大河ドラマ「花燃ゆ」 第47回 姉妹の約束 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/11/22 22:30

「つまらない」→「くだらない」→「気持ち悪い」と、たゆまぬ進化を続ける「花燃ゆ」。美和さまが県令の職務を代行するに至り、もうどうしようもありません。グンマーは楫取ック信者であふれ、モトピコが薄っぺらい演説をするだけで大賛成。もうどうしようもありません。本当に気持ちが悪いドラマです。

まずはアバン。横取モトピコと美和さまの捏造顕彰プロモーション映像からスタート。前回のくだらないエピをもう一度見せられるのは苦痛です。さらに、「県令殿の言葉が胸に響いたと」という、私の胸には全く響かない安っぽい「何か物事がうまく回り始めた」感に溢れる映像が続きます。モトピコの満足そうな笑顔がとにかく不快です。

美和さまは生糸作りを放り出し、突然女性向けの学び場作りを始めます。こっちも、異常に気持ちの悪いポジティブな雰囲気です。

こうして、無価値なアバン終了。 美和さま、寿を見舞うため学び場作りを放り出して東京へ向かいます。東京の楫取家には使用人がちゃんといるようです。グンマー県令の屋敷にはなぜいないのでしょう。複数の大名領+天領を合わせた領域を治めるグンマー県令が使用人1人いない異常さが、あらためて浮き彫りになります。

群馬では生糸の相場が下がって大騒ぎ。グンマーの生糸関係者の問題が、なぜか日本の命運にすり替えられていて笑えます。あくまでも「グンマー=日本」という変な理屈を押し通すつもりのようです。正直、生糸の話はどうでもいいんだけど。

アメリカでは、新井領一郎がリチャードソンと生糸の売買契約をまとめます。よかったね。ところで、リチャードソンをはじめアメリカ人がそろいもそろって室内で帽子を被っているのはどうしたことか。自信がないのでちょいとググってみたところ、文二郎帽子店さんのページを発見。そこにはこうあります。

引用:もしその人物が家の中に入って来て、帽子を脱ぐようなら真の紳士。帽子を脱がないのなら紳士のふりをしている男

この浅いドラマに「リチャードソンは紳士のふりをしている男だから帽子を被ったまま」などという考えがあるとは思えないので、単にドラマ関係者自身が「紳士のふりをしている男」ぞろいなのでしょう。ドラマの出来を見れば、とても納得できます。

が、ヨーロッパ市場で生糸相場が高騰。阿久沢としてはリチャードソンとの契約より高いヨーロッパ市場に出荷したいところですが、横取モトピコがストップを掛けます。「10年後、100年後のグンマーというか日本のためにリチャードソンの契約を優先しよう」と、ヒップがブルーなきれい事を語るモトピコ。いちいち日本全体の問題に話をすり替えるところが浅ましい。

すると、あんな薄っぺらい演説に賛同者多数。もはや「楫取ック教」と呼ぶべきレベルの洗脳っぷりです。気持ちが悪い。

学び場作りを放り出した美和さまは、毛利邸を訪問。そこで、かつてお世話を放り出した興丸(毛利元昭)と再会。無内容な会話で時間を浪費します。安子さんは、慈善事業を開始。この人を主人公にすればよかったのに。

美和さまは東京までフラフラやってきた成果として、寿から「モトピコの側にいる大義名分」をあらためてゲットします。

こうして舞台は再びグンマーへ。生糸の納期に間に合わせるため、工場周りをするモトピコ。「グンマーの、日本の」と、イチイチ「日本」を引き合いに出すところが鬱陶しい。

学び場作りを放り出した美和さまが働いていると、せいや工藤が手伝いに駆け付けます。「美和さん、私たちも手伝います」って、まるで美和さまがここの責任者かのようです。

せいの一言で協力に転じた阿久沢のおかげで、発注量をクリアし、無事出荷。特にカタルシスもなく生糸初受注エピ終了。

一段落したことだし、寿の見舞いに行けとモトピコに進める美和さま。が、囚人たちの見廻りもあるから行けないというモトピコ。すると、美和さまが「私が代わりにやる」と言い出します。もう、何が何だかさっぱり分かりません。政府から派遣された県令の職務を、県令の妻の妹にすぎない美和さまが代行ですか? 続いて、美和と一緒に後のことは面倒をみておきますと言い出すせい。アンタ、県の職員ですか?

モトピコ不在の穴を埋めるのは県庁職員じゃないんですか? 権県令とか置いてないのか? グンマーはモトピコの個人経営の企業じゃないんですが。コイツら、というかお粗末先生は「公私の別」って言葉を知ってるのかな。

こうして、囚人の作業を偉そうに見回る美和さま。コイツ、何様のつもりでしょう。県令の妻の妹にすぎないのに。

東京の楫取家では、寿がご臨終。美和さまが出しゃばらなかったのは非常によかった。今回、一番評価できるポイントです。そして、優香お疲れ様。この無価値なクソ脚本&起き上がったまま臨終というクソ演出ながら、よく頑張った。しっとりとした演技もできるし、また時代劇で活躍していただきたいものです。

グンマーでは、寺子屋みたいなショボイ学び屋を完成させた美和さまがドヤ顔。ここで、阿久沢の女工たちに対するように、「女今川」を教科書にして浅い学問を教えるんでしょうか。一方、『八重の桜』では「同志社」を作って英語教育。ちなみに「女今川」は否定してたけどな!

そのとき、寿の声を聞く美和さま。

寿「美和、思うた通り、おやりなさい」

昔からやりたい放題ですが。

東京では、久米次郎がモトピコに寿の遺言レターを渡します。屋敷で受け取ったのに、なぜか馬車の中でそれを読むモトピコ。屋敷にいる間に読めばいいのに、あいかわらずこのドラマの登場人物は行動が不自然で笑えます。

「美和を妻にせよ」という寿。再婚の大義名分を先妻から直々に頂戴します。実に浅い展開ですね。お粗末先生らしい、期待を裏切らないお粗末さでゾクゾクします。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
もご利用ください。