大河ドラマ「花燃ゆ」 第30回 お世継ぎ騒動! 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/07/26 23:12

今回は、「お世継ぎ騒動!」などと言いつつ、実際は美和が高杉に危機を知らせるために奔走するという、くだらないお話。これと並行して、既に懐妊しているはずの銀姫の苦悩という、馬鹿げた話が展開します。1回分まるごとカットしても誰も困らないような悲惨な回でした。

元治元年(1864年)、政務役に返り咲いた椋梨により、小田ムダの実兄・松島剛蔵が野山獄入り。次週予告で、「まるで小田ムダが斬首されるかのような映像」がありましたが、高杉の挙兵に際して野山獄で斬首されるのは、この松島剛蔵。浅ましいミスリードですね。いっそ、この鬱陶しい小田ムダの首も跳ねてほしいと切に願うところではありますが。

こんな感じで、男たちの世界では第一次長州征伐に伴う政変が続いているわけですが、奥御殿ではおはぎ量産大会です。みんなでおはぎをコロコロ。おめでてーな。

銀姫は自分の代理として、「またもやなぜか」下っ端の美和さまをご指名なさいます。何が何でも美和さまを絡めたいんですね。そして、そのおはぎを食べる元徳が超絶味覚を披露します。

元徳「これは姫のおはぎではない」

何と。 元徳「これを作ったのは誰じゃ? このようにうまいおはぎを食べたのは初めてじゃ。これは姫には作れぬ。姫の腕ならよう存じておる」

こんなくっだらないエピを捏造してまで落とされる銀姫哀れ……。

しかも、いろいろと疑問が湧いてくるエピです。アンコの味付けから美和さまが一括で担当したならともかく、映像ではどうみてもその他大勢の1人にすぎません。そして、どうみてもコロコロと(餅米? 餅?を)丸めてアンコで包む作業をしていただけのように見えます。この程度

誰が作っても同じだろ

これで作り手の差が分かるとしたら、元徳の味覚が異常に敏感なのか、美和さまか銀姫のどちらかが手の平から「何かワケの分からない物」を分泌していたとしか思えません。まぁ、死んだ祖母が作ったおにぎりは祖母製だとすぐ分かりましたけどね。石けんで手を洗った後、ちゃんとすすがなかったらしくて石けん臭かったから。

また、あれだけ作り手がいたのに、若殿がお食べになるおはぎがよりによって新参者の美和さま製だったというのも不自然。この奥御殿、脇が甘すぎないか?

全くもってひどいクソエピでした。

このドラマの真の主人公、我らが小田ムダは、椋梨ら俗論派の取り調べを受けます。この情報を誰から聞いたのか、美和さまに伝える鞠。やたらと情報の風通しがいい奥御殿ですね。

早速高杉のピンチを知らせるメールを作成しますが、SMTPサーバの認証に拒否られメール送信失敗。あせる美和さまに、それとなく情報を流してくれる美鶴さん。これは裏がありますぜ。相変わらず思慮が浅い美和さんは踊らされちゃいますが。

メール送信手段を求め、あせる美和さま。「(駒バトルに)勝ったら望みのものを取らせる」という銀姫に、早速浅ましく食いつきます。

美和「おそれながら、私に。ぜひ」

女中「控えよ! お次風情がずうずうしい」

全くです。

銀姫「わきまえよ。ぞうきんがけでもしておれ」

全くです。溜飲が下がる思いです。

銀姫「私はお前がきらいじゃ。懸命になれば思いは必ず通じると信じておる」

何と、銀姫におかれましては、私と全く同じお気持ちでしたか。松陰といい美和さまといい、この考え方気持ち悪いんですよねー。

一方、外でも気持ち悪い連中が湧いてきました。品川弥二郎野村靖が高杉家を家庭訪問し、小忠太に無礼きわまりない言動を繰り広げます。

野村「晋作殿に天誅を下すまで、我らここを一歩も動きませぬ」

うぜー。視野狭窄と独善だけでできたようなクズどもの、何と見苦しいことか。早く死ねよって感じですが、残念ながらコイツらは生き残って華族になっちゃいます。

そして、ようやく小田ムダも野山獄に投獄されます。椋梨、コイツの首をはねろ!

何とか外部と連絡を取りたい美和さまは、羊羹作りを提案します。羊羹作りのベネフィットとして、夫婦円満・お世継ぎ誕生を挙げて潮にプレゼン。この安っぽい口車に簡単に乗せられちゃう潮……。

文之進のときといい、美和さまと話すと相手は頭が悪くなるようです。

美和さまが潮を抱き込んだことを見抜く銀姫ですが、やはり美和さまの意味不明というか内容のないトークに乗せられてしまいます。

文之進のときといい、潮のときといい、美和さまと話すと相手は頭が悪くなるようです。

こうして、朝敵となり藩存亡の危機のさなかに、羊羹作りを始めます。おめでてーな。

松陰の命日である10月27日、銀姫が都美子に羊羹を進呈。都美子が褒めると美和さまを呼び、褒美を取らせたい。「兄の墓前に供えたい」と希望。そして許されるという茶番を展開します。眠いけど頑張ります。

杉家には、いかにも何かありげな羊羹が届きます。その絶好のタイミングで踏み込んでくる武井壮。美和さまの言動には監視が付いているのでまぁいいのですが。

羊羹の箱に密書が仕込まれているのではと疑うところまではいいのですが、真ん中の羊羹を上げただけで捜査終了。いやいや、そこまでやるんだたら他の羊羹もあらためたら?

そして種明かし。杉家宛ての羊羹はブラフで、高杉家にはメール入り羊羹が銀姫から直送されていたのでした、と。はぁ、そうですか。すごく……どうでもいいです。

普通に、高杉の機知と機転で九州に逃げる話が見たかったな。美和ごときとは無関係に。

俺たちの美和さまのおかげで椋梨の手を逃れた春風ちゃんは、のんきの野山獄の小田ムダを訪ねます。こんなのほっといて早く逃げろよ。

常に無謬で「俺は何でも知っている」って顔の我らが小田ムダさんは、春風ちゃんに倒幕と雄藩同盟構想を開陳します。まだ維新三傑ですらたどり着いていないレベルに真っ先に到達しちゃいました。さすが、維新一万傑の1人と言われるだけのことはあります。

場面は再び奥御殿。結局、元徳には羊羹をあげなかったのに、なぜか元徳のお渡りがあり大喜びの銀姫。「お世継ぎ騒動!」などという、頭の悪い(特にエクスクラメーションマーク)タイトルから、このお渡りが「特別な一夜」のように見えます。

けど、見えるだけです。

このお渡りがいつなのか、ドラマでは明確ではありませんでしたが10月27日よりも後であることは明白。ちなみに、長男・元昭が生まれるのは翌年2月7日。

お渡りの時点で、銀姫のお腹には約7カ月の元昭がいたことになります。羊羹で夫婦円満なんて全然必要なかったんですが。

この後、美和さまが高杉の逃亡幇助を疑われると、銀姫が庇います。ここで「子ができた」と大発表。え、今まで分からなかったの?

このワケの分からない展開の中、「おはぎのおかげ」と、1人で勝手に納得する都美子さん。結局、逃亡幇助の件はうやむやのまま無罪放免となったのでした。

何だこれ。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
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