大河ドラマ「花燃ゆ」 第1回 人むすぶ妹 感想
カテゴリ:花燃ゆ
日時:2015/01/04 22:59
第1回は、旧弊に阻まれ鬱積した若いもんがプチ反乱で一歩前進。けど障害はまだまだあるよ! というお話。若干テンポが悪くてダレる場面もありましたが、話が動き出す以前のプロローグ回なので仕方がないでしょう。
アバンは大河のお約束、本役の顔見せです。ナレは赤い彗星ですか。あえてシャアっぽくならないように発声してましたが。
「ナポレオン vs. 秀吉」という2chネタっぽい議論をふっかける高杉。「武器も時代も違う」と取り合わない久坂。ここは久坂が正しい。ナポレオンが砲兵出身で大砲の運用を前提としたように、用兵思想には時代背景と兵器が大きく作用します。全く無意味な思考実験ですね。
という内容はどうでもよく、とにかく本役が顔見せしたところでアバン終了。
嘉永3年(1850年)、文(子役)は畑で芋掘りというか引っ張り中。
文「うんとこしょ。どっこいしょ」 それでもイモは抜けません。って、この掛け声だとカブが抜けそう。
そこに大筒の音が聞こえてきて、砲術調練見物に向かう文。大きなカブイモの場面なしで、家族そろって調練場にいるところからスタートしても良さそうなものですが、一応ここで要領のいい姉、のんきな母、周りに気を遣う父百合之助というキャラ立てをした模様。さらに、現時点では老害からの評価も上々の寅次郎、グレかけている晋作、厳格な文之進といった立ち位置も強調。短時間でよくもまま盛り込んだなあという感じですが、登場人物がある程度頭に入っていないと追いつけないかも。ちと詰め込みすぎ?
ここで一騒動あるわけですが、ノベライズは寅次郎がつぶやいてから文がそれを読み取るのですが、ドラマでは寅次郎がつぶやく前に文が「いけん」と口走るなど、謎な演出。読心術のはずが、ニュータイプになってしまった文。ナレーターに目を付けられるぞ。
それにしても、小娘のつぶやきごときに大騒ぎしすぎ。
ちっさいことに大騒ぎする大人達の心配をよそに、寅次郎の長崎行きは無問題。というわけで、長崎をエンジョイする寅次郎。
一方、伊之助は義母の死ぬ死ぬ詐欺に引っ掛かり、江戸からBダッシュで帰郷。「あなたでのうてもよかったんですよ」は、後の回で意味が出てくるセリフです。
「古くさい学問はつまらんです」と言う晋作を諭す伊之助ですが、伊之助自身も同じ思いを抱いていたところがツライ。こうして、若いもんが旧弊に阻まれてエネルギーをもてあます構造が固まっていきます。このあたり、覚馬を中心に展開した『八重の桜』と同じ構造ですね。
行き場のない怒りを河原で発散する伊之助。そこに居合わせてしまう文。こうして、河原でわめいていた不審者が幼女に声かけする事案が発生。おまわりさん、こっちです。
ここで、不審者が多数所持していた本の中から、よりによって禁書の『海防臆測』だけをドロップするという実に、実に、アンラッキーなトラブルが発生。文と敏三郎は本を不審者に返すため、明倫館に侵入。幼なじみと敵の赤松領に侵入するとか、子役時代に主人公がちょっとした冒険をするのもお約束です。
そしてやっぱりという感じで発覚。実に文之進らしいバイオレンスの後、家から閉め出される文。すると、そこへ実に、実に、実に! グッドタイミングで帰郷した寅次郎。止まった虫を気にして殴られたなど、有名なエピを織り交ぜつつ学ぶこと、そして文の本質に迫る寅次郎。ちと長くてダレぎみでしたが、セリフの内容自体は興味深い。
翌朝、河原で不審者と再会する文。今回は、声かけどころか幼女に触れる事案が発生。おまわりさん、こっちです!
すると、突然『孟子』の一節を口走り始める文。ごめん、文が孟子を暗唱する展開はよく分からない。
舞台は明倫館へ。旧弊の象徴、文之進が『海防臆測』をやり玉に挙げると、寅次郎が旧弊への小さな反抗を開始。寅次郎の演説に伊之助感激! 「人むすぶ妹」文が2人を引き合わせた、と。文がいなくても普通に明倫館で出会っていたとは思いますが、エピがほとんどない文をうまく話にからめたものです。
この2人の処分に、藩主「そうせい侯」毛利敬親が直々に出馬。寛大な処分に乗じて江戸遊学を願い出る2人。この流れで直訴までするとは、大した胆力です。
ま、敬親ですから、答えは期待通り。
敬親「そうせい」
こうして放免された寅次郎は文と再会。ここで有名な名言を文に教えます。「至誠にして動かざるは、未だこれ有らざるなり」(孟子)。『八重の桜』でも小栗松蔭が言ってましたね。これを言えば、松蔭っぽくなりますからねぇ……。
プチ反乱を成功させた若いもん2人は、意気揚々と江戸へ出発。明るい未来が待ってるぜ!的なノリの後で、序盤の中ボス椋梨藤太が黒幕チックに登場。ありがちな展開がほほえましい。去年のテンプレ大河の後だと、この程度は生暖かく見守れます。
文自身も人との関わりを避けなくなるなど、ちょっぴり成長しておしまい。次回から文も本役ですか。その方がいいかもしれませんね。
2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)もご利用ください。
アバンは大河のお約束、本役の顔見せです。ナレは赤い彗星ですか。あえてシャアっぽくならないように発声してましたが。
「ナポレオン vs. 秀吉」という2chネタっぽい議論をふっかける高杉。「武器も時代も違う」と取り合わない久坂。ここは久坂が正しい。ナポレオンが砲兵出身で大砲の運用を前提としたように、用兵思想には時代背景と兵器が大きく作用します。全く無意味な思考実験ですね。
という内容はどうでもよく、とにかく本役が顔見せしたところでアバン終了。
嘉永3年(1850年)、文(子役)は畑で芋掘りというか引っ張り中。
文「うんとこしょ。どっこいしょ」 それでもイモは抜けません。って、この掛け声だとカブが抜けそう。
そこに大筒の音が聞こえてきて、砲術調練見物に向かう文。大きなカブイモの場面なしで、家族そろって調練場にいるところからスタートしても良さそうなものですが、一応ここで要領のいい姉、のんきな母、周りに気を遣う父百合之助というキャラ立てをした模様。さらに、現時点では老害からの評価も上々の寅次郎、グレかけている晋作、厳格な文之進といった立ち位置も強調。短時間でよくもまま盛り込んだなあという感じですが、登場人物がある程度頭に入っていないと追いつけないかも。ちと詰め込みすぎ?
ここで一騒動あるわけですが、ノベライズは寅次郎がつぶやいてから文がそれを読み取るのですが、ドラマでは寅次郎がつぶやく前に文が「いけん」と口走るなど、謎な演出。読心術のはずが、ニュータイプになってしまった文。ナレーターに目を付けられるぞ。
それにしても、小娘のつぶやきごときに大騒ぎしすぎ。
ちっさいことに大騒ぎする大人達の心配をよそに、寅次郎の長崎行きは無問題。というわけで、長崎をエンジョイする寅次郎。
一方、伊之助は義母の死ぬ死ぬ詐欺に引っ掛かり、江戸からBダッシュで帰郷。「あなたでのうてもよかったんですよ」は、後の回で意味が出てくるセリフです。
「古くさい学問はつまらんです」と言う晋作を諭す伊之助ですが、伊之助自身も同じ思いを抱いていたところがツライ。こうして、若いもんが旧弊に阻まれてエネルギーをもてあます構造が固まっていきます。このあたり、覚馬を中心に展開した『八重の桜』と同じ構造ですね。
行き場のない怒りを河原で発散する伊之助。そこに居合わせてしまう文。こうして、河原でわめいていた不審者が幼女に声かけする事案が発生。おまわりさん、こっちです。
ここで、不審者が多数所持していた本の中から、よりによって禁書の『海防臆測』だけをドロップするという実に、実に、アンラッキーなトラブルが発生。文と敏三郎は本を不審者に返すため、明倫館に侵入。幼なじみと敵の赤松領に侵入するとか、子役時代に主人公がちょっとした冒険をするのもお約束です。
そしてやっぱりという感じで発覚。実に文之進らしいバイオレンスの後、家から閉め出される文。すると、そこへ実に、実に、実に! グッドタイミングで帰郷した寅次郎。止まった虫を気にして殴られたなど、有名なエピを織り交ぜつつ学ぶこと、そして文の本質に迫る寅次郎。ちと長くてダレぎみでしたが、セリフの内容自体は興味深い。
翌朝、河原で不審者と再会する文。今回は、声かけどころか幼女に触れる事案が発生。おまわりさん、こっちです!
すると、突然『孟子』の一節を口走り始める文。ごめん、文が孟子を暗唱する展開はよく分からない。
舞台は明倫館へ。旧弊の象徴、文之進が『海防臆測』をやり玉に挙げると、寅次郎が旧弊への小さな反抗を開始。寅次郎の演説に伊之助感激! 「人むすぶ妹」文が2人を引き合わせた、と。文がいなくても普通に明倫館で出会っていたとは思いますが、エピがほとんどない文をうまく話にからめたものです。
この2人の処分に、藩主「そうせい侯」毛利敬親が直々に出馬。寛大な処分に乗じて江戸遊学を願い出る2人。この流れで直訴までするとは、大した胆力です。
ま、敬親ですから、答えは期待通り。
敬親「そうせい」
こうして放免された寅次郎は文と再会。ここで有名な名言を文に教えます。「至誠にして動かざるは、未だこれ有らざるなり」(孟子)。『八重の桜』でも小栗松蔭が言ってましたね。これを言えば、松蔭っぽくなりますからねぇ……。
プチ反乱を成功させた若いもん2人は、意気揚々と江戸へ出発。明るい未来が待ってるぜ!的なノリの後で、序盤の中ボス椋梨藤太が黒幕チックに登場。ありがちな展開がほほえましい。去年のテンプレ大河の後だと、この程度は生暖かく見守れます。
文自身も人との関わりを避けなくなるなど、ちょっぴり成長しておしまい。次回から文も本役ですか。その方がいいかもしれませんね。
2015年 大河ドラマ「花燃ゆ」キャスト(配役)もご利用ください。