大河ドラマ「平清盛」 第2回 無頼の高平太

カテゴリ:平清盛
日時:2012/01/15 22:17

今回から清盛が本役となった第2回。ドラマでは年代が明記されていませんでしたが、公式ガイドによると高平太が賭博に興じていたのは大治3年(1128年)。数え11歳(満9、10歳)。小学3、4年生が賭場に出入りするのは感心しないなぁ。

というわけで、小学生相手に「無頼の高平太だ~!」というゴロツキどももどうかと思いますが(無頼って……)、今回もツッコミどころは変な映像表現。賭場から逃げる高平太の足下は、ドロドロのぬかるみ。にもかかわらず、コーンスターチでかすむ空。この場面は湿ってるんですか? 乾いてるんですか?

非行小学生の行状に平ファミリーも険悪ムード。前回は青かったものの今回は熟して凄みを増したプルーン忠盛にビビった高平太、愛馬黒王号夜霧(公式ガイドより)にまたがって夜の街に飛び出します。ありがちなパターンですね。

こうして、ノベライズで驚かされた場面へ。 愛馬黒王号夜霧から落ちた高平太。抱えた葛藤を吐露します。

高平太「俺は誰なんだー!

阿部サダヲ「誰でもよーい!

阿部サダヲ、こうきたか。いや、笑ってしまいました。声(阿部サダヲ)の主は、高階通憲。あるいは藤原通憲。最も有名な名前は出家後の信西。何と、高平太が掘った落とし穴にはまっています。この、「穴にはまっている」というのは暗示的というか、皮肉というか。ノベライズを読んでうなってしまったところです。

時代劇にネタバレも何もないので書いてしまいますが、信西は平治の乱で反信西派に襲撃された際、家臣に穴を掘らせて自ら生き埋めになって死ぬのです。

そして大治4年(1129年)正月。平太の元服が執り行われます。藤原家保とホトケもとい藤原家成の親子が加冠役。佐藤二朗のホトケもとい家成がいい感じです。もっとシャープなキレ者風でもよかった気もしますが、すると悪左府頼長とキャラが被るからあれでいいのかもしれません。

しかしまあ、烏帽子子は烏帽子親に食ってかかるわ、広瀬武夫伊藤忠清に押さえつけられるわ、これまでに見た時代劇の中でもトップクラス?の酷い元服式だこと(笑)。

村の飢えを見かねて殺生禁断令を犯し、捕らえられた滝次。彼の釈放を求め白河院に突撃する清盛。会えちゃうところがドラマというか、アポなし拝謁希望者にピンとくる白河院は鋭い。あの瞬間「スッキリ!」という効果音がなかったのは残念。

こうして、前回璋子相手にタフマンだった白河院と清盛の再会が実現。秋山久敬と同一人物とは思えない怪演を見せる伊東四朗がすばらしい。今回で退場なのが実に残念です。

そして今回のクライマックスである、石清水八幡宮の臨時祭。ノベライズはもう少しきわどい印象を受けましたが、ドラマは公式ガイドベースで少しマイルドに。周囲の困惑も含めて、もう少し緊迫感があってもよかのでは?と感じました。何がいけなかったのか分からないのですが、いまひとつインパクトが弱いシーンになってしまったような気がします。

この場面では、清盛の強敵と書いて「とも」と読むライバル、義朝が登場。といっても元服前なので幼名武者丸。このとき数え7歳(満5、6歳)。ピカピカの小学1年生。毎年毎年、大河で役と役者の年齢のギャップにツッこむのはヤボってものですが、それでも言わずにはおれません。

このドラマの清盛は、現時点では厨二病どころか小五病をこじらせまくっていますが、この状態はもうしばらく続きます。1129年といえば清盛は従五位下。立派な貴族様となったはずなのですが。

大河ドラマ「平清盛」キャスト(配役)
大河ドラマ「平清盛」 主要人物年齢年表
も第2回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。