大河ドラマ「花燃ゆ」 第16回 最後の食卓 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/04/19 22:07

今回のタイトルは、もともと「家族の肖像」だったのですが、なぜか「最後の食卓」に変更され、さらにノベライズには存在する「最後の夕餉シーン」をカットするという、松陰並にイカれた演出&編集で笑わせてくれます。もう、今年は何から何までホントにダメダメだな。完全に腐ってます。

で、本編スタート。文がぼけっとしていると、ポンコツ玄瑞が帰還。が、夫の疲労など意に介することなく、本探しを要求します。

文「兄上を元の姿に戻す本がきっとあるはずです」

「元の姿」というか、正確には「正気に戻す」でしょう。無理ですけど。

ノベライズには、ここで野山獄で狂気を炸裂させイカれた熱いトークを展開するも誰にも相手にされないキ○ガ○の様子と、そのキ○ガ○に寄り添う久子の場面があるのですが、ドラマではカット。文のどうでもいい役立たずな長広舌シーンよりは意味があると思うのですが。

そんなキ○ガ○に、江戸から召喚状が届きます。それを聞いた文は、早速いつものように役に立たない行動を開始しょうとします。
文之進「見苦しく動きまわるな」

文之進さん、私の想いを代弁していただきありがとうございます。

が、こんなことで役に立たない行動をやめる文ではありません。「見苦しいのは寅兄の方だ」と訳の分からないことを口走り始めます。キ○ガ○が見苦しいのは同意ですが、お前は何が言いたいんだ? どうせ文はいつも通り何もできないのに。

希望通り「あの肖像画」を書いてもらったキ○ガ○は、相変わらず二十一回猛子というイタい中二ネームを使い続けてます。実に恥ずかしい。彼も、長生きしていたら自分のイタさを悔いたことでしょう。

そこにふらりと現れる富永ユーリン。最初は文もなかなか面会を許されなかったのに、部外者が簡単に侵入できるようになってしまいました。ユーリンの問いかけに、天朝も幕府も藩もいらんと、アナーキーなことを言い出すキ○ガ○。もはや尊皇ですらなくなってしまいました。

ユーリン「今のお前の言葉に従う者なんぞ誰もおらん。故にお前のもとから人は去った」

いいぞユーリン、もっと言ってやれ。

ちなみにこの場面、ドラマではセリフが微妙に間引かれていて意味不明。ノベライズで補完する必要があります。

キ○ガ○のアナーキーな草莽崛起理論を聞いたユーリンは、「なるほど、じゃが今のお前の言葉に従う者なんぞ誰もおらん」の後、「呪いで人は踊らん」と続けます。

キ○ガ○「私の言葉を呪いと!?」
ユーリン「故にお前のもとから人は去った」

で、「光を見せろ」。そして、「お前に呪いは似合わん……似合わん毒で死ぬな」と続きます。

翌日、役立たずの文がまたも動き出します。キ○ガ○が江戸送りになる前に一時帰宅させたい、と。さらに訳の分からない理屈を付けてましたが、どうせ文の言うことは理解できないし、理解しても意味がないのでスマホをいじりながらスルー。

ムダに出番がある伊之助に断られると、福川に筋の通らない要求をしてまたも拒否されます。続いて久子と会話。今回は文のシーンが多くて特に退屈です。

が、寿からの要求により、福川の独断で一時帰宅があっさり実現。だから、文抜きで話をサクサク進めろって。

寿「兄上の妹であることが嫌でした。兄を誇りに思えと迫る父上も母上も、叔父上も文も何もかも大嫌いでした」

分かる! 分かるよ寿さん! 全くもって全面的に同意だよ! これまでの16回の中で、一番共感できるセリフでした。このドラマで共感できるのが寿さんだけとは……。

こうして、文ではなく「寿と福川のおかげで」一時帰宅したキ○ガ○。帰宅と同時に、とってつけたようなドタバタ劇が発生。わざとらしくどろんこ。

何だこれ。

あまりにも安っぽい脚本に、もはや怒りすら湧いてきません。

で、「どろんこになっちゃったから」ママとお風呂に入るキ○ガ○。この後におよんで涙を見せられてもねぇ……。自業自得というか、自分が望んだ結果だし。同情も共感もできず、白けます。

ノベライズはというと、「切ない気持ちをぐっとこらえた」「ことさら明るい声で言った」となっています。むしろ、ノベライズのままの方が切なかったかも。ドラマではキ○ガ○を泣かせたために安っぽくなってしまいました。

次に、ノベライズでは文が裏庭の薪の間に何かを隠すシーンの後、キ○ガ○を囲んだ夕餉シーンがあるのですが、この夕餉シーンがまるっとカット。

って、あれ? 今回は「最後の食卓」じゃなかったの? 「家族の肖像」というタイトルを、当時は存在しなかった「食卓」(食事用の「テーブル」)という言葉まで使って変更したのに、夕餉シーンをカットするというこのセンス! 今年のスタッフはスゴイ!

「食事を終えた」キ○ガ○が松下村塾に行くと、庭にたたずんでいる文。キ○ガ○に突進すると、何と逃亡を勧めます。

何てこった。この愚かで役立たずで無思慮でバカな小娘は、キ○ガ○が逃亡したらどうなるか、全く考えてません。独断で一時帰宅を許可した福川の立場は? 福川に帰宅を要求した寿や伊之助の立場は? 藩のお歴々も罪に問われるでしょう。

偉そうにキ○ガ○兄貴に説教かましてたが、お前も人の迷惑なんか考えてないじゃないか。何だこのキ○ガ○兄妹。もう文出てくるな。お前イラナイ。

そしてキ○ガ○が最後の授業。ビブ・ラ・フランス!

安政6年(1859年)5月25日、キ○ガ○が江戸に出発。涙松で萩を見下ろすキ○ガ○。ガスって何も見えないのに、キ○ガ○にはキ○ガ○抜きの「杉家の食卓」が見えています。

狂気が重篤化して幻覚まで見えるようになったようです。怖いですね。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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