NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」 第6回 日英同盟

カテゴリ:坂の上の雲
日時:2010/11/28 23:37

いよいよ第2部が始まりました。90分、丁寧に作られた映像と5.1chサラウンドをじっくり堪能しました。

非常に面白かったのですが、タイトルは「日英同盟」というより「ロシアにおける広瀬武夫」あるいは「広瀬とアリアズナ」の方が妥当では? という内容でしたね。原作の日英同盟締結のくだりは、イギリスの思惑や伊藤博文の行動の副次効果がからんでなかなか面白い部分なのですが、ドラマではいきさつがバッサリ切られて唐突に締結されてしまいました。

また、今回は良い意味で原作がほぼ無視されており、大半が原作にないエピソードです。原作に忠実なのはナレーションくらいですね。まぁ、ナレーションは原作の朗読のようなものですが。 ポーツマスを訪れた秋山真之と広瀬のシーンでは、戦艦朝日のセットやCGの出来に注目してしまいました。航行している様子などに違和感はなく、海戦シーンも期待できそうです。セット自体はおそらく三笠のものを使ったのでしょう。朝日は三笠と同じく敷島型の戦艦で、特に両艦は煙突の数が2つの準同型艦なので、同じセットを使っても問題ありません(敷島と初瀬は煙突が3つなのでやや見た目が異なります)。

三笠の外観については、記念艦「三笠」に行ってきたおよびハセガワ 戦艦三笠 1/350 完成でご確認ください。

英国海軍との会食も、単なる和気あいあいとしたものではなく、差別意識と日本の意地を交えた緊張感のあるシーンに仕上がっており、なかなかよかったと思います。

広瀬とアリアズナのシーンは、日本語を教えるところにしろ街を歩く場面にしろ、別の映画のような映像作り。この後の広瀬の運命などを思うと感慨深いものがあります。ボリスの心境の変化がやや唐突な感じがしましたが(KYなライフル射撃の後、もう1エピソードあってもよかった?)、もともと広瀬と深い友情で結ばれるのが既定路線でしたから、脳内補完でスルーしましょう。

第2部の山場が広瀬の死ですから、アリアズナやボリスとの交流など、泣かせるための伏線作りがやや鼻につきます。が、荒城の月のくだりは不覚にも目頭が熱くなってしまいました。ここもあざといシーンなんですけどね、作り手の思惑に乗った方がドラマって楽しめますしね。

ニコライ2世は、原作と


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の中間というか、微妙な書き方でした。日本人を「マカーキ(猿)」などと言い出さないところは原作とは違いますが、彼の日記のように「ニッポンサイコー! 超楽シー」ってほど親日的でもない。いずれにせよ、「坂の上の雲」を読んだ方は、こちらの日記もぜひ読んでほしいですね。彼が大津事件のことをまったく根に持っていないどころか、かなりの親日家であったことが分かります。日本人を猿呼ばわりする反日皇帝扱いしてはかわいそうです。

最後に、エンドロールについて。集中力が欠けていたのか、本編のどこに登場したのか記憶にないのですが、「艦長・寺垣」「司令官・諸岡」という中途半端な役名が目につきました。諸岡については、小村寿太郎が名前を口にしていたかな? とにかく登場した場面は完全に見落としてしまいました。

さて、この2人は一体何者なのでしょうか。艦長・寺垣は、日本海海戦時は敷島の艦長を務めていた寺垣猪三? 司令官・諸岡は1901年時の常備艦隊司令官 諸岡頼之?

だとしても、なぜこの2人だけフルネームではないのか。杉村虎一や都築馨六はフルネームでクレジットされていたのに……。

結論としては、アリアズナはかわいい、ということで。

キャスト(配役)については、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」キャスト(配役) 第2部補完版にまとめています。