大河ドラマ「花燃ゆ」 第25回 風になる友 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/06/21 22:25

今回は、長州藩にとってもまたまた重要な「池田屋事件」回。『八重の桜』よりも適当な池田屋シーンを、文さまのくだらないシーンでほんわかと包み込み、主要人物・稔麿の死も文さまとポンコツ玄瑞のイチャイチャで忘れさせてくれるという、笑える40分に仕上がっています。キャスティングもおざなりなので、きっとわざと低クオリティなドラマを作ろうと努力しているのでしょう。

アバンは、あらためて八月十八日の政変を振り返ります。このドラマには振り返るほどの内容はないのですが。

ナレ「過激な攘夷を嫌う勢力は……」

勢力というか、そもそも孝明天皇に嫌われたんですけどね。尊皇を掲げてる連中が。

そして、そんな京へフラフラやってきた春風ちゃんは、脱藩の罪で野山獄へ。そこへ、何と俺たちの文さまがご登場なさいます。本当に、どこにでも顔を突っ込むお方でございます。 ・雅らに協力させて松下村塾で子どもたちを洗脳
・塾を放り出して土木工事に邁進
・女台場を放り出して奇兵隊の飯炊き女
・飯炊き女を放り出して野山塾へ

塾や台場は今、どうなっているのでしょう。奇兵隊の皆さんはちゃんと食事を取っているのでしょうか。普通、「一度始めたら最後までやり通しなさい」ってしつけられませんかね? まぁ、塾も台場も奇兵隊のまかないも、文さまなんかいなくても回りそうですが。

そしてこのたびの春風ちゃん。彼の世話は雅で十分でしょ。

文「何か私に力になれることはございませんか?」

お前は引っ込んでろ。

そこに、春風ちゃんのお世話をする正当な資格を持つ雅が登場。夫婦の語らいを始めますが、気を利かせることもなく居座る文さまです。お前、邪魔。

場面は京へ。これまで、あまりにも暗躍しすぎて画面に滅多に映らなかったズラじゃないが妙に長時間露出。いかに厚顔無恥な今年の大河関係者でも、池田屋事件に小田ムダをからめるほどツラの皮は厚くなかったということでしょうか。

ここで二条城ミーティングが回想風にインサート。うわさのサプライズキャスティング、一橋慶喜島津久光の登場です。こんな一発屋の消えかけカス芸人とか、視聴者舐めてんのか>NHK

満月みたいな顔の久光と、大河史上ワーストクラスの貧相な慶喜に失笑です。写真の雰囲気にピッタリなキャスティングだった『八重の桜』が懐かしい。今年は本当にキャスティングも最低です。たまにはホメさせてほしいものです。

で、参預会議は久光の離脱で崩壊。参預側もちゃんと描写してればそれなりに見応えがあったでしょうに、映像は単にどぶろっくが解散しただけ。そんなの楽屋で勝手にやってろって感じです。視聴者舐めてんのか>NHK

ここまで出番がなくて清々していたのに、出てきちゃいました小田ムダ。長崎でグラバーとビジネスのご相談。反英やってるのに武器は売ってくれと、実に身勝手なことを言い出します。恥を知れ。

グラバー「敵である長州に武器を売る国があると思いますか?」

グラバー、あなたは正しい。ビジネスしたかったら、まず反英、反西欧をやめろと。話はそれからだ、と。全面的に同意しますよ!

元治元年(1864年)6月5日。(実はちっとも尊皇じゃない)尊皇攘夷派浪士が池田屋へ集結。八月十八日の政変の黒幕とされる中川宮 朝彦親王の暗殺計画を発表する宮部鼎蔵。

ふぁ?

そんな折り、古高俊太郎が新撰組にラチられます。古高を吊してハード緊縛プレイにいそしむのは、なぜか土方じゃなくて近藤さん。幕府も2、3人しか人がいないのと同じく、新撰組にもリストラの嵐が吹き荒れているようです。

いろいろと穴だらけの出来損ないとはいえ、取りあえず京の情勢が盛り上がって参りました!

ここで山口からの中継がインサート。養子に出された久米次郎が、文さまを見限って出奔するという、実にどうでもいいいエピで話の腰をバキバキに粉砕します。息もつかせぬ展開で視聴者に過度な負担を強いないように、適当なタイミングでトイレタイムを挿入する、NHKの心憎い気遣いに胸が熱くなります。

俺たちの文さまが久米次郎を探しに出ると、あっさり発見。その久米次郎の前にヌボーっと立ちふさがるうどの大木。あっさり連れ戻される久米次郎。え、このエピ、これで終わり? 久米次郎の脱走って必要だったの? 実の母を恋しがる子と、本当の親子になろうとする文さまとポンコツって、格好のホームドラマネタでは?(激しく陳腐だから全く見たくありませんが)

ポンコツは、天子様への嘆願のために兵を率いて京に行くとほざいて笑わせてくれます。兵力を背景に嘆願って、それがお前の尊皇ですか。ポンコツがやろうとしているのが単なる恫喝のように感じてしまう私は、きっと尊皇の精神が足りないんでしょうね。

そのポンコツに、みんなからのメールを渡す文さま。百合りん、滝、亀、梅太郎がそれぞれメールを朗読して、視聴者の忍耐を試してくれます。梅太郎メールまで穏やかに来ていられた人は、かなりガマン強い。称賛に値します。

視聴者をすっかりあきあきさせたところで、突然池田屋に「御用改めである!」。いやー、メリハリが利いてますなー(棒読み)。

ズラじゃない桂と稔麿は池田屋を脱出し、援軍を呼ぶため長州藩邸へゴー。しかし、適当な理屈を付けて池田屋へリターン。

池田屋事件当時、稔麿がもともとどこにいて、どこで誰に殺されたのか、自刃したのか、諸説あってはっきりしません。ドラマでは、特定の説を採用するのではなく、諸説を適当につなぎ合わせて最も「犬死に」に見えるパターンをでっち上げたような感じです。池田屋をせっかく脱出したのに宮部らのところに戻ろうとして、途中で会津兵に見つかって討ち死にって何だそれ。亀太郎の包丁テロ犬死にといい、塾生を死に際して貶めようとしているようです。

池田屋事件の顛末は、入江九一らからポンコツ&俺たちの文さまに伝えられます。「許せん、あいつらが憎い」と、稔麿の死を嘆くポンコツですが、お前らも「天誅」とかイタいことを言いながら人殺ししてたでしょ。長井雅楽を陥れて切腹に追い込んだでしょ。無差別外国船砲撃では相手に死者も出てるんですけど。長州だけが悪いとは言いませんが、被害者面されると吐き気がします。

すると、俺たちの文さまがどうでもいい妄想話を展開します。ポンコツも妄想を始めちゃって、どうにもなりません。一体、この中だるみタイムはいつまで続くんでしょうか。

もういい、俺はトイレに行かせてもらう。

そして、稔麿のことはすっかり忘れて突然イチャイチャし始めるポンコツと文さま。何だコレ。

大河ドラマで史実を変えたエピを見ると「ねつ造だ」と批判する向きもあります。が、個人的な意見としては、私は史実改変エピがあっても別に構わないと思っています。ただし、やるからには史実よりも面白くしていただきたい。面白くする技量がないならせめて史実通りにやればいいのに、というスタンスです。逆に、面白くするための史実改変はウェルカムなのです。

というわけで、つまらなくてどうしようもない『花燃ゆ』を面白くするため、いっそのこと史実をガシガシ改変していきましょう。取りあえず、理由は適当でいいので文と小田ムダとポンコツの首をはねちゃいましょう。切腹でもいいし病死でもいいです。死に様は問いません。

とにかくこの3人がいなくなれば、少なくとも今よりは面白くなることは間違いありません。史実の小田村と久坂と文も、これ以上貶められるくらいなら、さっさと退場させてくれた方が喜ぶことでしょう。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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