大河ドラマ「花燃ゆ」 第27回 妻のたたかい 感想
カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/07/05 22:45
幕末の大イベント、禁門の変は短時間であっさり終了。見どころは一切ないという潔さにすがすがしさすら感じます。本作が力を入れたのは、ポンコツ玄瑞の死を逆恨みして、意味不明な演説を繰り広げる文さまの醜態。小田ムダも、その演説を拝聴するために長崎から駆け付けて笑いを提供します。あまりのくだらなさにささくれた私の心を癒やしてくれるのは、このドラマの良心である椋梨夫妻だけだったのです……。
熱血来島、ついに花園出場御所に突撃。そこへ、とんがりコーンを率いた西郷が登場。鉄砲の斉射で来島はあっさり死亡。禁門の変の立役者、来島のぞんざいな扱いに失笑してしまいました。それでも、死に様が描かれただけでもマシというべきでしょうか。
ポンコツ玄瑞は堺町御門へ到着。棒の汚名返上のチャンスですよ。さあ、バシっとキメてください。
ポンコツ「いくぞぉ~お」
恥の上塗りしただけでした。発声練習、一からがんばろうね。
撃たれるものの、鷹司邸にたどり着いたポンコツ。鷹司輔熙に嘆願するものの、冷淡な輔熙。
輔熙「なにゆえ御所を戦場にしたのじゃ」
全くです。鷹司さんは邸宅を砲撃されるし、ポンコツどもに切腹されて汚されるし、お気の毒です。ま、焼けちゃうから関係ありませんが。 進退窮まったポンコツさん。が、
入江九一「あなたは生きなければならない人です」
いや、死んでくれ。というか、久坂玄瑞はともかく、「この」ポンコツがここまで慕われる理由が分からない。このドラマに、そんなシーンあったっけ?
ポンコツに後事を託された九一ですが、品川弥二郎を逃がすために敵に切り込んで討ち死に。『八重の桜』の須賀貴匡といい、禁門の変は仮面ライダーの墓場だぜ。
切腹を決意したポンコツは、俺たちの文さまを思い出します。ここで意外な事実を再確認。
実は最近、文さまがブサイクに見えて仕方がありませんでした。脚本の悪さに起因するクソ女っぷりにいらつく私の心証が影響しているのかと思っていたのですが、娘時代の文は普通にかわいい。
「眉」が違う!
娘時代の文さまは、眉が薄いのに対し、最近の文さまは真っ黒クッキリのゲジゲジ太眉毛。この眉のせいでブサイクに見えていたのでした。
ポンコツ「しくじってばっかりの人生じゃったが、四季はあった。あとは皆が志をつないでくれる。お文、俺は生きたぞ」
本当に失敗で塗り固められた人生でした。
・攘夷を気取って外国船を無差別砲撃したらボコボコに反撃される
・尊皇を気取っていたら天皇に嫌われ、京から追い出される
・兵を率いて御所に突撃し、ボコボコに反撃される
成功したのは、公家(のごく一部)との交際と放火と長井を切腹させたことくらいでしょうか。
朝敵長州がなぜか政権を取ってしまったので久坂も顕彰されましたが、そうでなければ普通に「弁舌くらいしか能のない、大局観のない医者坊主」という評価で終わったのではないでしょうか。
ポンコツと寺島、刺し合って死亡。がんばって盛り上げようとしていたようですが、「せいせいした」という感想しかありません。キャラ造形と脚本がダメすぎたこともありますが、とにかく東出がポンコツすぎでした。
ファンには悪いけど、そもそもコイツってイケメンか? 頬もたるんでいて、口元も締まりがなく、頭が悪そう。地声が汚く、発声もできていない。叫ぶ場面では声が裏返る。滑舌が悪くて「鷹司さま」というセリフはいつも不安定でした。美男・美声で英才とうたわれた久坂玄瑞に合っていないだけでなく、そもそも演技力が皆無。小学校の学芸会ならほほえましく見てられますが、大河ではとにかく見苦しいかぎりでした。
もう、私が見たいドラマには出てこないでね、東出。不愉快だ。
こうして、禁門の変はポンコツのへたくそな演技を見せられただけで終了。『八重の桜』の良さを再認識させてくれる、つまらない禁門の変になりました。
そして、史実およびポンコツの玄瑞の大活躍により、朝敵になってしまった長州。
ポンコツの遺髪を持ってやってきた品川と野村靖。彼らの話を口をへの字にしてふてくされたような顔で聞く文さま。このへの字口も損してるなぁ。悲しんでるとか呆然としているというより、とにかくふてくされてるように見えてしまい、反感を覚えます。
文さま、ふてくされて何を言い出すかと思えば、久坂家に帰ると言い出します。が、久坂家は断絶。養子縁組も取り消しとなります。当然でしょう。
文さま、久米次郎を抱きしめて泣きむせびます。ポンコツに追い詰められて切腹させられた長井の家族もそんな風に泣いたことでしょう。ポンコツが砲撃した外国船でも死者は出たんですよ。禁門の変で死んだのはポンコツだけじゃないんですよ。たくさん、死んだ人がいるんですよ。
お前の夫のせいでな!
俺たちの文さまは期待を裏切りません。またまた笑わせてくれます。何と、椋梨家をアポナシ訪問。美鶴さんに、夫と久米次郎と3人で暮らすのに久坂家がないと困ると言い張ります。久坂家がお咎めなしでも3人で暮らすことはないでしょ。文さま、怖いよ。
美鶴「ここはあなたの来るところではありません」
ですよねー。美鶴さんはこのドラマで共感できる数少ない方です。あとは寿くらいかな。
椋梨が出てくると、濡れた手ですがりつきます。キモいよ。無礼者が。
椋梨「志を声高に叫んだところで、実のところ何をなした? 長州を朝敵にし、お国は今にも潰れんとしておる」
さらに共感できる人発見! どうひいき目に見ても、椋梨の言う通りです。
文「あの人をこねな目に遭わせたんはあなたなんですか?」
うわっ、何だこの女。逆恨みだよ。最悪だなこの女。
椋梨「己の無力を泣け」
私の代わりにこのバカ女を叱責していただき、ありがとうございます。溜飲が下がる思いです。椋梨夫妻はこのドラマの数少ない清涼剤です。
文さまの超展開はさらに続きます。就活のために紅を引き、園山に面接を依頼します。
そんな絶妙なタイミングで長崎からひょっこり戻ってくるのが、我らの小田ムダ。完全にギャグとして昇華しているところがすばらしい。それにしても、開口一番「お文は?」ですか。文のために生きてるような人ですね。
そんな絶妙なタイミングで杉家に戻ってくるのが、俺たちの文さま。
松陰とポンコツの死について、なぜか詫びる小田ムダ。この人、何様のつもりなのでしょう。別に大した人物でもないくせに、全責任があるかのような増長っぷりです。まぁ、このドラマの場合、松陰が死んだのは小田ムダのせいですが。
さあ、これから文さまの意味不明な大演説会が始まります。すっごくくだらなくて無内容なんですが、理屈がヘンテコすぎて笑えるので、トイレに行かずにセリフをヒアリング。ノベライズ3がまだ出版されてないので仕方がありません。
ちなみに、このラストの杉家のシーン、小田ムダはいなくても成立しました。とにかく、小田ムダをムダに絡めたいがために、異常にジャストタイミングで小田ムダがやってくるという不自然さが生じたのです。この要らない小田ムダが出てこなければ、少しは自然になるのに。
まず、就活の理由を語る文さま。
文「分からんからです。なぜあの人が死んだんか」
分かりませんか。
文「あの人は生きると約束してくれた。共に生きる。嫌や。私は受け入れん。許さん。絶対許さん! あの人を殺したもんを。なぜ……それが分かるまで弔ったりなんかせん」
「許さん。絶対許さん! あの人を殺したもんを」って思ってるでしょうね。ポンコツのせいで死んだ人の家族もな!
文「やから……あの人は死んでなんかおらん」
「俺は生きたぞ」というポンコツの意志全否定です。
文「政の真ん中でのし上がって、いつか殿様の御前に出られるときが来たらじかにお尋ねします」
お前、敬親さんと直接お話しちゃってたじゃん。
「いつか殿様の御前に出られるときが来たら」なんてのを次のテーマにするなら、以前の敬親とのツーショットフランクトークなんて捏造エピを入れないで、「ご尊顔を拝することもかなわない手の届かない存在」にしておいた方が良かったのでは?
こうして、またもや何もかも放り出して、新しいことにチャレンジする意識高い系の文さまなのでした。塾は今、一体どうなってるんだろう……。
その理屈に全然同意できないところも、実に意識高い系で笑えます。
2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
もご利用ください。
熱血来島、ついに花園出場御所に突撃。そこへ、とんがりコーンを率いた西郷が登場。鉄砲の斉射で来島はあっさり死亡。禁門の変の立役者、来島のぞんざいな扱いに失笑してしまいました。それでも、死に様が描かれただけでもマシというべきでしょうか。
ポンコツ玄瑞は堺町御門へ到着。棒の汚名返上のチャンスですよ。さあ、バシっとキメてください。
ポンコツ「いくぞぉ~お」
恥の上塗りしただけでした。発声練習、一からがんばろうね。
撃たれるものの、鷹司邸にたどり着いたポンコツ。鷹司輔熙に嘆願するものの、冷淡な輔熙。
輔熙「なにゆえ御所を戦場にしたのじゃ」
全くです。鷹司さんは邸宅を砲撃されるし、ポンコツどもに切腹されて汚されるし、お気の毒です。ま、焼けちゃうから関係ありませんが。 進退窮まったポンコツさん。が、
入江九一「あなたは生きなければならない人です」
いや、死んでくれ。というか、久坂玄瑞はともかく、「この」ポンコツがここまで慕われる理由が分からない。このドラマに、そんなシーンあったっけ?
ポンコツに後事を託された九一ですが、品川弥二郎を逃がすために敵に切り込んで討ち死に。『八重の桜』の須賀貴匡といい、禁門の変は仮面ライダーの墓場だぜ。
切腹を決意したポンコツは、俺たちの文さまを思い出します。ここで意外な事実を再確認。
実は最近、文さまがブサイクに見えて仕方がありませんでした。脚本の悪さに起因するクソ女っぷりにいらつく私の心証が影響しているのかと思っていたのですが、娘時代の文は普通にかわいい。
「眉」が違う!
娘時代の文さまは、眉が薄いのに対し、最近の文さまは真っ黒クッキリのゲジゲジ太眉毛。この眉のせいでブサイクに見えていたのでした。
ポンコツ「しくじってばっかりの人生じゃったが、四季はあった。あとは皆が志をつないでくれる。お文、俺は生きたぞ」
本当に失敗で塗り固められた人生でした。
・攘夷を気取って外国船を無差別砲撃したらボコボコに反撃される
・尊皇を気取っていたら天皇に嫌われ、京から追い出される
・兵を率いて御所に突撃し、ボコボコに反撃される
成功したのは、公家(のごく一部)との交際と放火と長井を切腹させたことくらいでしょうか。
朝敵長州がなぜか政権を取ってしまったので久坂も顕彰されましたが、そうでなければ普通に「弁舌くらいしか能のない、大局観のない医者坊主」という評価で終わったのではないでしょうか。
ポンコツと寺島、刺し合って死亡。がんばって盛り上げようとしていたようですが、「せいせいした」という感想しかありません。キャラ造形と脚本がダメすぎたこともありますが、とにかく東出がポンコツすぎでした。
ファンには悪いけど、そもそもコイツってイケメンか? 頬もたるんでいて、口元も締まりがなく、頭が悪そう。地声が汚く、発声もできていない。叫ぶ場面では声が裏返る。滑舌が悪くて「鷹司さま」というセリフはいつも不安定でした。美男・美声で英才とうたわれた久坂玄瑞に合っていないだけでなく、そもそも演技力が皆無。小学校の学芸会ならほほえましく見てられますが、大河ではとにかく見苦しいかぎりでした。
もう、私が見たいドラマには出てこないでね、東出。不愉快だ。
こうして、禁門の変はポンコツのへたくそな演技を見せられただけで終了。『八重の桜』の良さを再認識させてくれる、つまらない禁門の変になりました。
そして、史実およびポンコツの玄瑞の大活躍により、朝敵になってしまった長州。
ポンコツの遺髪を持ってやってきた品川と野村靖。彼らの話を口をへの字にしてふてくされたような顔で聞く文さま。このへの字口も損してるなぁ。悲しんでるとか呆然としているというより、とにかくふてくされてるように見えてしまい、反感を覚えます。
文さま、ふてくされて何を言い出すかと思えば、久坂家に帰ると言い出します。が、久坂家は断絶。養子縁組も取り消しとなります。当然でしょう。
文さま、久米次郎を抱きしめて泣きむせびます。ポンコツに追い詰められて切腹させられた長井の家族もそんな風に泣いたことでしょう。ポンコツが砲撃した外国船でも死者は出たんですよ。禁門の変で死んだのはポンコツだけじゃないんですよ。たくさん、死んだ人がいるんですよ。
お前の夫のせいでな!
俺たちの文さまは期待を裏切りません。またまた笑わせてくれます。何と、椋梨家をアポナシ訪問。美鶴さんに、夫と久米次郎と3人で暮らすのに久坂家がないと困ると言い張ります。久坂家がお咎めなしでも3人で暮らすことはないでしょ。文さま、怖いよ。
美鶴「ここはあなたの来るところではありません」
ですよねー。美鶴さんはこのドラマで共感できる数少ない方です。あとは寿くらいかな。
椋梨が出てくると、濡れた手ですがりつきます。キモいよ。無礼者が。
椋梨「志を声高に叫んだところで、実のところ何をなした? 長州を朝敵にし、お国は今にも潰れんとしておる」
さらに共感できる人発見! どうひいき目に見ても、椋梨の言う通りです。
文「あの人をこねな目に遭わせたんはあなたなんですか?」
うわっ、何だこの女。逆恨みだよ。最悪だなこの女。
椋梨「己の無力を泣け」
私の代わりにこのバカ女を叱責していただき、ありがとうございます。溜飲が下がる思いです。椋梨夫妻はこのドラマの数少ない清涼剤です。
文さまの超展開はさらに続きます。就活のために紅を引き、園山に面接を依頼します。
そんな絶妙なタイミングで長崎からひょっこり戻ってくるのが、我らの小田ムダ。完全にギャグとして昇華しているところがすばらしい。それにしても、開口一番「お文は?」ですか。文のために生きてるような人ですね。
そんな絶妙なタイミングで杉家に戻ってくるのが、俺たちの文さま。
松陰とポンコツの死について、なぜか詫びる小田ムダ。この人、何様のつもりなのでしょう。別に大した人物でもないくせに、全責任があるかのような増長っぷりです。まぁ、このドラマの場合、松陰が死んだのは小田ムダのせいですが。
さあ、これから文さまの意味不明な大演説会が始まります。すっごくくだらなくて無内容なんですが、理屈がヘンテコすぎて笑えるので、トイレに行かずにセリフをヒアリング。ノベライズ3がまだ出版されてないので仕方がありません。
ちなみに、このラストの杉家のシーン、小田ムダはいなくても成立しました。とにかく、小田ムダをムダに絡めたいがために、異常にジャストタイミングで小田ムダがやってくるという不自然さが生じたのです。この要らない小田ムダが出てこなければ、少しは自然になるのに。
まず、就活の理由を語る文さま。
文「分からんからです。なぜあの人が死んだんか」
分かりませんか。
文「あの人は生きると約束してくれた。共に生きる。嫌や。私は受け入れん。許さん。絶対許さん! あの人を殺したもんを。なぜ……それが分かるまで弔ったりなんかせん」
「許さん。絶対許さん! あの人を殺したもんを」って思ってるでしょうね。ポンコツのせいで死んだ人の家族もな!
文「やから……あの人は死んでなんかおらん」
「俺は生きたぞ」というポンコツの意志全否定です。
文「政の真ん中でのし上がって、いつか殿様の御前に出られるときが来たらじかにお尋ねします」
お前、敬親さんと直接お話しちゃってたじゃん。
「いつか殿様の御前に出られるときが来たら」なんてのを次のテーマにするなら、以前の敬親とのツーショットフランクトークなんて捏造エピを入れないで、「ご尊顔を拝することもかなわない手の届かない存在」にしておいた方が良かったのでは?
こうして、またもや何もかも放り出して、新しいことにチャレンジする意識高い系の文さまなのでした。塾は今、一体どうなってるんだろう……。
その理屈に全然同意できないところも、実に意識高い系で笑えます。
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