大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第32回 江戸の鬼

日時:2011/08/21 20:59

前回、「退屈」と酷評しましたが、今回はさらに酷い。ワンパターン&無駄なエピソードで水増しして45分を埋めているという感じです。内容のないスカスカなドラマ(になってないけど)をやるくらいなら、回を減らせばいいのに。震災の影響で既に1回分短縮されているのにこの密度の低さ。震災がなかったらどうなっていたのでしょうか。

最終回は75分に時間拡大なんですよねぇ……。

では、スカスカなドラマのスカスカな感想でも。

アバンでは、不可解な話が出てきます。何と、秀忠秀頼の補佐役にするというのです。さてさて、五大老の1人かつ「秀頼の傅役」の前田利家の立場は。

また、一応島左近登場。ちゃんと左近を使うのか、登場させただけで終わるのか。期待度ゼロの関ヶ原が楽しみです。くどいけど期待度ゼロですが。 そして本編。書類上は「五奉行」「五大老」が名前だけ登場。この世界にも一応存在していたようです。今のところ、文字通りペーパー大老・奉行ですが。この中で取りあえずドラマに出現したのは前田利家だけですねぇ。

五大老、戦国鍋TVの方がちゃんと出ているってのはどうよ(アレを「ちゃんと出ている」と言うのは躊躇してしまいますが)。

徐々にきしみ始める豊臣政権。家康は、リスク分散のため秀忠、江を江戸に下向するように指示します。このあたりはちょっと大河っぽいと感じました。

感心したのはそこまで。何と、江が「江戸に行く前に挨拶に回りたい」と言い出します。家康に「江戸に下ることは内密に」と言われた意味が理解できなかった模様。以前からこの女はバカだと思っていましたが、ここまでバカだとは思いませんでした。江戸下向自体は口にしなくても、ウワサの渦中にある徳川の人間である江が動けば、敵の耳目を集めることは必定。この程度のことすら想像できないとは、本当にバカですね。

こうして、「江~姫たちの戦国~」恒例の、「江が関係者に会って回る」エピソードの始まりです。ここから20分ほどは、完全に無駄な時間なので見る必要はありません。時間の水増しにすぎません。

挨拶回りのトップは、宗教にハマってすっかりキモくなったガラシャ。以前、忠興の説得を完全スルーするガラシャは、変な新興宗教を狂信する人みたいで本当に気持ちが悪かった。あれ以来、このドラマのガラシャを見ると不快感を抑えられません。

江、これまで何度もガラシャと会っているのに、なぜかこのタイミングで本能寺後に光秀に会ったことを語り出します。普通は、本能寺後、最初に会ったときに話すと思いますけど。不自然きわまりない展開です。

そして、久しぶりに見た、本能寺後に光秀を江が説教する回想シーン。9歳時の演技と変わってませんね。

次に、伏見城で初(なぜいる?)に遭遇。初に連行され、秀吉の死を嘆く達子と会います。彼女には、笑顔でこの言葉を贈りたいと思います。

初めからいない人だったと思えばいいと思うよ

引き続き、伏見城をウロつく江。家康とニアミス未遂。

江:「父上様に見つかっては大変じゃ」

なるほど、自分が挨拶回りなどという愚かなことをしている自覚はあるようです。

が、反省する様子もなく、淀の下へ。侍女軍団があれほど控えていては、江が伏見城をウロついていたことは隠せませんね。「家康の敵」の耳にも余裕で入ったことでしょう。

江のバカっぷりは斜め上をいきます。このバカに機密という概念はないのです。「姉上にウソはつけない」と、江戸に行くことを時期も含めてゲロする江。それどころか、三成に対する根拠も証拠もない疑惑を平気でチクります。「一方聞いて沙汰するな」という言葉が脳裏をかすめましたが、脚本家はきっと忘れてるでしょうね。

次なる面会者は、江を「叔母上様」と呼ぶ完。上野樹里は、いつも通り眉間にしわを寄せるだけ。他に表情作れないのかねぇ。感動の母子対面のはずなのに、全く感動が生まれない、残念なシーンでした。

最後(やっと! 長かった!)は、北政所。

北政所:「これで安んじて江戸に下ることができる、か?」

見抜かれてます。

こうして、20分強におよぶ、「江が主要人物に会って回る」エピソードは完了です。

江が徳川の屋敷に戻ると、秀忠に呼び出された三成登場。障子の向こうには、またもや立ち聞きを企てる江。この女、子どものころから全く成長がありません。

家康にはいちいちガンを飛ばす三成ですが、秀忠にはなぜか好意的です。たかが20歳にも満たない若造に、本心を見せるようなそぶりすらある始末。意味不明です。

三成に直球で家康暗殺の件を問い詰める秀忠。実に浅い脚本です。お互いに核心を突かず、遠回しに腹の探り合いをしながら何かを悟り合う、という話は書けないのでしょうか。役者の演技力も必要ですが、昔の大河にはそんな緊張感で張り詰めたシーンって結構あったんですがねぇ。このドラマは、全部セリフにしてしまうので興ざめです。

家康の挑発策として、忠輝といろはの名前だけ登場。「独眼竜政宗」の真田広之と沢口靖子(「太平記」の足利尊氏&赤橋登子でもある)を思い出しますね。

市:「長い道のり」というか長い無駄な時間のはてに、江が江戸に到着。この時点で39分が浪費されています。

やっと、ついに、今回のタイトル「江戸の鬼」こと大姥局登場。こ、怖い! 加賀まりこ怖い! あのバカ女をしっかりしつけてください。

このタイミングで、懐妊発覚。珠姫(前田利常室)ですね。

大姥局:「ご嫡男を挙げてこそのご正室」

え、別に正室じゃなくてもいいんじゃね?

そして42分で本編終了。「江戸の鬼」のシーンはたったの3分。今回は、家康による江戸下向の指図と大姥局登場シーンの5分だけでもよかったような回です。本当に酷い。

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」キャスト(配役)
大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 三姉妹年齢年表
も第32回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。

江の子孫については、江の家系図もどうぞ。