大河ドラマ「軍師官兵衛」 第10回 毛利襲来 感想
カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/03/09 22:57
天正4年(1576年)5月、毛利襲来。英賀合戦は、『黒田家譜』では天正4年になっているのですが、実際には天正5年だったようです。『黒田家譜』準拠にしたため第一次木津川口の戦いが英賀合戦の後になってしまいました。まぁ、これにより
英賀合戦勝利、ヤッター!
↓
木津川口の戦いで織田が敗北、ガビーン!
という展開になってドラマ的にはオイシクなった面もあります。
毛利軍5000にすっかり浮き足立つ小寺陣営。小寺政職さんもビビって大げさにコケる寒い演出。赤っ鼻といい、このドラマにおける政職のキャラ造形は完全に失敗してるな。笑いどころとしても全然面白くないし。政職のキャラしだいでは、官兵衛との関係で厚みのあるドラマが作れただろうに、あーツマンネ。 官兵衛家臣もビビってます。最も動揺しているのが、久しぶりの登場となるブラザー兵庫助。KRD24のメンバーかつ黒田八虎の1人という人物なんですが。
オリーブ侍「たやすい算術でござる。1人が4人倒せばよいのでござる」
信長さんは、摂津で石山合戦の真っ最中。馬上で槍を振るう信長がへっぴり過ぎて泣ける。もうちょっと練習しといてほしかったなぁ。
足に銃弾を受けて負傷していたので、天正4年5月7日の天王寺の戦い。3000の手勢で1万5000の本願寺勢に突っ込んだ戦いです。官兵衛たちが5倍の毛利にビビっているころ、信長も5倍の敵と戦っていたわけです。ドラマでは天王寺の戦いの兵力差にはノータッチでしたが、やはり官兵衛の活躍が霞むからでしょうか。
ノベライズでは、「危機一髪のところで秀吉の鉄砲隊が到着し」とあり、ドラマでもそのような演出でしたが、秀吉は一体どこから? 天王寺の戦いの陣立てでは、秀吉の隊は2段目に属し、信長は3段目で指揮を執っていたので、秀吉隊は信長より前で戦っていたはずなのですが……。まぁいいや。
再び播磨。善助が毛利の大将 浦宗勝(乃美宗勝)の本陣である英賀御堂に潜入。本陣の周囲にはそれなりに警備体制も敷かれていて、毛利兵っぽいカッコをしていても外からやってきたらそれなりに疑われて誰何されそうな気もしますが、まぁきっとそこはうまくやったんでしょう。ドラマですし。
そこで、かいがいしく働く宇宙人侍女と遭遇。顔にインパクトがありすぎて浮きまくりです。彼女も、よく毛利方に入り込めたなぁ。宇宙人のスパイと間違われなかったんだろうか。
ここで善助が見た毛利軍は、大軍に慢心して敵を侮り、酒を飲んで弛緩しているという、絵に描いた奇襲されますフラグ立ちまくりの状態。浦宗勝って、自軍をこんな状態にするような凡将じゃないと思うんだけど……。
英賀合戦については、毛利軍が上陸した直後で陣立ても整わないタイミングで奇襲したって話もあり、こっちの方が納得できる展開です。ドラマの展開は、脚本家に優秀な人物を書く力量がなく、一方の優秀さを示すために相手を無能にするという典型例に見えました。
開戦後の展開はおおむね史実通り。量産型旗指物で大軍に見せかけ、敵の動揺を誘って撤退させます。松明を多く持たせるとか、大軍に見せかける作戦の類型ですね。
で、浦宗勝撤退。よかったね。
戦後、一向宗ギャルズが姫路城に帰参。英賀御堂で見逃してもらったことから、善助と宇宙人侍女が急接近。武兵衛と中川翔子を思わせる死亡フラグっぽく見えますが、善助は官兵衛よりも長生きなので死にましぇん。
長浜城では、おねが家出。信長の痴話喧嘩仲裁エピか……。今さらこんな有名なエピ、どうでもいいよ。こんなネタで時間を浪費するなよ。ツマンネ。
播磨では、ノベライズには存在しないエピが展開。負傷侍女に自ら薬を塗ってやる官兵衛。脚本家としては慈悲深く身分を気にしない開明的なお殿様を気取っているつもりかもしれませんが、出奔のいきさつがなくても殿様が直接来たら侍女は困ると思うぞ。どう考えても、光なりお福なりに薬を渡して任せるべき仕事。身分云々じゃなくて、男女として。
で、この官兵衛の不審な行動からお福の勘ぐり→誤解でした(笑)というつまらないテンプレ展開なわけですが、ちっとも面白くないし、現代人から見ても官兵衛の行動が異常なだけ。下心がなくても、私が部下の女性社員の腕に薬を塗りつけようとしたらセクハラで訴えられるわ! 男同士でも、社長がいきなりやってきて「薬を塗ってやろう」と迫ってきたらキモいわ!
天正4年7月、木津川口で織田の水軍が毛利水軍に敗北。織田の敗北は播磨の諸勢力を動揺させるわけで、官兵衛ショーックで次週へ、ってのは悪くない終わり方でした。
次回は、有名な秀吉の北陸戦線撤退&レッツパーリーと、待望の宇喜多直家登場か。つまらない信長シーンを全部削って、宇喜多直家を絡ませて播磨情勢をもっとやってほしかったなぁ。
2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
もご利用ください。
英賀合戦勝利、ヤッター!
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木津川口の戦いで織田が敗北、ガビーン!
という展開になってドラマ的にはオイシクなった面もあります。
毛利軍5000にすっかり浮き足立つ小寺陣営。小寺政職さんもビビって大げさにコケる寒い演出。赤っ鼻といい、このドラマにおける政職のキャラ造形は完全に失敗してるな。笑いどころとしても全然面白くないし。政職のキャラしだいでは、官兵衛との関係で厚みのあるドラマが作れただろうに、あーツマンネ。 官兵衛家臣もビビってます。最も動揺しているのが、久しぶりの登場となるブラザー兵庫助。KRD24のメンバーかつ黒田八虎の1人という人物なんですが。
オリーブ侍「たやすい算術でござる。1人が4人倒せばよいのでござる」
信長さんは、摂津で石山合戦の真っ最中。馬上で槍を振るう信長がへっぴり過ぎて泣ける。もうちょっと練習しといてほしかったなぁ。
足に銃弾を受けて負傷していたので、天正4年5月7日の天王寺の戦い。3000の手勢で1万5000の本願寺勢に突っ込んだ戦いです。官兵衛たちが5倍の毛利にビビっているころ、信長も5倍の敵と戦っていたわけです。ドラマでは天王寺の戦いの兵力差にはノータッチでしたが、やはり官兵衛の活躍が霞むからでしょうか。
ノベライズでは、「危機一髪のところで秀吉の鉄砲隊が到着し」とあり、ドラマでもそのような演出でしたが、秀吉は一体どこから? 天王寺の戦いの陣立てでは、秀吉の隊は2段目に属し、信長は3段目で指揮を執っていたので、秀吉隊は信長より前で戦っていたはずなのですが……。まぁいいや。
再び播磨。善助が毛利の大将 浦宗勝(乃美宗勝)の本陣である英賀御堂に潜入。本陣の周囲にはそれなりに警備体制も敷かれていて、毛利兵っぽいカッコをしていても外からやってきたらそれなりに疑われて誰何されそうな気もしますが、まぁきっとそこはうまくやったんでしょう。ドラマですし。
そこで、かいがいしく働く宇宙人侍女と遭遇。顔にインパクトがありすぎて浮きまくりです。彼女も、よく毛利方に入り込めたなぁ。宇宙人のスパイと間違われなかったんだろうか。
ここで善助が見た毛利軍は、大軍に慢心して敵を侮り、酒を飲んで弛緩しているという、絵に描いた奇襲されますフラグ立ちまくりの状態。浦宗勝って、自軍をこんな状態にするような凡将じゃないと思うんだけど……。
英賀合戦については、毛利軍が上陸した直後で陣立ても整わないタイミングで奇襲したって話もあり、こっちの方が納得できる展開です。ドラマの展開は、脚本家に優秀な人物を書く力量がなく、一方の優秀さを示すために相手を無能にするという典型例に見えました。
開戦後の展開はおおむね史実通り。量産型旗指物で大軍に見せかけ、敵の動揺を誘って撤退させます。松明を多く持たせるとか、大軍に見せかける作戦の類型ですね。
で、浦宗勝撤退。よかったね。
戦後、一向宗ギャルズが姫路城に帰参。英賀御堂で見逃してもらったことから、善助と宇宙人侍女が急接近。武兵衛と中川翔子を思わせる死亡フラグっぽく見えますが、善助は官兵衛よりも長生きなので死にましぇん。
長浜城では、おねが家出。信長の痴話喧嘩仲裁エピか……。今さらこんな有名なエピ、どうでもいいよ。こんなネタで時間を浪費するなよ。ツマンネ。
播磨では、ノベライズには存在しないエピが展開。負傷侍女に自ら薬を塗ってやる官兵衛。脚本家としては慈悲深く身分を気にしない開明的なお殿様を気取っているつもりかもしれませんが、出奔のいきさつがなくても殿様が直接来たら侍女は困ると思うぞ。どう考えても、光なりお福なりに薬を渡して任せるべき仕事。身分云々じゃなくて、男女として。
で、この官兵衛の不審な行動からお福の勘ぐり→誤解でした(笑)というつまらないテンプレ展開なわけですが、ちっとも面白くないし、現代人から見ても官兵衛の行動が異常なだけ。下心がなくても、私が部下の女性社員の腕に薬を塗りつけようとしたらセクハラで訴えられるわ! 男同士でも、社長がいきなりやってきて「薬を塗ってやろう」と迫ってきたらキモいわ!
天正4年7月、木津川口で織田の水軍が毛利水軍に敗北。織田の敗北は播磨の諸勢力を動揺させるわけで、官兵衛ショーックで次週へ、ってのは悪くない終わり方でした。
次回は、有名な秀吉の北陸戦線撤退&レッツパーリーと、待望の宇喜多直家登場か。つまらない信長シーンを全部削って、宇喜多直家を絡ませて播磨情勢をもっとやってほしかったなぁ。
2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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