大河ドラマ「功名が辻」 第8回 命懸けの功名

カテゴリ:功名が辻
日時:2006/02/26 21:58

第7回までは「国盗り物語」+ムダなヘンテコエピソードだったが、今回からようやく「功名が辻」スタートである。もっとも、信長が死ぬまでは「国盗り物語」ちゃんぽんだろうけど。

光秀義昭を背負って脱出したというエピソードは、「国盗り物語」にある。それを思い出話として使ったのはうまいと思うが、なぜウホッ風味なのであろうか。「背のぬくもり」って、おい。

朝倉攻めに際して、再び一豊→千代→第三者のラインで軍事機密漏えい。この分だと、今後もこの形で千代が歴史に介入してきそうだな。瞬間移動して恐れ多くも主君に説教を垂れ、奇跡のミソスープを飲ませてなだめるあのお方よりはマシかもしれんが。

今回ついに、顔見せ程度に西田家康登場。ああ、どう見てもニャンまげです。ありがとうございました。 朝倉攻めからようやく本来の一豊主従の(いろいろな意味での)活躍開始なのだが、手筒山攻めはナレのみでスルー。ああ、手筒山は原作(文庫本)で2ページ程度のエピソードながら、主従のありようがユーモラスに書かれていて好きだったのに。今年の大河は「功名が辻」だよな? それなのに一豊のエピソードをカットしますか。

続いて、矢ガモ一豊で有名な金ケ崎引き渡しエピソード。敵将の名は、三段崎勘右衛門。ちなみに、原作では三須崎勘右衛門。それにしても、うわっ、三段崎近っ! 超至近距離やん。原作では「五、六間の間隔」とあるので、9.09~10.9mの距離があったことになる。それでもかなり近いけど。

心配していた矢ガモシーンは、思ったほどグロくなかった。逆に、矢を受けたときの衝撃や三段崎との苦戦があまり伝わってこなかった。いい意味でも悪い意味でもあっさり薄味な演出であった。ドラマ後の紀行コーナーで、一豊の顔を踏みつけた吉兵衛のわらじが登場するかと思ったが、鏃しか出てこなかったなぁ。

原作でもドラマでもスルーされているが、金ケ崎での首実検に際してはちょっとしたエピソードがある。一豊は秀吉の与力として、三段崎の首を秀吉に提出。信長への報告は秀吉に任せようとする。すると秀吉が気を利かせ、「自分で直接報告せよ」としたことにより、信長から直接声をかけられるという栄誉を得たという。この秀吉の小粋な計らいエピも結構好きなのだが。

トンチ者お市による両端を縛った小豆袋キター! これまた有名エピですな。

これで有名な秀吉の殿軍志願と、「功名が辻」における一豊残留→士気高揚エピになるわけだが……。殿軍を志願した秀吉軍の悲壮さ、一豊を鼓舞のネタにする秀吉の機転、殿軍の盛り上がりなど、ここで見たい要素がすべてダメダメ。数人がヘラヘラしているだけで悲壮さなし。一豊を軍神と呼ぶシーンも、秀吉の機転という感じが伝わってこなかった。また、人数が少なすぎて一豊の登場で雰囲気が変わったという感じが出ていない。あそこには雑兵もいなきゃ。演出しだいでは名シーンになったろうに、まったくつまらないシーンになってしまった。

今回は久々に大河らしい回になったが、話を詰め込みすぎて各エピソードがすべて消化不良って感じだ。前回のように、クソつまらないオリジナルエピで時間をムダにしないでいただきたい。