大河ドラマ「軍師官兵衛」 第14回 引き裂かれる姉妹 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/04/06 22:03

天正5年(1577年)11月、福原城を1日で落とした余勢をかって上月城へ。上月景貞への開城勧告は当然のことながら拒否。で、顔見せという(現代の)大人の事情により、わざとらしく鈴戸花を連れた力が登場。普通、娘は連れてこないよね、うん。

ちなみに、鈴と花のどちらかが平岡頼勝の妻になります。

官兵衛が本陣に戻ると、秀吉たちは軍議中。ここで突然変なスイッチが入っちゃった官兵衛さん、上月城への攻撃を強硬に主張します。ここで秀吉と半兵衛が意味ありげにアイコンタクト。ドラマの演出は曖昧で、これが何を意味するのか分かりにくく感じました。ノベライズのアイコンタクト部分を要約すると、

秀吉「大丈夫かな?」
半兵衛「いんじゃね?」

ということだったようです。 で、上月城攻め開始。先陣の官兵衛は、宇喜多に横槍を入れられピンチ。このタイミングで半兵衛が投入したのが、戦国一のハードM、山中鹿介率いる尼子勢。月に「七難八苦」を要求したりトイレに飛び込むプレイをこなすなど、その上級者っぷりにはおののくばかりです。

鹿介のプレイにビビった上月・宇喜多軍は撤退。官兵衛生還。ノベライズでは、この後景貞、力、鈴、花ファミリーの交流シーンがあって後の悲劇を盛り上げるのですが、ドラマではカット。

そして官兵衛×鹿介シーン。まずは、鹿介が月にハードな責め苦プレイを要求しているところを官兵衛がのぞき見る窃視プレイからスタート。さらに鹿介が糞尿プレイを初対面の官兵衛にカミングアウト。

という冗談はさておき、

鹿介「毛利元就の卑怯な謀略の前に、次第に力をそがれ、ついには滅ぼされてしまった」
という述懐は、『毛利元就』を見ていたりすると感慨もひとしお。緒形拳の尼子経久はかっこよかったなぁ。あの強大な尼子が毛利にボコられたのは、経久以降の尼子がヘッポコだったからだよね、という気が……。

生駒親正(未登場)によって水路を断たれた上月城ですが、宇喜多直家をあてにして士気が高く、落城する気配がありません。これに怪訝な表情の羽柴の本陣。が、直家は直家で、仮病を使って上月城からの使者に会わない不審な行動。さすが直家。

その矢先、上月城家老の高島吉右衛門が景貞の首を手土産に降伏。この後、ドラマでは「信長の命令」で家臣を皆殺しにしたことにしていましたが、実際にこの判断をしたのは秀吉。降伏を許さず、城からの逃亡ができないようにした上で城を攻めて城兵を皆殺しにし、女子ども200人をとらえて子どもは串刺し、女は磔にしています。上月城の虐殺については、信長は関係なかったのです。ま、ドラマはドラマですしね。

救出された力の嘆きやらなんやらは、まぁ世の習いというか、内容的には平凡なエピなので特に感慨はありませんでした。脚本や演出をがんばれば泣き所になったのかもしれませんが、景貞ファミリーの絆を描写していたわけでもなく、実に凡庸で退屈でした。

上月城が尼子勝久に与えられ、鹿介が渇望するハードプレイの準備が整う中、官兵衛は直家に会うため岡山城へ。ここで直家の謀略を知らされ、ぷんぷん丸の官兵衛。またまた陣内孝則に食われまくり。

場面は安土。毎回、信長の本心のインタビュー役としてわざとらしいセリフを言わされる濃姫。このシーン、毎回イラナイ。つまんないし、濃姫が鬱陶しい。

ともかく、秀吉が乙御前の釜を拝領して大喜び。ここで同席しているのが松寿丸ってのが違和感ありまくりで(現代の)大人の事情臭に苦笑。安い、とにかく安い脚本です。

それから、今回はモノクロ止め絵多用しすぎ。演出家の自己満を見せつけられている感じで、とても気持ちが悪かった。スローモーション使いまくりのC級カンフー映画『レッドクリフ』級にダサい。無様なのでもう止めた方がいいですよ。

昨日からはBSで『独眼竜政宗』が再放送開始。時専チャンネルでは明日から大河ではありませんが『真田太平記』放送開始。ひどい、何て意地が悪いんだ。こんな名作を同時に流したら『軍師官兵衛』のダメダメさが際だってしまうじゃないですか。いいところが「キレイになった映像」だけという、ドラマスタッフとは全く無関係な面のみなのですから救いがない。

『軍師官兵衛』のスタッフが己の限界を見せつけられてやる気をなくさなければいいのですが……。

『真田太平記』が楽しみすぎる! 見る時間が当分取れないけど、とにかく録画&Blu-ray焼きだけはしておこう。

2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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