大河ドラマ「真田丸」 第13回 決戦 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/04/03 23:08

待ちに待った第一次上田合戦。どう見ても罠な城内に突撃しちゃう徳川勢のバカっぷりに目をつぶれば面白い合戦シーンでした。無意味にウロウロする梅がいなければもっと面白かったのに。死亡フラグ回避か? と思わせてやっぱり死亡にはやられましたが、その理由が馬鹿馬鹿しくてうんざりしました。

今回は上田城の手前、海津城からスタート。直江兼続がかき集めた援軍がここに集結しているはずですが……そこで真田信繁が見たのは、ヨボヨボの老人とガキ。兼続ヒドイ! 真田が負けたら次は上杉だと言う兼続。いやいや、それならもっとまともな援軍を用意してくれよん。

上田合戦にこのジジイとガキは出てこなかったので、海津城に置いたまま動かさなかったようです。信繁的には、自分が参戦できれば十分だったのでしょう。上杉の大軍到着と見せかけて動揺を誘うブラフ役くらいはやらせるのかと思いましたが。 一方、浜松城?にいた真田信尹がピンチ。捕らわれるか、徳川の家臣になるかの二択を迫られます。こんな事態になっても表情を変えない信尹かっこいい。といっても、この時期は徳川家康に仕えていたはずなので、ここで「家臣になる」の選択肢が出てくるのは史実的にはナシ。ドラマでは真田の駐浜松大使的な立場だったという設定なのでしょう。

天正13年(1585年)8月。鳥居元忠大久保忠世平岩親吉(この3人、意外にも『真田太平記』には出てこない)が率いる7000の兵が神川岸に布陣。沼田城引き渡しを条件に降伏勧告するも、真田昌幸の時間稼ぎに利用されてしまいます。

本丸の一室では、女性陣が終結。動揺しまくる薫、平然としているとりの対比が分かりやすい。真田幸隆と一緒に戦国を生き抜いてきた女性はやはり違う……と思ったよ、最初は。

とり「戦う前から負け戦のにおいがするものです」
薫「今は?」
とり「あなたの香の臭いしかしません」

が、「ばばの話は真に受けないように」とか、結構適当なことを言い出すから困ります。

薫と梅は、すえをかすがいにして接近。高畑淳子のウザいだけではない良さが出てきました。何か気になっちゃってつい声を掛けちゃうとか、こういう演技はやはりうまい。

広間では、戦を前に軍議開催。

昌幸さん、作戦はおもちですか?
えっ

ともかく、お餅が出てきました。
なにそれこわい

そして、餅を伸ばしてやけくそ気味に引きちぎる昌幸。「分断・各個撃破」をすると言いたいのかな。もう、この時点で昌幸の様子がちょっと変です。

矢沢頼綱に「で、布陣は?」と問われると、途端に目が泳ぎ出す昌幸。「ちょっと手を洗ってくる」とごまかすように席を立つも、出浦昌相には昌幸の悩みはお見通し。

「駒が足りぬ」と凹む昌幸。そこへ信繁帰還で全て解決。

こうして昌幸からあらためて華麗な部署割りが発表されて軍議終了。盛り上がって参りました。

そのころ梅は、城の北にある寺で戦う気満々。序盤の農民バトル参戦の延長で、「実戦に出る女性」キャラってことなんでしょうが、身分にふさわしい役割とはいえず違和感ありまくりです。女が戦に出るなとは言いませんが(甲斐姫とかいるし)、信繁の側室かつ信繁の子の母として、本丸で薫たちを守るあたりが自然です。

で、作兵衛に信繁のことを聞き、城に戻る梅。そして途中で泣いている子どもに遭遇。「見なきゃよかった」的な表情はうまいけど、脚本も演出もありがちなパターンです。そのとき、梅の背後を信繁が通り過ぎるという、またまたありがちなニアミス。「すれ違ったまま永久の別離」ですか。

子どものお守りを探してやる梅。お守りから出てきたのは六文。すると、子どもにお守りの譲渡を要求します。このお守りは、きり経由で信繁に渡るのですが……このエピ必要か? 普通に用意しておいたお守りでいいだろうに。

戻らないと思っていた信繁が急に帰ってきたので、目に付いた六文から家紋の話を思い出して急遽お守りに仕立てた、そしてこのために信繁とすれ違った、ってのは分かるのですが……子どもが泣くほど大切にしていたお守りを欲しがり、(銀で買収したとはいえ)巻き上げるのは強引だったなぁ。

閏8月2日、夜明け。BGMがないところが緊張感を高めています。

神川の河原に潜んでいた信繁隊は、高砂を謡って徳川兵を挑発。忠世と親吉があっさり挑発に乗って渡河開始。さあ、第一次上田合戦の始まりです。

真田フラグをフリフリ挑発を続ける信繁。昌幸は罠と見破られないようにしろと言っていましたが、いやこれ、どう見ても挑発・誘導なんですが。あんな、余裕しゃくしゃくで挑発してたら怪しいだろ。ありがちなのは、「防戦するも支えきれず敗走」を装って誘引するものですが……。あの信繁に誘い込まれる忠世と親吉はバカ丸出しです。

城下町は千鳥掛けの柵やら乱杭やらで、大軍の組織的な行動を阻むようになっています。大軍を隘路に誘い込むのは常套手段。そして、伸びきった隊列の側面を突くという理想的な防衛戦。上から浴びせかけてたのは熱湯(を模した水)かな? 籠城戦だと、煮えた油(もっと熱い!)を浴びせたりもしますが。

寺にいた梅は、「乳が張ってきた」と言いだし、授乳のため本丸にダッシュ。だから、お前は本丸にいろよ。

大手門まで徳川兵を誘導してきた信繁。「開門!」の掛け声で大手門が開かれ、戦場は二の丸へ移行。そのとき、信繁は徳川兵に囲まれている梅を発見します。あー、この女ウゼえ。役に立たないくせに戦場をウロウロするな。信繁は動揺するし、佐助は梅を本丸に引き入れるという余計な仕事をしなきゃならないし、足引っ張りまくりです。おとなしく本丸にいてくれれば、みんな戦いに集中できるのに。

「戦いは男に任せておけ」というきり。今回突然常識人になるきり。梅、お前も見習え!

そしてついに昌幸登場。一斉攻撃でついに総崩れとなった徳川勢。退却を始めます。上田城勢は追撃戦に移行。さらに、戸石城から出陣した信幸が横槍を入れて退路を断ちます。

昌相は神川上流で待機中。戦場をウロウロするバカ女を助けた佐助は合流済み。お前、どこでもドア持ってんの?

神川の堰を切ると鉄砲水となり、徳川兵を流し、分断してとどめを刺します。勝ちどきを上げる信幸ですが、昌幸は終わったとは思えない。

昌幸「長い戦いになるかもしれんな」

第二次上田合戦、そして30年後の大坂夏の陣まで続く、徳川との長い戦いを暗示しているかのようです。

あれ、信繁とすれ違い続けて死亡フラグを立てまくった梅、意外にも生き延びた?

と思ったら、寺へ続く柵が破壊されているのを信繁が発見。急いで寺へ向かうと、遺体が散乱。でも、梅は本丸にいたから寺の惨状は関係ないはず……と、三谷の術中にハマりまくる私。

そこに、すえの声が聞こえてきます。が、すえを抱いていたのは何ときり。あー、梅やはり死んじゃいましたか。

何で?

何と、柵が壊されるのを見て、梅は「皆が心配だ」と寺に戻ったというではありませんか。

はあぁぁ?

そして発見される、梅の遺体。

はあぁぁ?

「安全だと思われていた場所に匿われていたのに徳川兵が来てしまった」とかなら哀れですが、この梅ときたら男たちの邪魔をするかのように戦場をウロウロし続け、どう考えても役に立たないのに寺に突撃して犬死に。バカすぎてうんざり。梅にしかできない大事な役目があったとかならともかく、本当に無意味でした。

全く悲しくない。むしろ、あの微妙なルックスが退場したと思うと嬉しいくらいです。まあ、シワが目立ってきた長澤まさみも微妙ではありますが。

信繁、叫べ。「あ~あ、ガッキーだったらな~」

さて、次回から大坂編ですね。

あ、秀吉が「豊臣」をちゃんと「とよとみの」って言ってる。豊臣は名字じゃなくて氏だから、「源(みなもとの)」「藤原(ふじわらの)」「在原(ありわらの)」と同じく読みに「の」が付くべきという説もあります(「の」が付かないのは間違いとは言い切れないのですが)。ちなみに、豊臣は最後に作られた氏、換言すると最も新しい氏でもあります。

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