大河ドラマ「平清盛」 第26回 平治の乱 感想

カテゴリ:平清盛
日時:2012/07/01 23:07

平治元年(1159年)12月9日、後白河上皇は三条殿の寝所にて、信西から贈られた『長恨歌』を得意げに解説中。

後白河「見よ、ついに謀反が起きたところじゃ

駄目だこいつ……早くなんとかしないと……。

こうして、後白河上皇、上西門院、二条天皇は内裏に集められて幽閉されてしまいます。

ここまでは見事な手際といったところ。義朝は続いて信西の館を襲撃し、火攻めにします。

義朝「女、子どもも容赦なく射よ!」

このあたりから、義朝の暴走と狂気が見え隠れ。清盛との競べ馬リメンバーで再生した義朝さん、斜め上に吹っ切れすぎです。頼政はこの命令に露骨に不快なお顔。この人、どうも従三位まで昇ったジーサンというイメージがあるのですが、平治の乱の時点では従五位下。官位では正五位下の義朝より下なんですね。 熊野への途上、切目にて都の騒動を忠清から聞いた清盛、信西が狙われたことに驚きます。が、重盛と家貞は「当然じゃねーの?」な反応で笑えます。信西に心酔して、信西が周りからどう見られているのか全く見えていない清盛はちょっと残念な子です。

清盛「何と浅はかなことをしたのじゃ義朝! 俺が今少しのぼるまで、何ゆえ待てなんだ!」

そりゃー待てないでしょ。人は期限が区切られていれば多少は忍耐できますが、無期限では堪えられません。清盛が具体的にプランを示して、時期は不明確でもどうこうなるまで待てと伝えていたならともかく、そうしたコミュニケーションもなく待つヤツなんかいない。ま、義朝なら「清盛がのぼるまで待つ」なんてプライドが許さないでしょうが。

清盛の身勝手な憤激はともかく、都にとって返すにも武具がありません。重盛の冷静なツッコミに、「こんなこともあろうかと」武具満載(ドラマ・ストーリーによると鎧50領と弓矢50組)の長びつを差し出す真田さんもといドラえもんもといギルガメッシュもとい家貞。

信西は取り逃がしたものの、謀反初動ではまずまずの戦果を挙げた義朝さん。さらなる信西の捜索を命じると、ニート清盛の北面就職以来たびたび登場していた北面の光康さんが珍しくまともなセリフ付きで再登場。

光康「信西のそっ首取って参ります!」

この光康とやら、クレジットでは姓も名字もない単なる「光康」と表記されており正体不明ですが、あるいは「源光保(光泰)」の代わりということでしょうか。光保は、自ら生き埋めになって自害した信西の死体を掘り起こして首を切った人物です。ただし、『平治物語』では信西を掘り出した時点ではまだ生きていますが。

で、逃走中の信西&師光は山城の田原に。信西はこれ以上の逃亡をあきらめ、郎党に穴を掘らせます。初登場時、清盛が掘った落とし穴にはまったことの再現ですね。

この信西ホールについては、上記の生き埋め自害用のほか、竹筒で空気穴を作った箱に入って穴に埋めたという説もありますが、ドラマでは生き埋め説は採らず、潜伏用に使っていました。ただし箱詰めではなく、穴の上を木の枝などで適当にカモフラージュしただけですが。それでもよく見つけたなぁ。

12月14日、反信西陣営によるお手盛り除目開催。粉大福信頼は、念願の近衛大将に。Dreams Come True! 義朝も播磨守、子の頼朝も右兵衛権佐に任ぜられてうれしそう。

さらに、信頼は経宗に右大臣、惟方に中納言を約束する大盤振る舞い。残念、信頼は敗北しちゃうんですよ。君たちも平治の乱後に流罪になっちゃうんですよ。と思いきや、何と経宗は復権し、まずは乱の前の権大納言に復活。続いて右大臣、左近衛大将、左大臣になるなど、信頼の約束以上の出世を果たします。甲斐葛笠村の百姓が左大臣に! よかったなぁ伝助。あ、時系列的には左大臣から百姓になったってことか?

清盛、重盛、家貞を除く平氏一門は、緊急ミーティング。

頼盛「(信西は)救わねばならぬ命なのか?」

トラブルメーカーの時忠は割とまともな反対意見。この人、場の空気的に余計なことを言いますが、見方によっては客観的かつ正論だったりします。本音ぶっちゃけすぎなので空気にマッチしませんが。

ここでドロンジョ様が一門を一喝。信西保護で方針を定めます。フカキョン、意外に頑張ってます。期待値が低かったので、重盛・基盛初陣時や今回の一喝は次第点。キャスティングが決まった時は、壇ノ浦で「どぼーん」とか言いながら飛び込むんじゃないかと不安に思ったものでしたが。


義平が阿倍野に兵を展開したというウワサにより、清盛は京に入れず足止め中。重盛も頼盛とほぼ同意見。

重盛「信西入道を救い出したところで、平氏にとって益があるとも思えません」

信西、嫌われてますなぁ。清盛の心酔っぷりの方が異常なわけですが。

重盛「信西殿が滅ぼされた後に中納言様を討ち、源氏を滅ぼせば、全てが手に入りましょう」

この重盛、オーベルシュタイン並のマキャベリズムまで持ち合わせているようです。

この重盛にやさしくほほえむ清盛。またぶん投げて意味不明に解決するつもりかと思ったら、怒濤の清盛&信西メモリアル回想。長い! 清盛&信西の総集編状態。

一方、信西ホールで助けを待つ信西。昔は「誰でもよーい」だったのに、今回は清盛をご指名です。穴の上から手をさしのべる清盛。ちとあざとい演出に見えましたが、信西がここで死ぬことを知らなければ「ああ、信西助かったんだね……えっ!」的に驚けたのかもしれません。

信西「己が誰なのか見つけたり! 我は信西入道ぞ」

信西、自害。

清盛が京に戻ったのは12月17日。彼が見たものは、木に吊された信西の首。

義朝「怒っておろう、清盛」

清盛の力を引き出し雌雄を決するため、わざと怒らせた? 何という少年マンガ的発想。平治の乱がちょっと安っぽい展開になりそうで、残念。ま、次回を見てみるまで評価は保留しますが。

大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第26回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。