大河ドラマ「花燃ゆ」 第5回 志の果て 感想

カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/02/01 22:17

今回は、意識高い系ツイートを連発していた寅次郎が、富永有隣の毒に当てられ、満11~12歳の小娘に完全論破されてヘコむものの、美女に見とれるというお話。ドラマは、すっかり「寅次郎の成長物語」化してしまいました。

物語スタート時は前回の続きなので安政元年(1854年)。野山獄に収監された寅次郎は、本をFumizonに発注して読書三昧のいいご身分。わざわざFumizonに注文しなくても、司獄の福川に言えば「あるよ」と出してくれそうな感じですが。

天気が良い日は、囚人の天日干し。有岡城の土牢とは異なり、かなりの好待遇です。

そして、寅次郎は意外にもこざっぱりしてます。着替えはFumizonに発注すればいいとして、風呂にも入っているかのような清潔感。ヒゲも剃ってますし。まさか囚人にカミソリの類を渡すとも思えないし、そうすると獄吏の誰かが剃ってくれる? おいおい、食費は実家が出しているとはいえ三食昼寝付きで獄内であれば散歩も可、ヒゲも剃ってくれる。パラダイスじゃないか。 伊之助は桂小五郎とサシ飲み。そこへ、いかにも噛ませ犬っぽい集団が乱入。「老中阿部伊勢守(阿部正弘)」を主君と呼んでいるから福山藩士かな。寅次郎を跳ね者と言われた程度のことで、公方を暗愚、阿部を弱腰などと反論する伊之助も小さいヤツです。スカしてますが、伊之助の言動もいかがなものか。多勢に無勢の構図で福山藩士が悪役っぽく扱われてますが、話の流れからすると喧嘩を売ったのは伊之助なのでは。

で、不幸な福山藩士を小五郎が一気に倒して逃亡。「逃げの小五郎」とはいえ黒田清隆を軽く簀巻きにしちゃう剣豪ですしね。

獄の前では、文が金子ママと再会。面会を許された金子ママ、知り合ったばかりの数え12歳の小娘に同行を懇願。これが主人公補正か。

が、金子君は既に半死半生。うわごとのように密航を回想する金子君。こうしてあらためて映像化すると、「連れて行け」とダダをこねて暴れる外国人って、すっっごく迷惑だったろうなぁ。その場で殺して外洋に捨ててもバレないだろうに、ちゃんと浜まで送ってくれるんだから紳士的かつ文明人な対応です。長州人は「攘夷!」とか言っちゃって斬りかかっちゃうんですけど。

法に則り正しく対応するペリー艦隊と、法を犯しゴネる寅次郎&金子君というイタい構図が正視に耐えません。

ツル「お前をこねぇにしたのは誰?」

意識高い寅次郎君ですね。彼はいまだに意識高い系ツイートを連発。「こういう場であるからこそ、功利を拝した真の学問ができるはず」とか、意識の高いセリフで富永有隣にお説教。が、富永の毒に当てられて意識の高さにほころびが。幻聴まで聞こえだして錯乱します。

一方、江戸では西郷どん井伊直弼の顔見せがてら寅次郎アゲ。

年が明けて安政2年(1855年)1月。文は数え13歳(満11~12歳)に。

金子君に薬を届けに行く文ですが、金子君は既に死亡。ここで寅次郎の妹であることを告白する文。「金子様がこれからも、立派な武士として兄とともにずっと生きていかれるよう」と、加害者側の勝手な理屈を被害者に要求します。金子ファミリーから見たら、ウチの子は死んだのになんでオメーの兄はのうのうと生きてんだよ! 兄はずっと生きていく気かよ、ウチの子は死んだのに、って感じじゃないでしょうか。文はそんなことに頓着してませんが。

この様子を見ていたマスターが、文を寅次郎に面会させます。ここから文のラッシュ開始。まずは、寅次郎のせいで家族が不幸になったことを突きつけます。

文「金子様は、寅兄様が殺したんです。己の欲に己を慕う者を巻き込んだ」

よう言うた。

数え13歳の文にフルボッコされ、寅次郎号泣。自分のイタさに少しは気付けたのでしょうか。

文にボコられて心が折れた寅次郎ですが、美女の登場でちょっとアゲ。

ちなみに、『八重の桜』第5回は安政6年で、松陰の死と桜田門外の変。八重の桜は中央政局もやってて時代のうねりってのが感じられたのですが、花燃ゆは退屈だなー。

2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)
大河ドラマ「花燃ゆ」 主要人物年齢年表(松下村塾+α)
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