大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第34回 姫の十字架

日時:2011/09/04 21:15

江が江戸に隔離され、主要人物が江とは無関係に動くようになった(江が絡まなくなった)ためか、今回もまたかなり見られる(少なくとも不快感がない)シーンが増えました。相変わらず江&向井秀忠の2人のシーンには殺意が湧きますが、彼らの登場シーンはトイレタイムなどに活用できると、ポジティブに考えることにしましょう。

本編は慶長5年(1600年)正月、江&秀忠一家+大姥局のシーンから。ここはほんっとうに無内容なのでトイレタイムに使いましょう。大姥局と江のやりとりは同じ内容の繰り返しで、見るだけムダです。

次は、何の脈絡もなく細川光千代(後の肥後熊本藩初代藩主 細川忠利)がガラシャのメールを江に渡しに来ます。江戸に人質に来たと屈託なく語る光千代を不憫な目で見る江。その、「人質=ひたすらかわいそう」という薄っぺらい価値観はいい加減どうにかならないでしょうか。行儀見習い&上位者の目にとまるチャーンスという面を無視するのは幼稚すぎです。

ガラシャが光千代に託したメールの内容はというと、笑えるほど無内容。このドラマのガラシャは出てくるたびに同じようなことしか言いませんしね。 戦の雰囲気を感じ取った江、大坂に行って家康に直接確かめると言い出します。だから、

確 か め て ど う す る ん だ よ

江って何がしたいんでしょう。確かめて家康が「戦をする」と言ったらどうする? これまでと同様、「私が止めてみせます」と口走りつつ、何もできないという間抜けな記録を更新する気? 見苦しい。

一方の家康は、淀&秀頼の元に上杉攻めの許可を求めに来て直江メールを披露。働き者のパパです。

場面は、またもや不要な江戸に移ります。息子はと言うと、家康のことを「親父親父」と下品に呼び(父上と呼べ)、家臣の前でまたもやゴロゴロ。本当に出来るヤツってのは、少なくとも他人の前では完璧に振る舞ってみせるものなんですがね。まぁ、中学生ならグレたところを見せつけたくなったりもしますが、彼はもう21歳。そろそろ厨二病は卒業しないとみっともないだけ。というか、こんなバカ廃嫡してしまえ。

江はというと、「話しているとイライラする」。
あんた、何時代の人?

ちなみに、私はあなたが出てくるとイライラします。

忠興は上杉攻めのために出陣。唐突にあざとい細川夫妻再生イベント発生です。分かりやすいガラシャ死亡フラグ。このドラマは、脚本家の都合で突然反省したり本心を語りだしたりするので笑えます。

そして7月。家康が江戸に戻ってきます。と、江が突撃してきて開口一番「戦になるのですか?」。

大姥局「何ですか、お帰りになった早々」

あ、大姥局もそう思います? 同感です。


そもそも、江はイチイチ「豊臣豊臣」うるさい。あれほど「ウザ井家」「信長の姪」(「信長の娘」ならともかく)という大してありがたみのない血筋を鼻にかけて蔑んできた豊臣を、なぜそんなに気にするのでしょう。秀頼のことも「知りません!」じゃなかったの?

さて、戦国評論家さまの秀忠は、家康から3万8000の総大将を命じられてビビります。普段あれだけスカしておいて、やはり口先番長でした。ま、身の程を弁えていると言うべきでしょうか。

江「総大将が務まるのですか?

なにげに無礼な嫁です。さらに、泣き言を漏らす秀忠を見た江、こともあろうに「総大将を断ってくる」と、トンデモないことを言い出します。お前、ホントに武家の娘・嫁か?

子どもの頃から、海岸で遊び、香を焚き、贅沢な衣服と食事を与えられ城で暮らせるのも、お前らウザ井三姉妹の保護者たちが戦で勝ち取ってきた地位あればこそ。戦を否定する武家の女って本当に目障り。なら勝手に自害でもしてろ。

江&秀忠のコントはまだまだ続きます。生家の家名のごとく思慮がアザイ江、今度は徳川から出奔して百姓になるというアイデアを秀忠に披露します。そして、百姓仕事をする2人のシーン挿入。この2人には、姫や武将の装束より本当に似合っていました。この2人は、最初から百姓役で出るべきでしたね。それはともかく、

百姓なめんな

コイツらには戦国時代の百姓なんて務まりません。そもそも、戦がイヤだからといって百姓になっても、百姓は戦にかり出されますが、それはOK? 乱取りとかあるけど? その頭蓋骨の中身はその点をちゃんと想定してます? してなさそうですね。

江のバカ話により正気に戻った秀忠。どうやら江の愚かさはショック療法の役には立つようです。で、一応やる気を出した夫に呪いの割れたハンコを渡そうとする江。ハンコを押しつける江、いらぬと押し返す秀忠という、時間の無駄のようなコントが繰り広げられます。結局、江が強引に持たせて決着します。本来の持ち主も、お守りとして持たされた勝家も非業の死をとげたんですが……。

あ! 秀忠が関ヶ原に間に合わなかったのはハンコの呪いか。

ここでは秀忠の意外なカミングアウトも飛び出します。江が取り出した呪いの割れたハンコを見た秀忠、

「幼き頃から敬い、あこがれてやまぬ武将が1人だけおった」

だそうで。信長が死んだのは秀忠が満3歳のときですが、よく覚えてましたね。そういえば以前、兄信康を切腹させた件でパパに嫌みを言っていたような気がしますが(築山殿事件は秀忠0歳のときだけど)、それを命じた信長は無罪なんですか?

小谷城を攻めた秀吉は恨まれ、それを命じた信長は無罪。このドラマの信長は都合のいいポジションですねー。うらやましい。

こうして、家康が仕掛けた三成ホイホイに引っかかった三成、そそくさと大坂城に返り咲き、ガラシャ死亡フラグの人質コレクションを開始します。ガラシャの死に様はほかのドラマでもさんざん既出なのでどうでもいいです。が、このドラマではガラシャが人質にならずに死を選んだ(死なねばならなかった)部分が説得力不足。あんな扱いでいいのかねぇ。それならガラシャ自体をスルーしてしまえばいいのに。

ナレーター市、ガラシャを評して「三成に挑んだ戦士の1人」

何だそれ。

またも(ホント、イラナイ)江戸のシーン。秀忠出立の日。

江「戦のない世の中を作ってくださりませ」

またそれか。相変わらず、方法論を無視した実に浅いセリフですね。

さて、次回はいよいよ関ヶ原。ウザ井三姉妹の運命やいかに(棒読み)。

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」キャスト(配役)
大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 三姉妹年齢年表
も第34回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。

江の子孫については、江の家系図もどうぞ。