大河ドラマ「義経」 第9回 義経誕生

カテゴリ:義経
日時:2005/03/06 22:15

義経の奥州下りといえば、腰越状でその苦労がメソメソと語られているが、ドラマではあっさり到着(少なくとも「平泉まで1日」の場所までは)。吉次そのほかがよく動くため、義経自身はまるで苦労した様子もなし。よかったな、タッキー。

義経の苦労話をつらつらと語られてもまったく面白くないが、逆にやろうと思えば活劇的な見せ場も作り放題な部分なのでは。だが、そういったドラマ性はまったくなし。何だ、このノッペリしたストーリー展開は。史料が沈黙している時期であり、史実を気にせず話を作れるというのに、つまらん脚本だな。

こうして、今回は単なる義経郎党集合編になってしまった。複数回にわたってストーキングを続けてきた弁慶も、ようやく仕官を認められる。よかったな、マツケン。だが、その後のでしゃばりっぷりはいかがなものか。 続いて登場したのは、南原清隆演じる伊勢三郎義盛。おいおい、口調がコントのときと同じだぞ、ナンちゃん。とても元武士(もともと山賊という説もあるが)とは思えぬ太刀さばき。伊勢三郎といえば弁舌による活躍が有名だが、ナンちゃんといえば滑舌が悪いカミカミ大王。大丈夫か? こんな2流芸人に伊勢三郎やらせて。

尾張に着いた(早っ!)遮那王は、そこで元服することに。が、義経元服の地といえば、近江鏡宿(滋賀県竜王町)の方が一般的では? 尾張で元服したという説もあるが、この場合は熱田大宮司が烏帽子親になったということになっている。

次に登場するのが、駿河次郎清重(うじきつよし)。伊勢三郎とともに義経四天王の1人とされるが、「義経四天王」の呼称と「清重」という実名は江戸時代に与えられたもの。駿河次郎は駿河の猟師(漁師ではない)ではじめ頼朝に仕え、後に義経の郎党となったとされている。ここで出会う人物ではないはずだが、もうどうでもいいや。

駿河次郎の船(猟師なんだが……)で発見されるのが、「蟹」こと伊勢三郎。序盤で義経と出会って以来、海の上までストーキングを続けていたことになる。義経は、つくづくストーカーに好まれるタイプらしい。しかし、蟹って。伊勢三郎じゃなくて南原の特徴じゃねぇか。ま、おにぎりもらってよかったな、ナンちゃん。

次回は奥州藤原氏が登場。平泉の政治劇になれば、少しは面白くなるだろうか。