大河ドラマ「八重の桜」 第23回 会津を救え 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/06/09 21:59

ついに戦端が開かれた23回。ちなみにノベライズのタイトルは「奥羽の誓い」でした。

慶応四年(1868年)3月23日、奥羽鎮撫使が仙台藩入り。総督の九条道孝は左大臣でもあるし上座なのは当然としても、下座に控える仙台藩主伊達慶邦を相手に世良の何と憎々しいことか。

世良「仙台中将、早う会津を討ち取れ! 僻遠の地の国主なんぞ、手柄でも立てんにゃ
朝臣の列には加われんぞ」

世良、分かってるなー。「コイツ、殺されてもしょうがないよね」オーラ全開です。実にすばらしい。 4月11日、江戸では寛永寺にいる慶喜さんをが訪問。朝令暮改将軍はなんだかしょんぼり気味。会津を気にかけたり、いいことを言っているようではありますが、埒もない独り言レベルです。

慶喜「わしに家臣がいたろうか。会津のように、君臣一体となる家臣が……」

作る努力はしたんですかね、とツッコミたいところ。「出陣するぞ!」「おー!」な時に本当に出陣していたら、最後まで慶喜さんについていく家臣ができたかも。でも、毎回、「やっぱやめた」でしたからねぇ。

慶喜「これで徳川は残り、江戸も戦火をまぬがれた……。では、会津はどうなる……」

アンタが容保を離さずに江戸まで逃げ帰ったからでは……。

そのころ、会津城下では会津藩と仙台藩、米沢藩の家老たちのシークレットミーティングが開催。ドラマでは秘密感があまりありませんでしたが、ノベライズによると「一軒の宿屋に頭巾で顔を覆った人物が入っていった」という記述で極秘会合っぷりを強調しています。

仙台藩家老・但木土佐と米沢藩家老・木滑要人は、会津に恭順の意思を示すために首を3つ差し出せと要求。これに対して、「わが首を奥羽鎮撫総督に差し出せ」という梶原、「会津一国ではなく奥羽全体の問題」とする尚之助によって議論の流れが変わったという描写です。ノベライズでは、ここで但木の洞察が入っています。もともと武士ですらない世良の強硬な態度への疑念、このような人物を最前線の交渉役にした新政府の狙いとは何か? これが但木の会津対策に影響しているという筋書きです。このくだりはドラマで表現するのは難しそうですね。

で、閏4月4日、仙台米沢の連名で奥羽諸藩に通達が回ります。奥羽が一体となって会津救済の嘆願に動くことになります。

一方、会津は兵を国境に配備。白河方面総督は、残念家老の西郷頼母。「多数の兵力」で「少数」の新政府軍を迎え撃つことになります。越後口は佐川、日光口は大蔵です。

奥羽25藩による会津救済の嘆願書は、世良によってあっさり却下。上杉斉憲と伊達慶邦に対して無礼な言動の数々。世良の平地に乱を起こす能力の高さには戦慄させられます。

閏4月19日、福島の旅宿金澤屋。福島&仙台藩士を控えさせて、どんちゃん騒ぎの世良。その影で、姉歯と遠藤が世良の密書をゲット。

密書「奥羽みな敵と見て討つべし、仙台・米沢など恐るるに足らず」などなど

世良の人をキレさす能力の高さには戦慄させられます。世良さんすげー。

で、世良死亡。まぁ、世良は死んでもしょうがないよね。と、今時ためらいもなく思える貴重な人材でした。が、奥羽の事態はますます悪化。

昔から、世良を派遣した西郷らの真意には疑問符が付いていました。奥羽を恭順させるつもりだったとすると世良はあまりにも不適格で、結果的に戦争となったのは西郷たちの任命責任でもある、ということになります。逆に、会津戦争は既定路線だったとすると、世良の言動も西郷らの意を受けたものだった可能性が高く、結果として戦争となったので大成功、というわけです。この場合、世良は捨て石になることも西郷らのプランには含まれていた可能性が高いでしょう。世良が知っていたかどうかはともかく。

ドラマ的には、西郷は前回で会津討伐を決意していたようなので、世良は挑発役としての任用という流れですね。

緒戦は残念頼母が守る白河城。

頼母「腹くくれ~」

とか言ってますが、この人、役に立ちません。

白河城を守るは2500人、攻撃側は伊地知正治と大山弥助の700人。が、1/3以下の新政府軍に一方的にボコられて退却。頼母さん、反対意見を述べる声は大きいのですが、実のところここまで会津のために役に立ったことはほとんどありません。いや、佐川を上京させたのは、役にたった……かな?

5月3日、奥羽連判同盟成立。さらに、佐川が長岡藩が誇るガトリング家老、河井継之助を家庭訪問して同盟に勧誘。交渉役に佐川?という疑問はありますが。

ガトリング家老も快諾し、5月6日に奥羽越列藩同盟成立。

一方、いまだ牢内にいる覚馬は悪夢にうなされて起床。ノベライズによると、この前日に牢番がやってきて、覚馬たちに白河城落城の件を(悪意で)知らせていました。これが悪夢のトリガーですね。

覚馬「どこで間違ったんだ? 会津は。いや、俺はどこで間違った? 世界を見ようとしてきた。10年後100年後に続く豊かな道を探すはずだった。そったのに会津は今、滅びの道を進んでいる」

確かに、覚馬や会津にとっては、「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 会津は帝や幕府に尽くしていたと思ったら賊軍になっていた。な…何を言っているのか分からねーと思うが(以下略)」なポルナレフ状態ですしね……。

絶望する覚馬ですが、松陰の「立ち上がれ」を思い出して立ち直ります。あー、そういえば小栗松陰なんていましたね。忘れてました。

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
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