「大奥~華の乱~」 第4回 疫病神

カテゴリ:大奥
日時:2005/11/04 00:36

これまでの争いは小学生のイジメというかスケ番のメンチ切りみたいなモノで、生まれも卑しく醜い(いや、実際は美人だったんだろうけど)お伝にお似合いの低レベルなものであった。

右衛門佐の参入によって、各陣営の権謀術数が激化。「これぞ大奥」って感じである。右衛門佐を気に入ったのか? と思ったら実は警戒しまくりの桂昌院も食えないが、右衛門佐を側室化することで大奥総取締役就任を阻む策を出す吉保もまた曲者。

渦中の右衛門佐はといえば、信子を裏切るようなそぶりを見せるなど、容易には真意を読ませない。 桂昌院-柳沢コンビを右衛門佐が出し抜くまでの流れは、お見事。TVドラマにこんなに引き込まれたのは久しぶりだな。

ところで、実は次の展開が気になるのは不細工なお伝なのである。単なるキモい悪役で終わるのかと思ったが、兄が出てきたではないか。「小山田弥一郎事件」のエピソードを入れてくるつもりなのか?

ドラマでの役名を見落としてしまったのだが、お伝の兄は「徳川妻妾記」によれば小谷権兵衛の子、権太郎である。コイツは博打好きで、博打のことで小山田弥一郎とけんかになり、殺されてしまう。事件が起こったのは天和2年(1682年)で、例によってドラマスタート時の元禄元年(1688年)には死んでいるはずなのだが、「大奥」でそんなことを言い出したら切りがないしな……。

ちなみに、お伝の強烈な劣等感はその低い出自にあるといえよう。お伝の父 小谷権兵衛は「黒鍬者」といって、「軍陣の土木作業を行い陣中の雑役を担当したもの」(「徳川幕府事典」)である。12俵1人扶持と禄も低く、旗本やその下の御家人ですらない。臣下の頂点である摂家出身の信子はもちろん、羽林家 水無瀬家の右衛門佐、側用人にして大名である牧野貞成の娘安子などと比べても、飛びぬけて家柄が低い。俺が東大OB限定のパーティーに紛れ込んでしまったようなものか。とにかく、あのメンツがそろった大奥では、身分&学歴コンプレックスを感じるのも無理はない。

とはいえ、小池栄子じゃ応援する気にはなれんなぁ……。