大河ドラマ「真田丸」 第11回 祝言 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/03/20 22:53

一見どうでもよさそうな祝言やる・やらないコントを謀略に結びつける展開はお見事な第11回。が、室賀正武暗殺シーンは期待外れ。悪くはなかったけど、それ以上ではなかった。残念。まぁ、笑えるシーンはなかなか良かったのですが。

今回は、前回のラストシーンの続きからスタート。正武をご招待した徳川家康は、正武の抱き込みを図ります。

家康「よくあのような男と一緒にやってこられましたのう」
正武「小県の国衆をここまで引っ張ってきたのは真田昌幸でござる」

時に反発しつつも、真田昌幸をしっかり信頼している正武が泣かせます。

そんな正武の心を折る家康。証文を見せ、海士淵の城を預かるのは真田のみと知らせます。昌幸への不信感を煽るだけ煽って退出する家康。本多正信がさらに毒を注ぎ込みます。

真田信幸が新しい当主になったという知らせを聞きたい。できれば室賀殿の口から、と。つまり、昌幸の死を望んでいる、と。今回は暗黒面担当のチームTOKUGWA、いいぞもっとやれ。 続いて真田信繁パート。梅たちに梅の待遇を説明する信繁。梅は側室としてしか認められないだろう。だが他に嫁をもらうつもりはないからほとんど正室だ。側室とは祝言などは挙げないものだが、あえてきちんとやろうと思う。「ほとんど正室」とか、このドラマのこの時点の信繁にとっては本心でしょうが、クヒオ大佐的ペテン臭がするセリフで笑えます。

次に、兄と父にデキ婚の承認を根回し。

信繁「梅は丈夫だからよい人質になります」
昌幸「あっぱれ!」

そこ!?

予想通り、薫だけ反対。そこで三十郎と佐助を動員した説得を試みる信繁ですが、佐助が「南蛮渡来の油」という、山国信濃には不似合いの、妙に都合のよい舶来品をこぼしてしまい、アロマ作戦失敗。

そこで薫説得に出張ることにした昌幸ですが、「祝言などやるわけない」と、適当なことを言っちゃいます。昌幸らしい。

梅の側室入りを知ってショックのきりですが、佐助が釣った鯉を持って堀田家に参上。精一杯祝いの言葉を述べるも限界に達し、外に飛び出して泣いちゃいます。ここまでは、少女漫画でありがちな展開。

そこへやってきた信幸。泣いてるきりに何を思うのかと思ったら、何と全く頓着しません。

信幸「源次郎はいるか? 源次郎はいるか?」

おい……。

そして、祝言はなしになったと一同に伝える信幸。ブーイングの嵐になりますが、梅が納得してこの話はおしまい。と思ったら、

作兵衛「わしはやりたいなぁ、祝言」
信幸「今やらない方向で決まったのだから!」

というわけで、祝言やるやらないという、割とどうでもいいことを繰り広げているうちに上田城完成。天正11年(1583年)になった、ということでよろしいか?

そこへ、正武が落成祝いに登場。家康に会っていたことをそれとなく聞いて、隠すかどうか様子を見ることになります。諜報戦はやはり出浦さんに限る。

さて、どのように探りを入れるのでしょう?

昌幸「そ~いえば~源三郎。室賀殿に尋ねたいことがあるそうだが」
信幸「私ですか?」

いきなりムチャぶり。ひどい。

信幸は助けを求める視線を信繁に送りますが、信繁は華麗にスルー。ひどい。

頑張れ信幸!

信幸「室賀様はいつも肌つやがよろしいが秘訣はおありですか」
正武「ない」

うわ信幸、どこに向かう気なの?

信幸「うなぎは肌によいそうですな」
正武「知らぬ!」

あ、何気に浜松に近づいた。

信幸「浜松ではよいうなぎが取れると聞いております。近頃浜松に行かれたようだがそちらでうなぎを?」
正武「浜松などここ10年行ったことがない!」

「黙れ小童」といつ言うのか、ヤキモキさせて結局放置プレイですか。三谷、やるなぁ。

上田城について昌幸に裏切られていることは分かってるはずなのに、幼なじみの情があるのか、やはりできないという正武。この人、やっぱいい人なんだよな。が、正信にプレッシャーをかけられ、断れない立場に追い詰められます。

正武が逡巡する一方、家康と正武が昌幸暗殺を企てていると見抜いた出浦は正武を仕留める算段を始めます。そこで彼が立てた策は、信繁に祝言を挙げさせ、正武を招待するというもの。前半の祝言やるやらないコントがちゃんと生きてくるのはお見事。

こうして陰謀渦巻く祝言開催決定。信幸は、ゴホ嫁に信繁監視と広間に足止めすることを依頼します。ゴホ嫁、見せ場ありか?

祝言も宴たけなわになったころ、昌幸は正武を囲碁に誘います。同じころ、正武が連れてきた徳川の刺客は出浦があっさり始末しちゃいます。さあ、緊張感が高まって参りました。

幼なじみが静かに碁を打つ別室。次の間に控える信幸。のぞき窓から様子をうかがう昌相と内記。いい感じの雰囲気になって参りました。

が、広間から逃げてきたきりがやってきて困惑する一同。焦る信幸。きりのこのウザさがたまりません。

広間では、信幸がいないことに気付いた信繁が、探しに行こうと腰を上げます。

ゴホ嫁、出番だ!

こう「これより真田名物雁金踊りをご覧にいれまする!」
信繁「姉上がですか!?」
こう「見てやってくださいゴホゴホ」

ゴホ嫁、いい仕事するなぁ。

別室では依然として張り詰めた緊張感。そして、昌幸が膠着状態を破ります。

昌幸「わしを殺しに来たのだろう」
昌幸「お主の負けじゃ。わしの家来になれ。さすれば許す」
正武「わしの前にはいつもお前がいたが、劣っていると思ったことはない」

正武が打った最後の一手で囲碁は正武の勝ち。

正武「わしの勝ちじゃ」

小刀を無言で差し出す正武。正武、ここは諦めて去るのか? と思ったら、さらに隠し持っていた小刀で昌幸を刺そうとして、返り討ち。

う~ん、何か物足りない。あくまでも「信繁の物語」だとすれば、蚊帳の外の置かれた信繁のラストの涙の方が重要なのかもしれませんが……もうちょっと掘り下げてほしかったところ。ベタでも、昌幸と正武の幼なじみ設定を生かした泣かせどころを盛り上げるとか、小童呼ばわりされ続けた信幸と正武の世代交代的な面を強調するとか、「やる・やらない」の緊張感をもっと煽るとか、もっと何かやりようがあったのでは。あらゆる面で中途半端な感じです。

暗殺シーン対決では、ダメダメ大河『軍師官兵衛』の城井鎮房暗殺の方が良かった。

一部始終を目撃したきりは、信繁を暗殺現場に案内しちゃいます。正武の骸を見て、祝言が開催された理由を悟る信繁。そんな連中の様子を見てきりが激高。梅のために怒り、泣きます。化粧したらオカメ度が増量した梅なんか、正直どうでもいいんだけどな……。

昌幸が沈痛な表情をしていたけど、1人取り乱して騒ぐきりにかき消された感じ。もっと昌幸の喪失感みたいなものが見たかった。梅とかどうでもいいから。

またも昌幸に利用されたことを理解した信繁は、梅のために泣いたのは自分ではなかったとサメザメ。そんな弟を見守るお兄ちゃんでした。

それから、正武さんが死んだということは天正12年(1584年)になった、ということでよろしいか?

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