大河ドラマ「花燃ゆ」 第38回 届かぬ言葉 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/09/20 20:43

すっかり、美和さまと横取モトピコがイチャイチャするシーンの合間に話が進むという、ヘンテコなドラマになってしまいました。ただ、これまで「横取モトピコのおかげ」状態だったのに、木戸に無能扱いされたところだけが救いでした。

明治2年(1869年)毛利敬親の隠居により銀姫が奥御殿の頂点に君臨。銀姫が、潮の次席に着くように美和さまに命じると、美和様は遠慮なさいます。

はてはて、前回「私に代替わりしたらお前(美和)に奥を取り仕切ってもらう」って銀姫に言われてその気になってたのに、一体どうしたことでしょう。みんなの前では慎ましく謙譲の美徳を発揮ってことですか? いやな女だな。

こうして奥御殿を取り仕切るご身分にご出世あそばした美和さまですが、「偉ぶってませんよ」アピールのためか、畑仕事に精を出します。すると、早速鞠が引っ掛かります。

鞠「美和さまは少しも変わりませんね」

ある意味、松下村塾でおにぎりにぎってたころから、全然成長してませんしね。

この「ちょっとした家庭菜園」の収穫を、病床の大殿にデリバリー。そのついでに、都美さんとお話。まぁほとんど美和さまが一方的にベラベラしゃべってるだけでしたが。そのときの都美さんの、退屈そうな顔が笑えます。分かります、ホントに退屈でした。

美和「兄の松陰をはじめ、久坂も大殿様にはひとかたならぬご恩をいただきました」

久坂がなぜ死んだのか、大殿をサシで問い詰めるんじゃなかったの? 一方、毛利元徳は政府の兵制改革命令に困惑中。

横取モトピコ「新政府の命がなくとも長州の財政を立て直すためにはいつか片付けねばならぬ問題」

と、偉そうに進言します。見ての通り、具体論が何も含まれていないスッカスカなセリフですが。コイツは、いつも役に立たない正論を吐くだけなので仕方がありません。

美和さまはというと、先々を見通しになる聡明さを発揮し、奥御殿閉鎖を見越したプラン作りを銀姫に進言して不興を買います。美和さまもまた、「考えるべき」と言っているだけで、具体論は何一つ提案できてません。

この2人の言ってることは、会社の会議で「売上を伸ばすべき!」って言ってるのと同じなんですよね。

するとなぜか、横取モトピコは妻の妹に、諸隊の解散決定をご報告。私は妻のお姉さんに「会社の来年度の売上目標が決まったんですよ」とか、報告したりしませんけどね。そもそも妻のお姉さんとツーショットで会わないのですが。

美和さまはというと、解散しても戻るところのない奇兵隊士の実情にやたらと精通。さすが、武家の妻女でありながら一時期、奇兵隊の飯炊き女に身を落としただけのことはあります。ああ、あのバカげたエピはこのときのための伏線だったんですね(棒読み)。

ところで、諸隊がやり玉に挙がる事態になって、美和さまは敏三郎のことを心配しなくていいの? 彼が死ぬのは明治9年だから、明治2年現在はまだどこかで生きてるはずなんだけど。そもそも戦時だった長州征伐時でさえ、姉の夫を心配して右往左往することはあっても、弟を気遣う素振りは一切見せませんでしたが。

横取モトピコが諸隊の行く末に心を痛める振りをして妻の妹とキャッキャウフフしていると、諸隊に解散命令が下されてしまいます。

コトの拙速さに激怒する横取モトピコですが、それなら妻の妹とイチャイチャしてないで具体論を出せばいいのに。「あぶれた者を一日も養っておける余裕はない」というのが解散急進派の主張なのだから、それを止めたければ養える代案を出さなきゃ。どの会社にも、1人はこういう反対だけして具体的な代案は絶対出さないクズっていますね。

藩の解散命令に反発した諸隊は、会津藩初代藩主にして山内一豊の家臣、有岡城の牢番でもあり、あるときは梶原景時、またあるときはは真田幸村でもある男、雲仙を中心に集結します。そこに取りあえずやってくる横取モトピコ。

横取モトピコ「本来なら事前に納得のいくよう説明いたすべきところ手違いがあった」

と、まずは詫びから入って機先を制する横取モトピコですが、諸隊の課題は「次男三男は戻るところもない」ってことなので、事前に説明しても何の解決にもなりません。

横取モトピコ「必ず善処いたす」

安請け合いしますが、具体策はこれっぽっちも持ち合わせていません。こうして発展性のない交渉をしている間に、萩から援軍が向かっているとの知らせが入り、開始して脱走兵たちの態度が硬化。横取モトピコは再び藩庁に戻ります・

美和さまは敬親たちに退去を願い出ますが拒否られ、防衛体制の指揮を始めます。さらに、園山の下知で奥女中たちが持ち場に着きます。薙刀を持ってキメ顔で並ぶのはいいのですが、配置が偏りすぎ。奥女中が何人いるのか知りませんが、あの密度で配置したら女中がどう考えても足りないのでは。

藩庁&奥御殿が役に立たないことをやっている間に、明治3年(1870年)1月、2000人の脱走兵が藩庁舎を包囲します。

諸隊の言い分を聞いてくれと元徳に頼む横取モトピコ。

横取モトピコ「先の戦で負傷した者や年老いたものなどの救済を求めておるだけでございます」

あれ、いつのまにそういう話になったの? じゃ、元気な者はリストラでOK?

横取モトピコが無策に右往左往しているため、木戸孝允が鎮圧軍を率いて山口に進撃することを決断して事態はさらに悪化します。

奥御殿も当然のことながら緊張感に包まれていなければならないはずですが、あっさり諸隊士の侵入を許してしまいます。園山に昼も夜も怠るなと言われてキメ顔で薙刀構えてた女中たちはどこに行ったんだ。夜はのんきにおねんねですか? それとも、やはり一カ所に異常に女中を配置したために他の場所はスカスカだったとか? いずれにせよ、奥御殿の温などもばバカばかりだなぁ。

こうして、美和さまと諸隊士のとってつけたような交流シーンスタートです。つまらないので適当に聞き流していたのですが、この侵入者に「だけ」おにぎりを振る舞い、内容のない会話をしていたようです。

横取モトピコもまた、「話を聞け」としか言わないせいで若殿にすっかり嫌われてしまいました。そこで、病床の大殿を担ぎ出すことに。若殿の面目は丸つぶれです。

それでも、「私が楫取の言葉を最初から素直に聞き入れておれば」と自ら反省する若殿(横取モトピコたちも若殿を見習うべき)。そもそも、具体論を出さなかった横取モトピコが悪いんですけどね。聞く価値があるほどの意見をそもそも言っていないのですから。

大殿の出馬で丸く収まりかけたそのとき、カラスにビビった諸隊士が発砲。それをきっかけに木戸が攻撃命令。何だ、この幼稚な展開。

挿入される花、鳥の羽、燃える着物などの映像。演出家の自己満足感があふれ出しているのが手に取るように分かり、非常に気持ちが悪い演出でした。

安上がりなイメージ映像で、脱走兵の鎮圧完了。たたずむ木戸を責める横取モトピコ。

木戸「私は、あなたなら何とかしてくれると信じとったんですよ。このような事態を起こさんためにあなたは萩に戻ったんじゃないんですか」

具体的な解決策を提示することもなく、若殿と脱走兵の間を右往左往するだけの無能でしたからねぇ。

木戸「共に戦こうてきた長州の兵たちを討伐することになろうとは」

この言葉に切なそうな表情を浮かべる横取モトピコですが、木戸の苦悩の方が感じられました。相変わらずわずかな出演時間でしたが、ヒガシやるじゃん。この場面の東山の演技はとても素晴らしかった。

しかし、本当につまらないドラマだなぁ。お粗末先生参戦のニュースを見たときから、最終回に使おうと思っていたのですが、もういいや。ここで使っちゃおう。


わしはこんなドラマ
みとうはなかった!
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  /三人
  /三/ハソヽ
 /三ノ・ω・)>
 /////yミミ
  し─J

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