大河ドラマ「八重の桜」 最終回 いつの日も花は咲く 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/12/15 22:52

明治27年(1894年)11月、篤志看護婦として広島の予備病院で大活躍の綾瀬はるか。どう見ても咲さんです。本当にありがとうございました。で、咲さんもとい八重さん、衛生兵とも互角以上に渡り合います。

さらに、八重が口にした「戊辰の戦」に絶句する衛生兵。うん、君ら若い衛生兵はそんな昔の戦なんて知らないでしょう。が、君らと同年代にしか見えないそのご婦人は、既に49歳なんですよ。ママみたいなもんですな。

そこでちらっと戦場シーン。ここは予想通り『坂の上の雲』からの流用。ただし、第二軍司令官の大山巌だけは大幅に若返り&美男化。

11月21日は、あの旅順要塞総攻撃の日。といってもロシアが近代要塞化する前のもの。これが1日で落ちちゃったことが、日本軍の判断を誤らせることになります。食料も防寒具も不足する中、厳冬期に北京まで進軍しろという大本営。 大山「旅順がたやすく落ちすぎたか……」

まー、次に旅順を攻撃するときはナメてかかってとことん苦労しますからねぇ……。次は軍司令官ではなく総司令官になる大山にも結構責任があるはず。旅順が1日で落ちちゃった原体験は、大山にも影響しているのでは?

明治28年(1895年)2月、威海衛占領。講和会議開始。そして5月13日、三国干渉により遼東半島返還。

すっかり調子に乗った蘇峰、激おこ。広島の病院やら板垣退助への態度やら、今の目でみると非常にイタい子に見えちゃう蘇峰ですが、当時は強硬論が多数派ですし、まぁあんなもんだったのでしょう。

明治29年(1896年)夏、八重51歳。そうは見えないけど51歳。佐久死亡。

ぼっちになってしまった八重さん、屋敷の前を通る女学生に傘を貸してあげます。晩年の八重の有名なエピソードですね。

さらにその年、裏千家家元 圓能斎が新島家に出稽古。そこに訪問者。リビングに向かう八重。そこについてくる圓能斎と絹子とヒロ子。え、人の客の応接に他人がドヤドヤ闖入しちゃうの? 裏千家ってそんな不作法なの? ふ~ん。

で、京都府のお役人さんから八重が勲七等 宝冠章叙勲のお知らせ。

八重が受け取った紙には、「明治29年12月25日 賞勲局総裁 子爵 大給恒」とありました。大給恒ってのは旧奥殿藩主 松平乗謨(大給松平家)のこと。1868年に大給乗謨に改姓、1869年に恒に改名していて1884年から子爵(後伯爵)。ハイビジョンだと読み取りやすいから手が抜けませんね。

八重の叙勲で藤田五郎、二葉、時尾、山川浩健次郎も大喜び。よかったね。

明治31年(1898年)3月、遁走将軍慶喜明治天皇に拝謁して復権。よかったね。

八重、唐突に会津帰郷。そこで晩年の西郷頼母の写真を再現したかのような西田頼母と邂逅。何だろう、この、何の感動もないシーンのオンパレードは……。まぁ、西田敏行の演技は味わい深いのだろうけど、なぜか、どうでもいい感じ。若い頃(ちっとも若くなかったけど)の頼母がウザすぎたのも一因か。やはり頼母は西田敏行じゃなくて、容保よりちょっとお兄さんくらいの人にやってほしかった。

ラストシーンは……まぁ映像でも言いたいことは伝わるのですが、傘のCGは蛇足でした。単に陽光が広がるだけで十分だった。そして、ノベライズにある八重の独白を映像に乗せてもよかったのでは。
八重は銃を構えた。銃口を空に向けて……。もう決して人を撃ったりはしない。人を傷つけるために、引き金は引かない。撃つのは、空を、世の中を、おおっている黒雲に向けてだ。人が戦で死なない世の中を作るために、そこに暮らす人間が平和に穏やかな気持ちで生きる時代を作るために。


とまぁ、今回も文章を推敲もせずとりとめもなく書き散らしてきましたが、今年も何とか完走。夜なかなか寝なくなった子供たちに妨害され、BSの録画を地上波放送開始後に再生するという遅延っぷりで更新時間も遅れがちになってきました。来年はさらに子供たちが邪魔してくれるはずで、さてどうなりますことやら。

今年は年間を通した評価が実に難しい。脚本は、八重と川崎尚之助の別離のあたりを除けば特に破綻もなく、京都編の八重の美化がやや鼻についた以外は良かったと思います。会津編は泣き所も多く、非常に面白かった。

が、京都編は退屈で、最終回までついに盛り上がることなく淡々と進行。上州カルタで子供の頃からよく訓練されたグンマー人の私でさえ、新島襄には興味が持てなかったのもツライところ。彼に非はないのですが、彼については2時間ドラマくらいで十分じゃね? という思いが捨てきれません。

京都編がつまらなかったため、会津編の面白さを忘れそうになってしまいます。これでは駄作決定になってしまいもったいない。「会津編は良作だった」ことは心に銘記しておきたいと思います。

再来年は、今年の悲劇を繰り返すことになりそうな予感……。後半は、初代グンマー県令の楫取素彦が主人公の夫なので、県庁所在地が前橋に決定して高崎ザマーと、前橋出身の私がちょっとだけ喜ぶこともあるのかな、という感じですか。そのときまで『花燃ゆ』を見続けている自信がないのですが。

『花燃ゆ』を見るのを止めたら、代わりに『草燃える』の感想でも書きますかね。

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
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