大河ドラマ「功名が辻」 第30回 一城の主

カテゴリ:功名が辻
日時:2006/07/30 21:55

今回は、まぁ何と「話は遡るが」が多いことか。というより、伝聞を枕にしたエピソード展開を多用しすぎ。千代を話の中心に据えるための策であろうが、同じ構造を多用されるとウンザリする。

まずは、本能寺の変以来行方が分からなかったミスタードーナツ康豊。ウダウダと千代に語っていたが、信忠を見捨てて女装して逃げたヘタレっぷりはどうにもならぬ。女装についてはスルーしていたが。

本能寺後は、メロリンキューと山登りでもしていたのかと思ったら、ガラシャ(まだキリシタン化してないけど)と出会っていたというトンデモ展開。片っ端から恋愛にこじつけるお花畑脚本にはもう慣れたので、いまさら驚きはしないが。 若干変わっているが、北政所と千代のエピソードはほぼ原作どおり。ドラマではスルーされていたが、原作ではこの辺りで土佐山内を支える家臣の召し抱えが行われている。乾彦作(板垣退助の先祖)、福岡市右衛門(後の家老)、深尾湯右衛門(後の家老)などなどがここで登場している。

最後の、長浜城大騒ぎの巻はちょっと不満かな。ドラマの一豊は何もしておらず、千代大活躍といった書き方になっている。原作では一豊が意外な才能を見せ、兵站事務をうまくこなして評判を高めているのである。一方、蔵を空にするほど気前よく振舞うところは千代の手柄とするなど、それなりにバランスを取っている。

まー、この辺りが今年の大河ドラマをヘンテコにしているポイントでもあるわけだ。原作の一豊は頭の回転も悪く戦場を右往左往するだけということもあるが、そこそこ手柄も立てていたりもする。

それに対してドラマの一豊は原作での活躍の大半はスルーされる(姉川とか)か、逆に失敗したこと(亀山攻め直前とか)にされ、本来の一豊が積み重ねてきた槍働きはほぼ無視されている。その一方で旭の説得など使者役に多用され、千代が絡むと成功、絡んでいないときは失敗。千代は内助の功どころか夫の面目をつぶしまくり。そして一豊は羽柴軍の中で異常に活躍しまくるわりに出世せず、何だかわけの分からない理由で加増される始末。

この分だと、関ヶ原の後で三成を捕らえるもの一豊ってことになりそうだなぁ……。