして恒例の信長中継。天正元年(1573年)9月、浅井・朝倉戦終了。論功行賞として北近江をもらう藤吉郎。さらに木下から羽柴へのリネームが認められ筑前守の受領名までゲット。 大喜びの秀吉はおねと大はしゃぎ。まさに竹中直人オンステージ。これ、『秀吉』だっけ? ここで、おねが「落ちた城(小谷城)は縁起が悪うございます」と言っているのは、今浜あらため長浜城を作れってことですな。ま、ここは無駄に長いし、『軍師官兵衛』にとって必要な話かよ? って感じですが。
場面はようやく姫路へ。官兵衛がKRD24の5人目の新メンバー、又兵衛(後藤又兵衛)を連れてきます。青年から少年まで取りそろえ、幅広いニーズに対応するユニット戦略を着々とすすめます。ここはひとつ、じゃんけんやファン投票で先陣を決めていただきたいところ。
ノベライズでは、ここで又兵衛エピが続くのですが、ドラマで力の姫路訪問が先に挿入されます。この場面は、ノベライズでは天正3年(1575年)正月となっていますが、エピの順番が変わったので年月も曖昧に。
力は毛利についた上月景貞に嫁いでおり、黒田へも毛利とトギャザーしようぜとお誘いします。それより、子宝に効果がありそうな怪しげな薬が気になります。
そして又兵衛エピ。松寿丸を木の枝でボコる又兵衛。やっ! 後の両者の確執の伏線か? というのは考えすぎで、むしろ仲良くなるためのフラグ。もちろん、少年時代から仲が良かったという方が、又兵衛の出奔もドラマチックになるというもの。この脚本家が表現できるかどうかというとはなはだ疑問ですが。
だって、蓄電した又兵衛が雨に濡れて発熱。看病する光に明かされる、誰にも心を開かない又兵衛の生い立ち。寝ずの看病をした光に心を開き笑顔を見せる又兵衛。おいおいおいおいおいおい、またテンプレかよ。しかも、「看病したら心を開いた」って、去年もやったぞ。又兵衛が発熱した段階で展開が見えてしまって興ざめです。
また織田中継。濃が信長に意見するという、まことに退屈なエピを挿入。ここ、いらない。ノベライズには、この後長篠の戦いの場面があり、信長、秀吉、半兵衛、勝家が対毛利戦についてトーク。播磨の地侍を調略すべしという秀吉と、伯耆、出雲から毛利を突き崩すべしという勝家。これに反論しようとする秀吉をあえて制して去って行く信長、というエピがあるのですがカット。カットする場面を間違えてるだろ、このドラマ。
再び場面は播磨。織田につくか、毛利につくか。官兵衛の苦悩が本格化しなければいけないのですがイマイチ伝わってきません。パパ黒田に弱音を吐くあたりが苦悩の表出といったところですか。上月に嫁いだ力を引き合いにして官兵衛を説得する左京進といったところは悪くないので、もっと1人で思い悩む場面を入れるとか、追い詰められ感をもっと出してかないと。
6月、小寺小寺大ミーティング開催。毛利につくことで決定だね、という空気の中、一人織田につくことを主張する官兵衛。割と簡単に織田につくことを決断した小寺政職さん。え、そんなんでいいの?
ノベライズにはない刺客登場によるショボイ活劇を繰り広げつつ、有岡城訪問。取り次ぎ依頼や村重による対信長アドバイスはまあいいとして、だしはいらない。他にやることがあるでしょ。
で、ついに岐阜城到着。信長ヲタの官兵衛がついに信長に拝謁! という場面なのに、官兵衛は淡々としていて拍子抜け。緊張しているとか、逆にワクワクしているとか、もう少し盛り上げようがあったんじゃないの? このファーストコンタクト。
こういう場面でも淡々としているのが官兵衛、ってキャラにしたいのかもしれないけど、だとしたらつまらん主人公だなぁ。
これまで延々と『八重の桜』京都編レベルの状態が続く『軍師官兵衛』。脚本と演出はもっとがんばらないと、いいところが何もなく印象にも残らないドラマになっちゃいますよ。
2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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