大河ドラマ「八重の桜」 第3回 蹴散らして前へ 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/01/20 21:35

ノベライズを読んで予想していたことではありますが、今回は中央政局が動かなかったことで話としては非常に地味な回になってしまいました。とはいえ、全体の構成の中では割と重要かも。これまで突っ走ってきた覚馬の挫折を通して会津藩の将来を暗示してたり。

覚馬の屈託に活を入れるのが八重ってところが「いかにもドラマ」ではありますが。

さて、今回は安政4年(1857年)春から。覚馬は日進館で講義のリハーサル。1人でトークしている姿は実に不審。本役になった与七郎たちが疑問に思うのももっともです。覚馬の活躍も楽しみですが、この与七郎も見せ場が多いはずなので楽しみにしたいところ。会津戦争時の鶴ヶ城入城なんか、どんな風に演出するでしょう。まぁ、去年も西行の娘キックを「酷い!」と非難する人が続出したので、大蔵の鶴ヶ城入城も「んなわけあるか!」と怒り出す人がいそうですね。明治期は、この大蔵や八重を会津の名誉回復、再生の象徴として描いていくのかな。 八重はお針の稽古。この年、数え13歳。八重は12月1日生まれなので、満年齢ではまだ11歳。小学生ですね。ドラマでは分かりにくかった気がしますが、師匠はミツやん時尾の祖母。にしても、貫地谷しほり安心の安定っぷり。『大奥』の染子は微妙でしたが。

お針の稽古を終えた八重は、桜の木に登って『炮術言葉図説』で自習開始。本の上に落ちてきた謎の物体は、ノベライズによると「モコモコ動く毛虫」。毛虫というより、妙に巨大なアオムシ(モンシロチョウの幼虫)みたいに見えましたが。

で、落とした本を拾うのが、未来の夫となる尚之助、と。ありがちな出会いですなぁ。

尚之助を相手に人材育成への意欲を語る覚馬。尚之助に託された象山メールを読んでさらに意気が上がります。

象山「何かを始めようとすれば、何もしない奴らが必ず邪魔をする。蹴散らして、前へ進め」

覚馬にとっては何よりのエールですが、ここからが大変。父権八、林権助、頼母らが、入れ替わり立ち替わり急ぎすぎる覚馬を心配し、忠告し、諭します。

権八「そう急ぐな。こごは会津だ。江戸と同じに考えだら、うまぐいがねえぞ」

権助「あんまり急ぐど、上がつむじ曲げる。天狗になったと叩がれる。若ぇもんは、とがぐ事を急ぎすぎる」

頼母「声高に言い立でるだけでは、敵が増えるばっかりだぞ」

理解者ゆえの忠告ですが、それでもセーブしきれなかったところが覚馬の若さというところでしょうか。頼母もちゃっかり見た目の貫禄に見合った年配者からの忠告っぽく聞こえましたが、頼母(数え28歳)は覚馬(数え29歳)より年下ですからね、念のため。

尚之助の仕官も古川春英の帰藩も却下され憤慨中の覚馬、ぶつかった藩士に鉄砲を軽んじられて怒り心頭、抜刀寸前に。もちろん、ここで抜けば切腹、お家お取り潰しです。で、黒河内道場での槍試合になるわけです。

予告映像で既に見てましたが、覚馬の体がすごいこと。って、西島秀俊、私と同じ年……。orz

ここで容保パートへ。容保は与七郎の祖父である兵衛と品川第二台場をご視察中。安政の大地震(安政2年・1855年)の被害が話題に。

容保「あの折、砲台を守って命を落とした者たちは……まことに哀れであった」

下の者にも慈悲深い名君として描かれています。史実でも、容保は明治21年(1888年)の磐梯山噴火時に被災者を見舞ってたりするので、違和感はないですね。

会津藩江戸上屋敷では、秋山多美狆を抱いた敏姫が登場。まだ数え15歳ながら、照姫の内面を何気に見抜いている気配も。鋭い姫です。

夏、覚馬は藩庁に呼び出しをくらいます。梁瀬(中央最上座)、萱野(画面左、というか柳沢慎吾)、頼母、神保(画面手前)ら家老たちに意見書がことごとく却下され、ブチ切れ。頼母が適当にセーブしてくれているのですが、ぜんぜん伝わりません。で、家老たちに「井の中の蛙」と口走って禁足処分。

危惧していた柳沢慎吾もそれなりにハマってましたが、ちと滑舌が悪いか。字幕がないと何を言っているのか分からなかったかも。

覚馬の処遇に納得がいかない八重、尚之助に不満をぶちまけます。

尚之助「頑固ですからね、会津は

覚馬の意見を採り上げるかどうかだけではない、今後の会津藩自体を示唆しているようで深いセリフです。

で、鉄砲に対する八重のひたむきな姿勢が覚馬の屈託を解消します。

八重「では、私が撃って参ります」

覚馬「ああ、行ってこい」

覚馬「……………………………………………………いげねぇ」

思っていたより「……」の間を長く取っていたのに笑いました。ここは演出グッジョブ。

ノベライズでは、ハリスが家定に謁見したくだりはわずか1行だったのでナレだけで流すかと思ったのですが、ちゃんと映像化。ハリスの日記通り、足を踏み鳴らすなど、この謁見のポイントも押さえてました。

さて、次回は政治パートも盛り上がってきます。斉彬らも出てきますしね。


2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
も第3回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。