大河ドラマ「花燃ゆ」 第34回 薩長同盟! 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/08/23 23:00

今回は、幕末の大転換点である薩長同盟。薩摩に頭を下げたくないが助けは欲しいの葛藤……はちょっとだけ。何と、薩長同盟に反対する美和さまにご納得いただく話が中心です。美和さまに対する嫌悪と憎悪がさらにかき立てられる、腐臭が漂う汚物のような回に仕上がっております。桂のシーンと椋梨のシーンは良かったので、実に残念です。

あり得ない捏造エピによって守り役に成り上がりあそばした美和さま、衣装もグレードアップしてご満悦です。生まれたばかりの興丸の子守歌は、あろうことか孟子。美和さまどころか、銀姫やほかの女中どもまでが唱和するという薄気味悪い子育て場面を見せられます。

そこへ、都美さんがやってきます。通りがかっただけかと思えば、「話があって参った」とおっしゃいます。

はあ? 現当主のご正室ともあろうお方が、嫁と女中に用があって「参った」ですと?

いやいやいや、用があったら「召せ」よ。このドラマのスタッフは、江戸時代の作法に無頓着でいらっしゃる。適当に作ったドラマでギャラがもらえるのだからうらやましい。

都美さんが去った後、銀姫、美和、潮らのガールズトークを通して、異常に説明口調が笑える状況説明を展開。ここでも大したことはやっていない小田ムダの名前を強引にねじ込んできて、さらなる笑いを誘います。 こうして、太宰府の小田ムダパートへ突入。御所に大砲を撃ち込み朝敵になり、朝廷の命で長州征伐している幕府と戦う、つまり朝廷に刃向かうというのに「尊皇の義を貫く所存にございます」と、ムダに偉そうな口を叩く小田ムダです。そんなに尊皇なら詫びを入れろよ。この朝敵が。ひたすら恭順した椋梨の方がはるかに「尊皇」です。

が、ムダに偉そうな小田ムダの態度は五卿に通じず、困惑していると坂本龍馬に声を掛けられます。小田ムダが太宰府で龍馬に会ったのは史実なので、珍しく捏造ではありません。小田ムダが歴史に関わった、非常に非常に数少ない、ごくごく希な貴重なエピです。

それはともかく、大沢たかおはどうしても龍馬と出会う運命なんだなぁ。

さあ、ここから俺たちの美和さまに対する殺意を抑えるのが非常に困難な、不快で不快で不快で不快で不快で不快でたまらない時間の始まりです。

突然、奥御殿にやってきた春風ちゃん毛利元徳に目通りを願います。こうして元徳の部屋に通された春風ちゃん。なぜか興丸の守り役風情の美和さままで同席します。

春風ちゃん「その節は、雅が世話になった」

何か、いつの間にか消えてたけどな!

今後のプランを語りつつ、軍備のための手段として薩摩との提携を口にします。元徳と春風ちゃんが、具体的な懸案事項を挙げながら建設的に話し合っている側で、何か言いたそうに口をへの字に曲げている美和さま。

こんな女に、親しく声を掛けて意見を聞いてやる元徳。こんな女の相手をしてはいけません。

美和「あのとき、京で皆、逝ってしまったというのに。もうきれいさっぱり忘れて、次の一手でございますか。さすが長州一の英雄」

皮肉を言い出す美和様。うぜー。さらに、主君のご前でグダグダと文句を垂れ流します。高杉とのツーショットならともかく、場を弁えろ。このバカ女。何様のつもりか分からんが、政に口出しするとは増長も甚だしい。

さらに、春風ちゃんが芸妓(おうの)の下に身を寄せていると聞き、またイラっとする美和。うぜー。お前、何様のつもりなんだ。

ここで、ノベライズには下関に戻った高杉が、利助&おうのと楽しくトークしつつ、刺客に気付いて逃げ出すという場面があります。

そして、出石に潜伏していたズラじゃない桂が藩政に復帰。早速、龍馬に会うために下関に向かいます。ノベライズには、「龍馬とは面識がある」と語りつつ、実際の会うとわざと「はて。覚えがないが」などととぼけるなど、駆け引きをする桂の様子があるのですが、さくっとカット。ドラマは虚勢を張るところから始まります。史実では、桂へのメールで「龍馬にあうべき」と勧めただけの小田ムダがちゃっかり同席。大したことをやっていないザコを主役格にすると、話を盛るのが大変ですね。

山口に戻った小田ムダは、早速義妹と面会。野山獄を出た後、寿と再会する場面はカットしたのに、義妹とのツーショットは何が何でもぶっ込んできます。

そして、なぜか奥御殿の守り役ごときに薩長同盟の可能性を語る小田ムダ。笑えます。これを、口をへの字にして聞く美和さま。

小田ムダ「薩長同盟。同意できんか」

奥御殿の守り役ごときの同意なんかどうでもいいんですが。

美和「長州は薩摩の手を借りねばならんほど追い詰められとる。そういうことですか?」
そうだよ。

「姉の夫」に会いたくて見苦しく右往左往したり椋梨に逆恨みの繰り言を垂れるなど、緊張感のないくだらないエピを展開してるけど、長州はそれどころじゃないんだよ。自分の視界内のことしか関心のないおにぎり女には分からないだろうけど。

美和「賛同しかねます」

お前の賛同なんかいらない。誰か、この不愉快な女を手討ちにしてくれ。

美和さまのことは何でも許しちゃう義兄・小田ムダは、突然椋梨の話を始めます。野山獄の椋梨に、偉そうに説教を垂れます。このドラマの小田ムダは、自分から椋梨にすり寄って椋梨に引き立ててもらったのに、突然裏切って失脚させるという外道なので、お前が言うなって感じですが。

とにかく、このドラマの小田ムダさんは常に自分が正しくて、自分の考えに賛同しない相手を「熱をどうなさる」など、意味不明あるいは抽象的な精神論的でケチを付け、対案は何も出さないという役立たずなので困ります。

一方、彼なりにビジョンを持ってプランを立て、実行してきた椋梨さんは、史実通りの態度を示します。

椋梨「私と共に捕まった11人は何の罪もない。私1人を罰せよ。全ては私の独断。私1人を斬首せよ」

小田ムダ「じゃから決めた。許し、最後の望みだけはかなえてやろうと」

小田ムダ、お前何様なんだ。偉そうに。

そして、斬首される椋梨。内藤さん、お疲れ様でした。素晴らしい椋梨でした。あなたがいなくなるのは残念ですが、クソドラマからの脱出、おめでとうございます。

そんな折り、美和さまへ父の訃報メールが届きます。「美和はもう心配ない」と、安心して旅立たれたご様子。しかし、百合りんはしらない。座敷牢から脱獄(銀姫から出してもらったにせよ)してまで「姉の夫」に会いに行ったのに、銀姫から普通に宿下がりの許可を得たにもかかわらず父の見舞いには行こうとしなかったことを。

場面は再び下関。西郷隆盛にドタキャンを食らい、龍馬の制止を振り切って退出する桂。が、キレたのはポーズだけで、冷静に薩摩に探りを入れている桂。これまでひたすら冷遇されていたのに、唐突に桂の描写が丁寧になりました。

薩長同盟に消極的な態度のズラじゃない桂に対し、積極的に同盟を結ぼうとする小田ムダ。何だ何だ、今度は「桂より小田ムダの方が正しかった」って捏造する気か。

続いて元徳の部屋に招かれた桂。美和さまとはこれが初対面。ちなみに、この2人は一瞬だけ縁談が生じた仲でもあります。

元徳「美和。こたびの同盟、お前はどう思う?」

はあ? 守り役ごときの意見なんかどうでもいいだろ。この問題は、「男だから、女だから」という話ではなく、判断に必要な情報と各種の知識をどれだけ持っているかという話。幕府の軍事力、諸藩の情勢、長州の経済や軍事力、戦争指導力、兵器の性能、その他もろもろ。俺たちの美和さまに、判断材料があったとは思えません。

で、答える能力のない人間に質問するヤツも頭が悪い。

すると、とりとめのない自分語りを始める美和さま。何が言いたいのかさっぱり分からないし、分かる努力をするつもりもないのですが、取りあえずなんかしゃべっていたようです。どうせ取るに足らない抽象論を垂れていただけでしょう。

慶応2年(1866年)1月、京の薩摩屋敷。割とテンプレ的な薩長同盟締結エピが展開されます。とにかく、ここに小田ムダが出しゃばらなくてよかった。さすがに、無能ぞろいのドラマスタッフどもでも、ここで小田ムダ無双をやらかすのは恥ずかしかったようです。

ノベライズには、今回からちょいちょい大村益次郎の名が登場するのですが、ドラマでは影も形もなし。ま、今さら出ても出なくてもどうでもいいのですが。

一方、奥御殿では小姓選びというどうでもいい話が決着します。周布家、高杉家、椋梨家から小姓を推挙。椋梨の名に都美姫ビックリ。これで美和さまの逆恨みも昇華されましたよ、と。よかったね。

例によって奥御殿がいい感じになっていますが、第二次長州征伐が決定。朝敵長州はこれを「四境戦争」などと勝手に呼称してますが、「第二次長州征伐」で十分でしょう。

が、高杉は肺結核の兆候。ドラマでは、ここでちらっとおうのが登場。「一応出しときました」感があからさまで笑えます。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
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