大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第16回 関白秀吉

日時:2011/05/01 20:17

今年の大河ドラマを安っぽく見せている要素の1つが、「登場人物の出し方」です。唐突に登場する新キャラ、そして必要がないのに絡んでくる江(最近は三姉妹セット)。とにかくからめたいという作り手の意図が露骨すぎて興ざめしてしまうのです。

秀吉の家族と三姉妹をムダに会わせたのも、旭と甚兵衛の離縁、旭と家康の結婚に三姉妹(江だけか?)をかかわらせるための伏線ってのがミエミエです。

で、このタイミングで「将軍になる!」宣言。何んじゃそりゃ。

まぁ、秀吉が将軍になりたいってのはまぁいいのですが、なぜそれを12歳の江に相談するのか。

さて、ここからは史実としては否定されている俗説ベースで展開します。 まずは、将軍になるため義昭の猶子になることを打診して、拒否されるエピソード。この俗説が割と信じられている背景としては、「将軍は源氏でなければならない」という、これまた俗説が信じられていることがあるのでしょう。だから、源氏になるために義昭の猶子になる必要があった、と。

この俗説を信じている人は、なぜか藤原氏や皇族も征夷大将軍になっていることを無視するんですよね。確かに足利尊氏以降は源氏が続きましたが、それも現代から見ればのこと。秀吉の時代だと、「(坂上氏などなど)、源氏、藤原氏、親王、源氏」のように、将軍の出自はいろいろだったようにしか見えないと思うのですが。

そして、いい味を出しているモトヤ前将軍に拒否られる秀吉。ここで関白就任をそそのかすのが、またもや利休。この利休はともかく、将軍任官失敗→それを超える関白に、という流れは、できすぎともいえるほど確かに分かりやすい。この俗説ベースだと、話が作りやすいんですよね。とはいえ、朝廷からの将軍就任の打診を秀吉が断っていたという説もあるのですが……。

こうして登場する近衛龍山信尹親子。「近衛龍山」というと分かりにくいのですが、要は近衛前久です。この前久の猶子となって、藤原秀吉として関白になったのは史実通り。

朝廷工作の末に関白の宣下を受ける直前になった秀吉が、大坂城にいる三姉妹の前に現れます。「京からわざわざ?」と一同驚いていますが、備中高松から姫路まで、1日で戻って来ちゃう男だということを忘れてませんか。京-大坂間なら楽勝でしょう。

そんな秀吉に、ちょっとドキッとしちゃう茶々。昔の少女マンガみたいな展開……。

そしてなかは、功名が辻に引き続き城の庭を耕します。もうお約束ですね。

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」キャスト(配役)
大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 三姉妹年齢年表
も第16回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。