大河ドラマ「真田丸」 第39回 歳月 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/10/02 21:52

今回は大坂冬の陣を目前にした、信繁の最後の平穏な日々。中だるみ気味でちょっと退屈なところもありましたが、最後に明石全登が現れてもうすぐ大坂冬の陣だったことを思い出させられると、逆にこのダルさはもう終わりなのだと思い知らされる構造です。

ではドラマスタート。真田信之と三十郎が九度山村を訪問、久々の兄弟対面です。真田信繁は信之に、昌幸ノートを差し出します。が、描かれているのは何だか分からない記号だけ。

信之「……凡人には全く分からん」
信之「全部こんな感じか」
信繁「全部こんな感じです」

昌幸……。

あらためて、赦免運動を展開すると宣言する信之ですが、九度山村の面々は困ってないし、ここに馴染んだからと帰りたがりません。

しかし、ブラザーだけになると信繁は本音を打ち明けます。生活の困窮を語り、信之に無心する信繁。そんな信繁に、「ひもじい思いはさせぬ」と言い切るお兄ちゃん。頼もしい。 そして3年の月日が流れた慶長19年(1614年)秋。真田大助の傅役になった内記は、大人げなく囲碁で連勝を重ね、戦績を大助に突きつけて大喜び。

きりと梅は裁縫教室を開いて刺繍を村の女子に教授。

佐助は忍たまたちを相手に忍術を伝授。

そこへ、信之から届いた大量のソバの実。中に何か隠されているのではという淡い期待もむなしく、全部ソバ。

信繁「ひもじい思いはさせぬと兄上は約束された。こういうことではなかったのだが……」

お兄ちゃん……。

佐助小屋に招かれた?きり。今回の佐助はひと味違います。何を言うのかと思ったら、突然信之を激しくdisり始めます。お前、急にどうしちゃったの? いきなり噴出した佐助の闇が心配です。

そこへ信繁がやってきて、そば粉ショップを開くと言い出します。春が作ったそばがきを試食サンプルに利用して、そば粉を売ろうというのですが……。

全然売れず。様子がおかしかった春は、きりと信繁の関係にいら立ち、障子に指を突き立てます。穴だらけの障子が、春の闇を暗示していて心配です。って、九度山村の生活に馴染んだという割りに、みんな病んでないか?

面倒になった信繁は、きりに「春と2人で話せ」と言って逃げるありさま。そんな状況の中、豊臣秀次の娘のたかが帰国。信繁の下を訪れます。そして「側室だ」と名乗ってさらにややこしい事態に。信繁に抱きつき、それに切れて刺そうとする春という絵に描いたようなコントを展開。

『ドラマストーリー』の前編で、三谷は側室についても逃げずに描くと言っていました。そして確かに、正室の春だけでなく側室の梅、きり、たかも登場させています。が、信繁がこの女性陣を女として扱っているのは常に1人だけ。実は巧妙に逃げており、信繁を美化しているのでは?

側室たちを実際に側室として機能させたからといって、それが面白いドラマにつながるのかというと疑問ですが。

たかが持ってきたお土産(実は有料)の中で、信繁が興味を持ったのは、ネエパラの紐。ネエパラって何だ。天竺の北? というとネパールかな。

紐。紐ですか。紐といえば、アレです。

しかもこの紐、「サナール」(チベット語で「紐」のこと)だそうで。これが上田の紬(つむぎ)に似ていると言う信繁。早速、きりと春にサナールを手本にした紐を「織る」(編むではなく)ことを命じます。

「サナール風の紐」を織り始めたきりと春は、ようやく本音のガールズトークを展開。相変わらずぶっちゃけたきりの告白に、やっと心を開いた春。何か、解決しちゃいました。春が障子に穴をあけなくなったら寂しいな。

というわけで、呂宋に旅立ったままフェードアウトしたたかの再登場させ、それをきりと春の関係樹立、真田紐誕生のきっかけとしたのでした。予想外の展開です。

そして、「サラマッポ」という言葉を残して、たかは再び退場。思わせぶりな言葉ですが、意味は「ありがとう」(タガログ語)です。「マハルキタ」(愛してる)とは言わせなかったところがニクい。

こうして完成したサナール紐ならぬ真田紐。佐助による試作機のテストも上々で、市場投入決定です。そこで信繁が考えたビジネスモデルは、真田紐のライセンス販売。「真田紐」のブランド名使用を条件に、製造・販売権を九度山村にライセンス供与して売り上げの一部を得るというものです。

真田紐を昌幸・信繁が考えたというのは単なる俗説なので本ドラマでは取り上げないかな? と思っていたのですが出てきました。

長兵衛との契約も締結されたようで、手付金でパーティー開催。が、内記に15連敗した大助が出てきません。信繁は、囲碁を使ってコミュニケーションを図ります。これをきっかけに親子関係が深まっていくことでしょう。そのうち、かつて昌幸が信繁にしたように、「よき息子じゃ」と大助のほおをペチペチするのではないかと予想しているのですがどうでしょう。

大助との関係も改善され、満足そうに庭にたたずむ信繁。そこへ現れた明石全登。慶長19年秋ということは、もうすぐ大坂冬の陣ですねぇ。

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