大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 第37回 千姫の婚礼

日時:2011/09/25 21:12

今回は、珠、千、初の3人の娘たちとの別れがテーマ。しかし、驚くほど感動がありません。娘たちとの親子の絆が全く描かれなかったツケが回ってきましたね。

珠の輿入れ(劇中時間の1年と数ヶ月前の出来事)については江の夢で処理。江と絡むシーンも皆無の上、1年と数ヶ月後に突然悲しまれても困ります。

大坂城には、大野治長に続き片桐且元が突然湧き出てきます。登場済みの大野治長は石田三成が乗り移ったかのように家康を詰問。完全に、「三成が処刑されたから必要になった」という記号的キャラの扱い。せめて三成存命中から登場していればこの印象は薄まったのでしょうが、この脚本家の技量ではキャラの書き分けができず、三成が2人いるだけに見えてしまったでしょうね。 豊臣家臣団がグダグダな一方で、家康は「仮の将軍」という見え透いた詭弁を弄しつつ将軍宣下を受けます。

江戸に将軍就任の知らせが入ったタイミングで、千姫の婚姻話を出す秀忠。当然、江はこの話に不平を鳴らします。

江「あなた様はそれでよいのですか。珠に続き千も嫁に出すなど」

江、お前は千を嫁に出さずどうする気なんだ?

千の輿入れに納得した江は、千について大坂まで行くと言い出します。トンデモ発言ではあるのですが、「実際行ってる」ので仕方がありません。こうして出立した江と千。秀忠へのいとまごいは、親子の絆が書かれてないので何とも感じません。BGMは頑張って盛り上げようとしていたようですが。

いろいろとナニな「篤姫」は、一応泣けたんですけどねぇ。あれは脚本の力というより長塚京三の演技に負うところが多かったような気がしますが。

伏見城に到着した。江、千親子。ここで、江が無様なセリフを吐くのに仰天しました。

江「本当に嫁に行ってもよいのか?」

こんな愚かな母を持った娘が不憫でなりません。覚悟を決めた子を動揺させてどうする。たとえ心で泣こうとも、平静を装って娘を諭し励まし、安心して嫁げるようにするのが江の役目であろうに。

「泣いてはなりませぬ」

これ、江じゃなくて千が言ったセリフです。逆だよ逆。でも、芦田愛菜の演技はちと鼻について私は苦手です。第1回の「お腹の子を殺すなら妹を殺す」という頭のイカれたセリフの気持ち悪さが残っているせいかもしれません。

征夷大将軍となった家康と再会した江は、早速千の婚姻の理由を聞きます。恒例の、江の戦国インタビューですか。相変わらず、真意を聞いてどうする? という部分がまったく不明ですが。あそこで家康が「天下を取る」と言い出したら? 江は聞くことが目的化してしまっていて、とにかく行動が無意味なのが気になります。

大坂城ではウザイ三姉妹が再結成。大津で徳川についたことを詫びる初ですが、建前上は三成=豊臣・淀・秀頼じゃないし。

ここで完登場。江との親子の対面は、やはり感動の肩すかし。なんだこりゃ。ここで九条幸家との婚約発表。

初「五摂家の九条家」

さすがに、九条家が五摂家の1つであることは知ってましたか。思いっきり説明ゼリフでしたが。この三姉妹、一応は成長しましたね。昔は五摂家も関白もしらないという愚かっぷりを露呈してましたからね。

そして、また産気づく江。最近の江は、

誰かを非難
 ↓
つわり
 ↓
誰かを非難
 ↓
出産

のループですね。

で、生まれた娘を秀忠そのほかに無断で初に託す江。史実とはいえ、正室が生んだ子の処遇は家の問題。娘は、秀忠だけでなく家康にとってもよい手駒になるんだし。相変わらず、江様は当時の女性が果たすべき役割を理解しておられないようで。

ちなみに、初の養女となった初姫は、夫の京極忠高とは夫婦仲が悪く、彼女の人生はバッドエンディングなんですよね……。思いっきり政略結婚の珠姫は前田利常とラブラブだったというのに。

さて、次回はいよいよ斎藤福登場ですか。彼女が後の春日局ですが、福が春日局の称号を得るのは江の死後なので、このドラマでは最後まで「春日局」とは呼ばれません。……呼ばないよね?

大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」キャスト(配役)
大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」 三姉妹年齢年表
も第37回に合わせて更新しました。よろしければご利用ください。

江の子孫については、江の家系図もどうぞ。