大河ドラマ「軍師官兵衛」 第47回 如水謀る 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/11/23 22:23

前回ラストから、突然策士っぽくなった如水さん。あれほどこだわっていた「天下泰平」はどうでもよくなったのか、全く口にしなくなりました。最初からこのキャラでやっていれば、このドラマの評価はもっともっと高かったでしょうに。

慶長4年(1599年)9月9日、重陽の節句のあいさつを口実に、家康秀頼と淀を家庭訪問。そのまま大坂に居座る家康。その家康の西の丸入りをサポートする如水。

そして屋敷で、楽しそうに軍略を練る如水。こういう官兵衛を最初からやっていればよかったのに。

ノベライズでは、如水の佐和山城訪問の直後になっていたのが、如水と長政のミーティング。徳川にも石田にもつかないから中津にリターンするぜという如水に、天下のためにも、黒田家が生き残るためにも、徳川につくしかないぜという長政。 突然ドーリーミングになっちゃった如水より、まともな判断をする長政。思えば、城井谷の一件以来、長政の方が黒田家のために働いてます。徳川につくのが「天下のため」というと微妙ですが、官兵衛がバカのひとつ覚えのように唱えていた幼稚な「天下泰平のため」と言い換えれば、長政が正しい。如水が第三勢力になって天下を狙えば、戦乱が長引き、「民が苦しむ」(笑)ことに。より勝ちそうな方に荷担してさっさと終わらせるのが「天下泰平のため」ってもんですよ、ブラック如水。

そもそも、九州には清正や島津、背後には毛利、四国には土佐に押し込められたとはいえ長宗我部が健在。長政のグッジョブがなくて関ヶ原が長引いたとしても、如水が第三勢力になる可能性はどう考えてもないと思うのですが。

ノベライズでは家康の西の丸入り直後に配置されているのが、如水の佐和山城訪問。上杉を動かしてその隙に三成が挙兵して挟撃するという、史実そのまんまな策を説く如水。君、未来人? というか、如水が上杉討伐の黒幕設定ですか。これまでの官兵衛の無能っぷりを思うと、突然策士らしくなられても困るなぁ。

で、妙に余裕でニヤニヤと三成を挑発する如水。チンピラみたいにわめかないで、最初から(せめて有岡城から生還してから)このキャラでやっていれば、このドラマももっと……。

中津へリターンする道中、安芸でぶらり途中下車の如水さん。広島城で待っていたのは、輝元広家、恵瓊による新毛利スリーアローズ。「意見まとまんねーすね」(九郎右衛門)と言いますが、旧スリーアローズも隆景元春が対立して輝元がぼんやりって感じだったじゃん。

慶長5年(1600年)正月、長政は家康と飲み会。家康のタヌキ芝居にますますメロメロの長政。このあたり、まだまだ単純です。さらに、おでこオクトパスが縁談を打診。

うん、もう糸いらねんじゃね?

そんな折り、突然上杉討伐が決定。どうやら直江メール(「家康、文句があるならかかってこいや」)はスルーされたようです。このタイミングで、長政が縁談を受諾して徳川につくことを明確化。

こうして糸とお富の主従が黒田家にグッバイ。お富がこの後におよんでまたも身の程を弁えぬクレームを付けてウザキャラ度を立てます。ああ、このウザい主従がやっと消えてくれると思うと、喜びもひとしおです。もう画面に映らないでくださいね。

そして慶長5年6月6日、長政と栄姫が祝言。栄姫はとにかく、武家の娘として言動がまとも。安心して見られます。

6月16日、上杉討伐軍出陣。ま、上杉は家康が直接行かなくてもボコられてゴメンナサイしちゃうヘタレでしたが。圧倒的大兵力で長谷堂城を落とせないとか、直江兼続が無能すぎましたね。

このダメダメな兼続と華麗なコラボレーションで豊臣家にダメージを与え続け徳川の強大化に貢献したのが、われらが佞臣三成。実に中途半端なところで早速動き出しちゃいます。家康が上杉と開戦してからであれば、家康もヘタに兵を戻すこともできず、西軍の勢力を固めることができたでしょうに、こらえ性のないヤツです。

そして突然わき出る大谷吉継。三成との友情エピなしだと、ただのモブですね。ま、このドラマの三成は卑劣な小物にすぎないので、マブダチがいたのではキャラがブレちゃうんでしょうが。

そして、ラストシーンは前回と同じくブラック如水のニヤニヤ笑い。引き出しの少ない脚本&演出です。

次回、小山評定っぽいシーン。そして長政は一ノ谷の兜をかぶるのか。命の恩人、竹中半兵衛の兜を……。

2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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