大河ドラマ「軍師官兵衛」 第36回 試練の新天地 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/09/07 21:36

今回は、秀吉の実に妥当なバテレン追放令をめぐる茶番からスタートです。動揺した小西行長が右近の下を訪れるのはまあ普通として、そこに利休もいるという妙なメンツ。

利休「黒田様なら必ずや殿下を説き伏せて下されよう」

旧官兵衛までもが新兵衛を過大評価。なぜ旧官兵衛はそんなに新官兵衛を評価しているのでしょうか。秀吉の身辺に侍っていれば、新官兵衛がうとまれていることだって知っているでしょうに。

しかし、主君を怒鳴りつけるという無礼きわまりない官兵衛の説得というか、単なる駄々が全然通じなかったのは前回の通り。ただし、個人レベルの信心OKという言質をゲットして、行長大喜び。

しかし、狂信者の右近は満足しません。 右近「デウスの御教えを広めてはならぬとされて、いかにして迷える民を救うのです」

この人何やら被害者面してますが、領内の神社仏閣を破壊して仏教、神道を弾圧してましたしね。自分がやらかしたことをやりかえされただけ。仏教・神道は弾圧してもいいけどキリシタン弾圧は許せないという、実に手前勝手な主張をしているにすぎません。

右近「私は全てを捨てる」

何と、「迷える民」まで捨てた狂信者右近。以前からそうでしたが、このドラマの右近は言動がブレブレで笑えます。もういいよ、お前鬱陶しいからさっさと退場しちゃってください。

こんな右近と我が身を比べ「私は弱い人間です」とリスペクトする官兵衛。といっても、右近は「今まで通り信仰させてくれないんならもういい!」と放り出しただけで、うまくいかなくて癇癪を起こした子どもと同レベルのメンタリティ。放り出された家族や家臣、領民の迷惑は考えてないんだろうな、この狂信者は。

大事なことなので2回言います。もういいよ、お前鬱陶しいからさっさと退場しちゃってください。

右近に続くキリシタン大名もなく、こうしてバテレン問題終了。「わしの上に立つ者などあってはならぬ」と言わせ、目をアップにして秀吉が狂い始めたかのような演出ですが、日本人を奴隷として売り飛ばすバテレンどもを追い出し、個人の信教の自由は認めた秀吉の政策は、実にバランスの取れた妥当なものだったと思いますがね。

黒田の新居城は豊前馬ヶ岳城。ここでバカ長政の取り巻きっぽく若武者2人がバカっぽく登場。大野小弁は、城井谷での敗走時に長政の身代わりになって討ち死にする泣かせどころがすぐにやってくるはずですが、バカっぽすぎて泣けそうにないな……。大河『毛利元就』の渡辺通(元就の身代わりになって死亡)は泣けたけど、『毛利元就』は渡辺通の複雑な心情も丁寧に描写してたからなぁ。

もう1人の若武者は、黒田一成。「三左衛門」と呼ぶ方がメジャーですね。有岡城の牢番の子、玉松なんですが、劇中では全く説明なし。何のために玉松を出したのやら、実に雑な脚本です。しかも、全く三左衛門キャラじゃない。彼には「身の丈6尺」の大男という立派なプロパティがあるのですが。1尺は時代や地域でバラバラなのですが、30cm強として180cm以上。当時としてはかなり目立つ巨漢だったはずなのですが。わざわざ6尺という記録が残るくらいですし。

ここで挿入される、播磨ギャルズシーン。しょうもない会話で眠くなります。はぁ? お福が残る? 勝手にしてください。

一方、官兵衛は城井谷の鎮房とミーティング。本領安堵を確約しておきながら、どの面下げて会うのやらと思ったら、平然と立ち退き要求。

鎮房「おぬしは本領安堵を約束したではないか! ぬけぬけとわしの前に来られたものよ」

いやはや、全くです。少しは詫びろよと思っていると、官兵衛はそれどころか得意の唾噴射で反撃。出た! 数々の名将の心を折った唾口撃。これをくらうと、普通の武将は官兵衛に説得されたフリをしながら顔を洗いに退散するのですが、鎮房はくじけません。官兵衛、恫喝という名の説得失敗。

鎮房対策に困っている官兵衛に、かつては秀吉に反抗して冬山登山したりしていたアルピニスト佐々成政が、官兵衛に領国経営についてありがたい教えを垂れます。後に一揆を起こされた挙げ句自力で抑えられず切腹させられるという、壮大なギャグの前振りですね! さすが成政。冬の北アルプスにアタックした挙げ句に家康に振られるという、空振り人生の幕引きにふさわしい三振っぷりです。

場面は再び播磨。もしかして播磨最後のシーン? ですがとんだ茶番。播磨に残ると言っていたお福ですが、おゆうが残るのならということで光についていくことに。はあ? つまらない茶番しか書けないなら、無理に光たちのシーン入れるなよ。

9月、肥後一揆。このタイミングで鎮房が挙兵。ここからバカ長政の暴走スイッチがオン。官兵衛の指示も仰がず出陣しようとしますが、ここでは帰還した官兵衛がお得意の[顔を近づけて恫喝」(「唾かけたろか?」ってこと?)でスイッチオフ。

城井谷の周囲を平定して、またも暴走スイッチがオンになった長政、又兵衛のブレーキでかろうじて踏みとどまっていますが、谷の入り口が開いたままという物見の報告でロックも解除。いかにも「まて、これは孔明の罠だ」的なシチュエーションに突撃していきます。まぁ、長政だしな。長政じゃ仕方がない。

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