大河ドラマ「天地人」　第9回 謙信死す

そもそも謙信は梅干しを肴に酒がぶ飲みな生活だったからね。ああなって当たり前なのだが……。そういえば阿部ちゃん、『坂の上の雲』でも大酒飲み役ですな。

今回の謎その1は、謙信の昏睡～臨終にかけて水が涸れ、再びわき始めた「ゴボゴボ間欠泉」。あれは何を表現したかったんだ？　謙信の死とともに枯れる or 湧き始めるとかなら分かるのだが。

謎その2は、遠山康光が口走った上杉が「一枚岩」というセリフ。お前、本当にそう思ってんの？　謙信なんて、年中謀反起こされてるじゃん。いつもゴタゴタしてて、越後一国すら満足に治まっていなかったというのに。
妙椿尼が謙信の遺言を聞いたという俗説は存在するので、それ自体は特に突っ込まないが……アレを妙椿尼のアドリブにしてしまったのは中途半端であった。「仙桃院の指示」であればともかく、直江は重臣とはいえその妻ごときが家督を云々しちゃまずいだろ。

そもそも仙桃院の苦悩がまったく書かれていないのもいかがなものか。景勝は仙桃院の実子だが、景虎の妻も仙桃院の実子で孫まで生まれている。しかも仙桃院は景虎一家と暮らしており単純に景勝に味方できる立場ではない。あのクソ原作ですら、仙桃院の微妙な立場には触れているというのに……。

そしてあっさり景勝派で腹をくくった仙桃院。「事実とウソの狭間に真がある」というセリフには笑った。詭弁もいいところだ。北斗の七星がどうの紅葉がどうのと、毎回毎回説得力がない脚本である。

謎その3は、あの「ドキッ！女だらけの陰謀大会」になぜ兼続を加えたのか？　妙椿尼のアドリブを信じ切っていたノー天気兼続をわざわざ呼びつけて真相を教える必要性って何？　何か役割を与えるならともかく、まったく意味がない。

お船は相変わらずイタい。「何かあったらそなた（兼続）を頼ります」!?　コラコラ、夫のスクールウォーズ信綱を頼れよ。毎回毎回、出てくるたびに年下男にアプローチしまくり。夫ができても変わらない。この下品な女は何だ？

ところで、「泣かない」宣言済みの兼続。今回も期待通り泣いて9回連続中。ガンバ！