大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第24回 さよならだけが人生か? 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日時:2017/06/18 22:15

久しぶりに実在の人物が増え、単なる時代劇ではなくて歴史ドラマらしさをやや取り戻した第24回。このドラマを見ていると庵原助右衛門も小野政次も瀬戸方久もオリキャラに思えてくるから恐ろしい。

別に井伊家の話でなくても成立しそうな時代劇が続きましたが、久しぶりに「永禄10年(1567年)」と具体的な年号が提示され、これが歴史ドラマであったことを思い出しました。

駿府に行っていた小野政次から、新野親矩(左馬助)の娘・桜に縁談が持ち込まれます。相手は庵原助右衛門。これまた久しぶりに実在の人物、庵原朝昌です。劇中でも言及されていた通り太原雪斎の一族ですが、庵原氏のどこに位置する人物なのか、イマイチはっきりしません。新野親矩の娘を妻にしたことは史実で、今川滅亡後、紆余曲折を経て井伊直政に仕える(後、出奔)ので、井伊とは関係が深い人物といえます。

ちなみに、庵原といえば『風林火山』序盤のアイドル、「武者震い侍」こと庵原之政(元政)もいます。いや全く、武者震いがするのう。

そして場面は唐突に岡崎城。織田海老長が徳川家康にプレッシャーをかけてさっさと退場。顔見せがてら、織田と徳川の力関係をサクっと描写したというところでしょう。海老長のネトネトしたセリフ回しは不快でしたが、「戻る!」と言ったときは普通だったので、あのしゃべり方は圧迫面接用かな? 織田信長井伊直虎の没年は同じなので、信長は終盤まで出てくるはず。海老長についての評価はもう少し様子を見てからにするとしましょう。

海老長にプレッシャーをかけられて凹んだ家康は、瀬名に会いに来てひとしきり甘えるとさっさと帰ります。そこで、瀬名は井伊を忘れるなと念を押します。このタイミングで持ち出すほど瀬名が井伊を気に掛けるかなぁ……。

場面は再び井伊谷。直虎は庵原助右衛門に会うことに決め、面談実現。すると助右衛門はなかなかの好青年。「忠義を貫くことこそが、生き延びる道」「最後まで忠義を尽くした者こそ、敵にすら惜しいと思うてもらえるのでは」と語り、合格。

で、桜の輿入れ決定。すると、今度は直虎が桔梗の縁談を取り持つよう政次に依頼します。そして政次がどう手を回したのやら、北条氏の家臣狩野飛騨守との縁談がまとまったようです。狩野飛騨守=狩野泰光。一説に、狩野泰光=狩野一庵。

ドラマでは「狩野飛騨守」としか言われていませんが、ノベライズには「北条氏照の家臣・狩野一庵の子息」とあり、狩野飛騨守=狩野泰光=狩野一庵説を採用していることが分かります。

ちなみに、狩野一庵は小田原征伐時に八王子城を守っていた人物。もちろん、あの八王子城ですから、討ち死します。彼の息子については知りませんが、あまりハッピーな感じがしません。

この縁談について親しく語り合う直虎と政次が、方久がやってくるとスッと離れるところに微妙な距離感が表れていてほほえましい。

それから、たけ涙の里下がり。そして、そっくりな姪の梅登場。別に泣けないし面白くもない。このエピ必要? いつか、普通にたけを直虎がみとるエピでよかったんじゃないの?

ダルダルな第2クールが終わり、井伊が史実の荒波に翻弄される第3パート開始かと思ったら、また龍雲丸か。外交問題に発展するような犯罪を犯してもイケメンなら優遇される井伊家の話はまだまだ続く……。

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