大河ドラマ「八重の桜」 第4回 妖霊星 感想

カテゴリ:八重の桜
日時:2013/01/27 21:37

今回は覚馬を中心とした会津の話だった前回と一転、一橋派と紀州派の対立を中心とした国政面が動き出し、幕末的な緊張感が高まる様子が描かれます。『篤姫』と同様、好意的な描かれ方をしている井伊直弼ですが、八重覚馬と知り合いで彼らにだけ心情を漏らす、といった気持ちの悪い展開もなくて安心できます。八重も明治以降は大物と本当に知り合うので、会うのも不自然ではないのですが。

まぁ、若干、悪夢を思い出させるようなところもありましたが。

物語は安政5年(1858年)2月、番頭の頼母(家老になるのは1860年)が覚馬の兵制改革を容保に進言するところから。そして大砲奉行の林が容保の裁可を伝えるため、山本家を訪問。

八重は何と、廊下に正座して座敷の会話を盗み聞き!

や、やめてくれ……。あの不快な姫を思い出すじゃないか……。 こうして、覚馬は軍事取調役&大砲頭取に大抜擢+縁談。古川春英(会津を出奔して緒方洪庵の適塾に入門)の会津帰参と尚之助の教授方就任許可など、会津が一気に覚馬の希望通りに動き出します。ただし、尚之助の仕官はならず、身分としては浪人のままです。

そして、「西向いでろっつったら、一年でも向いてるような」樋口うらが嫁いできたのはそれからまもなく。そのうち、覚馬が若い愛人をこさえて、離縁することになるわけですが。

出席者が会津玄如節で祝う中、よそ行きの顔の覚馬が笑える。

場面は一転。勝麟太郎はスナック薩摩でワインをエンジョイ。勝を吉之助と引き合わせたいと語る斉彬ですが、斉彬は残念ながらその前に死んじゃいます。まぁ、この2人はそのうち濃密なミーティングをすることになりますからね。

吉之助は、斉彬の意を受けて左大臣 近衛忠熙と密会。山吹色の菓子を手土産に、慶喜推挙の根回し。

忠熙「やはり次の将軍は慶喜さんがよろしいやろうな」

忠熙さん、やりやすい方ですなぁ。

忠熙の抱き込みに成功したという情報は、慶喜&春嶽にも伝わります。ここまでなら、一橋派完全勝利確定、って感じですなぁ。

4月、直弼が大老に就任。ここから直弼の反撃開始です。

6月19日には日米修好通商条約締結。23日に慶喜が直弼につめよりますが、

直弼「恐れ入りましてござります」

のリピートで話にならず。

24日、斉昭慶篤(水戸藩主)、慶恕(尾張藩主)つまり紀伊を除く御三家が登場&登城。定められた登場日ではない、押し掛け登城です。が、直弼の返答はのれんに腕押し糠に釘。話になりません。で、突然の反撃。

直弼「押し掛け登城が御法度であること、よもやお忘れではござりますまい」
直弼「重いご処分覚悟でご登城された割にはさしたるお話でもござりませんでしたな」

25日、慶福(家茂)の後継指名発表。斉昭が謹慎、春嶽が隠居謹慎、慶喜が登城停止処分で一橋派は沈黙させられてしまいます。杉浦太陽や金子賢の演技は実に残念で見るに耐えませんでしたが、榎木孝明がキマリまくっているので全体としては見応えのあるシーンでした。発声も所作も見事で、実にすばらしい。もうすぐお別れとは、実に残念。

で、篤姫の代わりに容保が直弼と面会。八重、覚馬、容保などを効果的に使って、身分に見合った範囲で行動させることで無理なく当事者インタビューを回しています。

直弼に好意的な話の場合は、ここで直弼の覚悟を語らせるのが定番。もちろん、踏襲します。

直弼「無断調印の咎めは我が身一身に背負えばすむこと」

そして戒名まで用意し、命を捨てる覚悟を披瀝します。ちとあざとい気がしないでもないですが、榎木孝明の所作が美しいのでOK。

後、彦根藩上屋敷で意味ありげに出てくるニャンコが気になります。やはり井伊家だからかな。しかも白猫だし。さて、このニャンコは何を招くやら。

直弼が受け取った京からの書状は、水戸藩に勅書が下ったことを知らせるもの。これが直弼をさらなる強行策に走らせることになります。

時代が加速するこのタイミングで現れた妖霊星=ほうき星=彗星。1858年のことなので、ドナティ彗星ですね。折しも江戸ではコロリ=コレラが流行中。仁先生はいないは、咲さんは会津にいるわで、江戸では20万人以上死んだとか。で、斉彬もその1人に。吉之助ショーック。

9月、安政の大獄スタート。斉昭が永蟄居、慶恕、慶喜、春嶽、山内容堂伊達宗城らが隠居謹慎、左大臣忠熙、右大臣鷹司輔熙鷹司政通三条実万が落飾させられるという大騒ぎ。そして安政6年(1859年)5月、寅次郎が江戸の評定所に送られた旨を知らせる勝の書状が覚馬に届きます。『八重の桜』ではイマイチ存在感のない吉田松陰の命も風前の灯火……。

一方、イマイチうらと打ち解けられない八重は、母の言葉でうらの一面を見直します。

佐久「うらの仕事は、いづでも心がこもってんな」

次回、八重がうらに心を開く事件が発生します。

2013年 大河ドラマ「八重の桜」キャスト(配役)
大河ドラマ「八重の桜」 主要人物年齢年表(会津編)
も第4回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。