大河ドラマ「軍師官兵衛」 第32回 さらば、父よ! 感想

カテゴリ:軍師官兵衛
日時:2014/08/10 22:03

今回は、小牧・長久手の戦いからスタート。細かい事情はすっ飛ばし、「史実通り」ということで天下の不覚人信雄家康が同盟して挙兵。こうして、天正12年(1584年)3月、小牧・長久手の戦いの始まり始まり。

恒興長可が中入りを進言。「参るぞー!」「おー!」と威勢よく出発します。『江』では、この直後に敗走して戻ってきたものですが、今回はさすがにギャグ展開はありませんでした。大差ありませんが。

一方、官兵衛は、小六と備中で国境策定中。さすがは官兵衛! 官兵衛はともかく、小六の描写が実にまともなことに癒やされます。大河の小六はなぜかレスラー枠で、レザーアーマーにモーニングスターを装備させられたり、ただわめくだけの存在だったり、とにかく侮辱され続けてましたからねぇ。 で、ドラマ上では不明確でしたが、ノベライズによると小牧・長久手の戦いの約1年後の天正13年(1585年)春、官兵衛は新領地の播磨山崎に小六をご招待。さすがは官兵衛! ノベライズの記述によると、ここまで毛利との交渉が長引いた、ということだそうで。

さらに驚かされるのが、山崎城に集まった官兵衛主従や小六は、「誰も小牧・長久手の戦いには関与しておらず、どちらが勝ったのかさえよくわからない」状態だということ。約1年もたっているのに、何その有様は? 信長の政策や戦の帰趨、3年は隠そうとしていた信玄の死までリアルタイムに知っていたさすがは官兵衛が、身内の戦の詳細が1年後の今でも分からない? いやはや、一貫性のない脚本です。有岡城以来、いっこうに姿を見せない御師はどうしたの?

3月、秀吉が内大臣に。大坂城で秀吉と再会する官兵衛。徳川との再戦プランを聞かされて驚愕。さらに、旧官兵衛から情報をゲット。

秀吉は、おねと夫婦トーク。すると、「官兵衛の策なしでは勝てませぬ」と、やたらと官兵衛をリスペクトするおね。秀吉の正室にここまで信頼されるとは、さすがは官兵衛! しかし、

おね、気持ち悪い

が、秀吉は官兵衛の「殿チャンスですぞ」以来、不信感を持っていたことを吐露。ノベライズのおねは、それでも官兵衛を疑ってはならぬと官兵衛ageを連呼するのですが、ドラマでは秀吉の言葉を聞いて目を泳がせるなど、おねにも動揺が生じる演出。ここは悪くありませんでした。

秀吉に唐突に冷遇されはじめた官兵衛は、城内でウンコ君あらため道薫と再会。官兵衛に秀吉の変化を指摘して退場。

官兵衛はあらためて秀吉に徳川対策を進言。髭が悲しいくらい似合わない三成と舌戦を繰り広げます。と思ったら、場面は山崎城。異常に眠たいガールズトークが展開されます。女優が5人もいながら、全く花がないという誠に残念な絵面です。

ここで唐突に現れた吉太夫は、オリーブジュニア。熊之助と同年です。

女性陣がしょうもないエピソードを展開する一方、長政は山崎の統治がうまくいかず、領民と体当たりトークで気さくな領主様を気取ることに。

何でも申せと命じられ、領民がぶっちゃけトークを展開するとキレる長政。太刀に手をかけて、さらに関係をこじらせます。さすがは長政!

そこで善助、オリーブ侍、又兵衛は姫路のパパ黒田を担ぎ出すことに。パパ黒田、最後の出陣です。まずは長政をageて場を暖め、さらに昔話のオブラートに包んで教訓を垂れます。ただし、この時点では長政には響いてませんが。

さらに官兵衛が山崎に戻り、長政を叱責。パパ黒田の昔話と連動した官兵衛の説教でようやく腑に落ちた長政。領民に直接わびると言い出します。

長政、レベルアップ。

5月、四国攻め開始。それなりになんやかんやあったのですが、またしても一瞬で長宗我部元親降伏。長宗我部元親は大河初登場?

7月11日、秀吉に関白宣下。勅使が上座じゃなくていいのかな……。

8月、幼い孫と遊びながら、静かに大往生。うらやましい死に方です。
静かに閉じられた目、木に寄りかかる後ろ姿など、目頭が熱くなるいいシーンだったのですが……。

最後、白バックで官兵衛に語りかけるパパ黒田は余計でした。何だ、あのセンス皆無の演出は。あれで一気に冷めてしまいました。実に残念。

2014年 大河ドラマ「軍師官兵衛」キャスト(配役)
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