大河ドラマ「真田丸」 第3回 策略 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/01/24 22:46

さあ、ついに大河クラッシャーまさみが参戦。恐怖のラブコメパートに俺は耐えられるのか? と、戦々恐々の第3回。真田昌幸の表裏比興スキル炸裂に感心し、信幸の扱いに同情し、あまりにも藤岡弘、な平八郎に複雑な想いを抱くなど、忙しい40分でした。

天正10年(1582年)3月、昌幸ご一行様は小県の真田の郷にご帰還。ここでついに、ヒロイン・きりが初登場。ああ、ずっと出てこなくてもよかったのにな。本作の不安要素の1つ、地雷原・長澤まさみです。

三木の干し殺しに巻き込まれ、全く頬がこけていない健康美をたたえながら兵糧攻めの悲惨さを語って笑わせてくれたり、ドラマ開始後に幸村の妹から姉に設定変更される(でもムリがある)スナックまさみのママをやったりと、大河ではイマイチ役に恵まれないあたり気の毒ではあります。が、演技力に難があるので擁護もできず、困った女優さんです。

取りあえず、初登場シーンは……目尻がシワシワ。年取ったな……。 昌幸は弟・信尹、矢沢頼綱、信幸とミーティング。今回も、次男の信繁は出席すら許されないという硬派な設定で好感が持てます。

ミーティングが終わり、出てきた信尹に話しかける信繁。数え16歳(満14、5歳)の少年っぽさを出すためか、足をバタバタさせたりする堺雅人を見るのがツライ。これについて文句はないのですが……ただただ、劇中年齢が早く成人になってほしい(何より堺雅人のためにも)と願うばかりです。

そして、叔父・信尹に、信尹のように信幸を支えたいと語ります。

信繁「叔父上は、私の鑑とするお方です。私も、兄にとって、そんな弟でありたいと思います」

いいセリフです。まぁ、お兄ちゃんに苦労を掛けてお兄ちゃんの寿命を削ることになってしまうわけですが。

そのころ徳川家康は高遠城に入り、織田信長をお迎えするため城のお掃除を監督。ここで本多忠勝が初登場。藤岡弘、そのままじゃないかという感じの、本人はいたってまじめなのにユーモアが漂うキャラです。嫌がる家康の心境など忖度せず、仁科信盛が自害した場所にやたらと案内したがります。

これはこれで面白いのですが、藤岡弘、の本領発揮的なところも見てみたいところ。『草燃える』で藤岡弘(当時は「、」なし)がやった三浦義村のすさまじい腹黒っぷりを思うと、藤岡弘、はもっとやれる子のはずです。

真田の親族会議でも織田につくことで意見をまとめた昌幸は、小県の国衆を集めます。が、主導権をとろうとする真田に反発する室賀正武。それに同調する素振りを見せる出浦昌相。こうして国衆ミーティングは決裂。

これを見ていた信幸さん。

信幸「父上が私欲を捨て、ここまで皆のことを思っていおられるのがなぜ分からんのでしょう」
昌幸「信長がわしを国衆の惣代と認めれば、小県はわしのものじゃったのに。残念じゃ」
信幸「私欲でございましたか

毎回、抑え気味に繰り出される信幸のツッコミが楽しい。

さあ、ついにラブコメパート開始です。これまでの家族コント以上に不安な要素だけに、きりが出てくるとつい身構えてしまいます。

きりが信繁を見つけて近づくと、信繁の視線の先には忙しく働く梅。それに気付いてムッとするきり……と、きりの心理描写が妙に細かい。

信繁は、桐箱入りの櫛を梅に渡してほしいときりにお願いします。「お前の分だ」ときりに渡した櫛は紙に包んだだけ。おいおい、あからさますぎだろ。

随分扱いに差がありますねぇ

きりに連れられて梅のところに行き、何とか箱を梅に渡す信繁。出てきた櫛は、明らかにきりに渡した物より高価そう。

随分扱いに差がありますねぇ。

覚悟していたラブコメパートですが、予想していたほどひどくなくて安心しました。長澤まさみはもっとウザキャラだと思っていたので、この程度なら耐えられそうです。

そこへ、室賀の民が真田の里山で枝打ちしているという知らせが入ります。信繁はもちろんこの騒動に介入。農民相手に経験値を稼ぎます。

昌幸は、いよいよ「表裏比興の者」的な活動を開始。単なる武田の忠臣より、この昌幸の方が圧倒的に面白いので楽しみです。

まずは、上杉景勝からの密書へのリプライメールを信幸に託します。が、この動きは真田の郷に入り込んでいた室賀と出浦の忍びに早速キャッチされてしまいます。

室賀と出浦の手下に襲撃される信幸と佐助。佐助は斬られ、景勝宛のメールも奪われてしまいます。メールを読んだ室賀と出浦は真田の二枚舌外交を確信。室賀は早速このメールを手土産に信長の下へ走ります。真田ピーンチ。

ミッション失敗に落ち込む信幸ですが、昌幸は全然平気。さらに、出浦の訪問にビックリ。景勝からの密書は存在せず、リプライメールは室賀から信長へ届けさせるため意図的に奪わせたもの、佐助も無事、全ては真田が人気物件だと信長に思わせるための芝居と知らされ、信幸愕然。

父に図られたと知り、嘆く信幸が不憫です。こりゃまた寿命が削られましたね。父と弟に苦労させられ、92年しか生きられなかったんですから。

「死ぬ間際に家康をビックリさせただけ」の信繁と異なり、多くの戦で武勲を挙げた名将・信幸も、まだ数え17歳(満15、6歳)。きっと今後、かっこいいところも見られるでしょう。というか、信幸というか信之は信繁なんかよりずっとスゴイ武将なので、ちゃんと活躍させてください。

一方、信繁は農民バトルの帰りに茂誠を発見。ひとまず堀田作兵衛の家にかくまいます。裏切り者の小山田一族という微妙すぎる立場ゆえ、困惑した信繁は信幸を頼ります。信繁から茂誠の帰還を知らされた信幸は激怒。自分で腹を切らぬなら斬り捨てると、抜刀します。ここで、顔の筋肉を振るわせて感情を抑えている大泉の演技が素晴らしい。

翌日、信長からメールが着信。信繁に同行を命じ、同行を希望する信幸には「ならぬ」と拒否。ここでもないがしろにされていると感じて激高する信幸ですが、昌幸に何かあった場合の後事を託され、嫡男としてのアイデンティティを取り戻します。

この構図がまた、「犬伏の別れ」そのもの。犬伏の別れでは、目から汁が吹き出そうだなぁ……。

今週の戦国史:頑張れ武田家


ちょっかいを出してくるウザい長尾景虎をシメ、越後の大半を領有。南下してきた伊達と不戦同盟を結び、返す刀で北条を滅ぼし、佐竹と開戦。関東の大半を切り取ったところで、恐れていた「武田包囲網」が発動します。



「戦国史」というゲームは、最大勢力に「包囲網」が発動します。すると、不戦同盟締結済みであっても、周りの勢力が全て敵になってしまうのです。武田は立地的に多正面作戦を強いられるので実にツラい。

東北を平定した伊達は、武田領に南下してくるだけ。「包囲網」ルールにより不戦同盟は結べないので、戦うか、伊達が攻撃してこれないくらいの兵力を国境に展開するしかありません。一方、西からは近畿を押さえた筒井が美濃を平定しつつ南信濃に迫ってきます。
また、このゲームで多正面作戦がツラいのは、プレーヤーが直接指示できるのは「当主がいるエリアと、その隣のエリアだけ」というルールがあるからです。つまり、エリアA、エリアB、エリアCが並んでいたとき、エリアBに当主がいれば全てのエリアに指示を出せます。しかし、エリアAにいた場合は、エリアAとエリアBにしか指示できません。

というわけで、我らが武田信玄は、あるときは越後、次は下野、次は中信濃と、領国を飛び回ることに。指示できないエリアの統治をコンピュータに任せる「軍団」機能もあるのですが、内政はともかく軍事行動を任せるには圧倒的な兵力と経済力を軍団に与える必要があります。この段階では直轄軍の維持だけでギリギリなので、軍団には内政だけ任せるしかありません。

2016年 大河ドラマ「真田丸」キャスト(配役)
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