大河ドラマ「義経」 第10回 父の面影

カテゴリ:義経
日時:2005/03/13 21:48

あっという間に平泉入りした義経一行。歓迎の宴が営まれるが、義経は秀衡(高橋英樹)の横で爆睡する。秀衡は、その義経を評して「大胆なのかうつけなのか」といっていたが……。

 単 な る う つ け で す よ

考えてみよ。第2回で屏風の落書きに凍りつく清盛重盛以下一同。そこに呼び出された牛若は、無邪気に振舞う。

 い く ら ガ キ で も 空 気 読 め る だ ろ、 普 通

第3回新宮十郎に自分の正体と平氏との関係を教えられるが、その後も立場をわきまえず京に下りては騒動を起こし(巻き込まれ)、なぜか常に平氏一門の誰かに姿を目撃されるという間の悪さを発揮。都をうろつくことによって、母常盤に嫌疑がかかる可能性に思い至るような思慮もない。 第10回よりも未来に思いをはせれば、やはり頼朝の命令を無視して勝手に官位を受けたエピソードが動かしがたい。腰越状などを読むと、なぜ頼朝がそれを禁じたか、なぜ義経のことを怒っているのか、義経がまったく理解していないことが分かる。

つまり、義経は空気が読めないし、立場をわきまえることもできない。自分の行動で誰かが迷惑することに配慮することもできないし、政治を理解する知性もない。ただのバカだ。「バカだが軍事の天才」という評価もあるが、個人的には軍事面の才能についても怪しいと考えている。この件については、義経が軍の指揮権を得てから。

それはともかく、泰衡、国衡、忠衡 3兄弟のシーンを見ていると、泰衡(渡辺いっけい)がほかの誰かに思えてしかたがない。高島礼子が出てきて泰衡を叱りつけないのが不思議なくらいである。

そして、物語はうつぼの登場で絶望的な事態に。ただでさえリアリティ不足の脚本が、ここに至ってゼロを突き破ってマイナスに突入する。この時代に女が1人旅できるわけねぇだろ! しかも、次回予告によると京に送り返すみたいだし。義経郎党は非道な連中だなぁ。

そういえば、義経郎党のシーンって、何だか学芸会を見ているようだ。よくもダイコンばかり集めたものである。