大河ドラマ「八重の桜」 第2回 やむにやまれぬ心 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/01/13 21:16

父にとめられても独学をやめない八重。漢字も書いていますが、女性は「かな」しか習わないため、八重は鉄砲の本のほとんどが読めないまま。意味もわからず書き写している状態です。同年でもさらりと「蓋」が読めてしまう与七郎(後の大蔵)を通して、当時の男女が受ける学問の差が表現されています。これは、幼女八重が独学で学ぶことがいかに困難であったか、ということでもあります。

嘉永7年(1854年)3月。日米和親条約締結。ペリーが頭を下げたということで、来客万雷の象山塾。ここで豚をスケッチしていて逃がしてしまった七五三太君(後のニイジマジョー)と、豚を捕獲した西郷モニカが登場。思ったよりも西郷役がはまっていたので一安心です。

覚馬もまた、黒船にやむにやまれぬ心を突き動かされっぱなし。尚之助も巻き込まれますが、藩と家族に累を及ぼさないための脱藩がネックに。 相変わらず鉄砲にやむにやまれぬ心を抱き続ける八重は、権八の鳥撃ちの供を許されて期待に胸がふくらみます。が、権八は鳥撃ちを通して鉄砲の意味を諭します。

権八「角場の的撃ぢは面白ぐ見えっかもしんねぇ。んだげんじょ、的さ撃ぢ抜ぐどいうごどは、すなわち人間の心の臓さ撃ぢ抜ぐっつうごどだ」

母佐久は、頭ごなしに八重に禁じることはありませんが、八重に考えさせます。

佐久「鉄砲撃づのはおなごの役目でねぇ。それでもやんばなんねぇ訳が、八重にはあんのがしぃ?」

4月。吉田寅次郎の黒船密航事件の件で奉行所から呼び出しを受ける象山。北町奉行の井戸対馬守(井戸覚弘)に、象山が寅次郎に贈った

一見超百聞 知者貴投機

の件で尋問されます。が、象山は逆に「なんという大馬鹿か!」と罵倒して、象山、寅次郎は国元蟄居に。

塾生がいなくなった象山の屋敷で語り合う、覚馬、尚之助、勝麟太郎。勝といえば一人称は「俺」のはずなのですが、ここでは「俺たち」と言ったり「オイラ」といったり(第1回も「オイラ」)、安定しません。そういえば、「JIN」の勝海舟も「オイラ」と言っていたような。なぜ「オイラ」なのか……。

秋、出戻り照姫が容保と再会。後に容保の正室となる敏姫もここで登場。照姫の心情は、ここではまだ曖昧。後に照姫の想いが明らかになっていくわけですが……。

ちなみに、照姫と容保初対面の回想シーンで、照姫に容保を紹介した女性(中老)は滝瀬でしたが、ノベライズでは「滝緒」となっています。どうでもいいことですが。

おまけ:みこころのあかきほどにや紅葉の色も千入にみゆる一枝(by 照姫)

2年後の安政3年(1856年)秋。覚馬が会津に帰還。城下の米蔵では、子供たちが米俵を運び入れる競争で大賑わい。そこに、紅一点の八重が男よりも大活躍。このとき八重、数え12歳、満年齢なら11歳。ドスコイ少女に育ちました。

その夜の権八と覚馬の会話によって、権八の心情が明らかになります。

権八「仕込んだらものになんべ。んだげんじょ、それが何になんだ。ベボならばまだいい。いい腕になったら困んだ。おなごが鉄砲の腕振るう場所はどごにもねぇ。いずれ、切ねぇ思いをする」

権八なりに八重の女としての幸せを考えていたわけです。時代的には当然の考え方ですね。「面白きおなごじゃ」で済ませて時代錯誤な評価をするのは簡単ですが。

八重と自分を重ねる覚馬。八重に鉄砲を教えることに。いいあんつぁまです。

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
も第2回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。