大河ドラマ「花燃ゆ」 第19回 女たち、手を組む 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/05/10 21:46

「女たち、手を組む」ですか。見たいという気持ちを全く喚起しない、最悪のセンス。亀太郎の長井暗殺未遂によって藩政が変わるというターニングポイントを描くのではなく、亀太郎の死をエサにして女たちが「文さま」を中心に結束していくという、実にくだらない話でした。玄瑞はウザいし、この時期長州だけが正しいかのような描き方だし、つまらないだけでなくストレスがたまります。

早く禁門の変でポンコツが消えてくれないかなー。会津と薩摩と幕府を応援したい気持ちが溢れてきました

文久2年(1862年)、輸出増からの品不足による物価高を嘆く杉家の女たち。世相を描くとは、このドラマにしては非常に珍しいことです。そこから、本来なら今回の主役たる亀太郎につなげ、仕事のために塾生たちが離散した現状をリポート。こういう状況説明的な展開は割とうまいのにねぇ……。

一方、相変わらず汚い声で棒読みのポンコツ玄瑞は、いつの間にか知り合っていた西郷隆盛と下関でミーティング。西郷から久光の上洛を聞かされたポンコツは、それを勝手に倒幕の動きと勘違い。さすが、コイツはとことんポンコツだ。「殿には別のお考えがあるち思いもす」と、ポンコツと視聴者をミスリードする西郷もひどいけど。

この時期の久光はガッチガチの佐幕公武合体派。ポンコツとは正反対の考えの持ち主なんですが。 ポンコツがない知恵を絞って勘違しちゃってる一方、春風ちゃんは上海出張決定。それを愛妻より先に文にご報告します。周布から聞かされた帰りに寄ったというならまだしも、ノベライズによると杉家に来たのは「翌日」。雅に話す時間は十分すぎるほどあったのです。

萩に戻ったポンコツは、周布に勘違い持論を展開。薩摩が動いたというのに長井の公武合体を藩是としていていいのか、と汚い声で叫きます。誰だよ、コイツをキャスティングしたの。

繰り返しますが、久光は公武合体派。この動きを勘違いして公武合体論を批判するとは、愚かにもほどがある。だから禁門の変で会津・薩摩連合軍に駆除されるんだよ、お前は。「攘夷」とかいっちゃって、長州だけ浮いてるんですけど。ああ、「世界が長州から孤立している」んですね。

塾生たちが役にも立たない上京を企画して怪気炎を上げているころ、雅は春風ちゃんの口車に乗せられて杉家をご訪問。組みひも作りを手伝わされます。

雅「楽しいです。女たちの退屈なおしゃべりよりずっと」

確かに、文のトークは退屈ですね。

で、亀が熱く語りだすと雅があくび。

亀「退屈ですか、私の話」

亀というか、ドラマが退屈です。

長井暗殺を決意したポンコツは、亀太郎を勧誘。家族を養うという、基本的なことをないがしろにして安易なテロごっごに興じていられるポンコツはいいご身分ですこと。自分の意見が通らないから、自分の意見と違うからという理由で相手を殺そうと考えるポンコツには嫌悪感しかわきません。どうも幕末は、こういう独善性が鼻について好きになれません。

早く禁門の変でポンコツが消えてくれないかなー。会津と薩摩と幕府を応援したい気持ちが溢れてきました

杉家に戻ったポンコツは、上京資金を文に無心。大人数で上京するから金が足りなくなるのでは。コイツら群れるのが好きだなぁ。1人で勝手に行けばいいのに。

さらに独善的な大義を展開するポンコツ。ウゼえ……。

早く禁門の変でポンコツが消えてくれないかなー。会津と薩摩と幕府を応援したい気持ちが溢れてきました

家族のために金を稼いでくるどころか持ち出す一方の、ホントにポンコツな玄瑞を支えるため、カマボコビジネスを考案する文。亀がつまみ食いして「美味でございますー」と叫ぶんじゃないかとハラハラしました。

文がカマボコビジネスの売上をポンコツに渡すと、『留魂録』を京に持っていくと言い出します。そんなことをやってるから、留魂録のオリジナルが行方不明になるんだよ。沼崎吉五郎(牢名主)がもう一部のオリジナルを持っていてくれたからよかったけど。沼崎吉五郎に佐藤二郎をキャスティングしているくらいだし、彼が野村靖にオリジナルを渡すエピもやると思いますが……。このドラマの脚本って、「ここ、泣かせどころだろ!」というポイントを微妙に外すからどうなることやら。

ポンコツらを追って上京した亀太郎は、1人で長井に特攻。多勢に無勢で見事に返り討ち。切腹して退場します。

松陰の狂気の犠牲者がまた1人。

亀太郎の死を知ったフネが、杉家を訪問。そして集まる女たち。雅がやってきて自身の不安を吐露するあたりまではよかったのですが、文が雅の話を上書きするように自分語りを始めて一気に白けます。あっという間にどうでもいいシーンに。

ポンコツは長井暗殺未遂事件に連座して謹慎中。が、伊之助が謹慎中のポンコツを連れて周布の下へ。松陰とその門下は何をやらかしても許されます。なぜコイツらが甘やかされるのか、理解に苦しみます。

ポンコツ「この久坂玄瑞が長州を背負って立つ覚悟にございます」

こんな棒読み鼻声のポンコツに背負われるとは、長州も落ちたものだな。

早く禁門の変でポンコツが消えてくれないかなー。会津と薩摩と幕府を応援したい気持ちが溢れてきました

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