大河ドラマ「八重の桜」 第14回 新しい日々へ 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/04/07 21:24

元治2年(1865年)春。「川崎八重」、結婚。秋月家から山本家に戻り、祝宴スタート。北村有起哉は声がいいので高砂も決まります。

余計なことを言い出すうるさ型の親族を引き離すため、酒を勧める権八と尚之助。で、酔いつぶれた夫をひょいと担ぐ花嫁。さすが、米俵を担げる力持ちです。

新居は角場の二階。そこには京の覚馬からのメール&紅&『新砲二種』。こんなときでも砲術書とは、覚馬らしいというか八重&川崎向けというべきか。

そのころ覚馬は、眼科検診。主治医は病理学者から眼科に転向した大河内教授。診断は、白そこい(白内障)。ということで、覚馬の失明の原因は、本ドラマでは目の負傷が元と思われる(断定ではない)白内障という、怪我説/白内障説の折衷案となりました。

失明告知に絶望する覚馬。立ち直るのは少し先のことになります。 初夏。越前福井城にいる春嶽西郷吉之助が訪問。勝のぶっちゃけトークで覚醒した西郷さん、「公論による共和政治」で春嶽と合意します。ドラマの流れだと、西郷は勝の受け売りを語っているだけに見えてしまいますが。

一方の春嶽も、キャラがぶれているような印象を受けます。斉彬と同じ意見を述べ、西郷を「斉彬公は良い接ぎ木を得たようだの」と表するあたりは、いわゆる四賢侯のイメージ通りです。御家訓をたてに容保に守護職就任を強要する悪役キャラは何だったのか……。

で、守護職を押しつけられた容保は、役料が差し止められてショーック。会津に戻ろうと進言する神保内蔵助に、「まだその時ではない」と拒絶する容保。

容保「これを成し遂げたら、みなで会津に帰ろう。磐梯山の見守る故郷へ」

というセリフが泣かせます。ちと容保の演技がワンパターンなのが気になりますが。

この後、神保親子のしっとりトーク。会津戦争に向けて、単に頭が固い描写しかなかった家老たちのキャラ立ても必要というところでしょうか。神保パパは田中土佐と自刃するんですよねぇ……。後は、萱野権兵衛の描写がほしいところ。彼の死も泣かせどころの1つですからね。

会津では、最近キャラが立ちまくりの八重パパがまたもや活躍。八重に鉄砲を禁じる強面パパだったはずが、すっかり愛されキャラになってしまいました。八重・尚之助夫婦のありように気をもむ権八、八重に指導を入れます。

権八「わしが婿養子に入った時は、もっと堂々ど振る舞っていたぞ」

権八さん……。

八重に鉄砲を撃つことを禁じた権八さん、尚之助が八重に鉄砲の点検を依頼すると、目で八重を制します。八重が鉄砲の点検を断ると、気遣わしげに振り向きつつ出て行く尚之助。権八や尚之助の芝居など、演出が丁寧な場面でした。男同士の会話から排除された八重を、1人振り向いて気遣う尚之助など、以前から演出は細やかなドラマでしたが。

鉄砲が撃てず欲求不満の八重は、神保雪と嫁トーク。夫が単身赴任中の雪にしてみれば、夫と一緒にいる八重は羨望の的です。

雪「旦那様が都からお戻りになったら、もういっぺん初めから夫婦をやり直してえ」

切ないセリフです。夫の修理は、もう……。

帰宅した八重は、尚之助からこれまで通りにせよと怒られます。いわゆる「ありのままの君でいい」というトレンディドラマ的安いラブシーンで見てらんない。が、権八・佐久夫婦の会話で救われます。

佐久「旦那様も、婿に来た頃は借りてきた猫みでえだった」

権八さん……。

慶応元年(1865年)5月22日、将軍家茂上洛。長州征伐強硬論者的立ち位置だった容保ですが、江戸表の方針と比べれば穏健派になってしまうところが皮肉です。

今回で初登場の大久保一蔵は、同じく初登場の岩倉具視を訪問。小堺の岩倉は本ドラマの不安要素の1つでしたが、取りあえず無難なラインといったところでしょうか。岩倉にしてはイマイチ迫力不足だし、自宅の賭場に出入りする連中から移った柄の悪さもなく、「岩倉的な記号要素」は特になくて物足りませんでしたが。

夏の会津では、頼母と秋月が噂の家老トミーをお見舞い。

横山「幕府のため、朝廷のため、誠を尽くせば尽くすほどに、会津は泥沼に足を取られていく。帝からご宸翰を賜った時の嬉しさ、あの時の喜びが、今は会津を都に縛り付ける鎖となった……」

トミコ……。

後ろ盾の横山も死に、後を託された頼母にも何の力もなく、蝦夷地に飛ばされる秋月。これでしばらくお別れです。北村有起哉がいなくなるのは痛い。この人、声も演技も絶品で場面が引き締まります。あのクソ大河『江』ですら、秀次切腹のくだりは演技力の力業だけで名場面化しちゃった人ですしね。早く秋月に、というか北村さんに戻ってきてきてほしいものです。

「北村どのは、『八重の桜』になくてはならぬお方ではありませんか」

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
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