大河ドラマ「おんな城主 直虎」 第5回 亀之丞帰る 感想

カテゴリ:おんな城主 直虎
日時:2017/02/05 22:00

「亀之丞帰る」と題した第5回。内容は、本当に「亀之丞が帰ってきた」だけという、実に見せ場のないお話。他は、政次の末路を暗示する政直のセリフくらいか。それ以外はカットしてしまってもいいようなシーンばかりです。ノベライズだと数分で読めるのでまあ楽しめますが、これを40分に引き延ばされるとやはり退屈です。

天文23年(1554年)。今川は三河平定を順調に進め、勢いは増すばかり。亀之丞を呼び戻すのは諦めて、小野政次と奥山朝利の娘を縁組みさせてその子に継がせるプランが浮上。評定は大もめになるものの、小野政直は余裕の表情。

小野を巡ってみんなが激高、小野は平静。このパターンの繰り返しで、井伊の評定シーンは本当に退屈。脚本も演出も、少し工夫できないものでしょうか。

演出がちょっと良かったのは瀬名メール。「ほうび せなひめをわがつまに たつおう」の書き付けを反故にされた乙ちゃん瀬名の目が怖いのなんの。

政直の調伏祈祷をしろという井伊直平に不審を持った次郎法師は、井伊直盛に直平が政直を嫌う理由を問います。その真偽を確かめるため、次郎法師は政直に直接インタビューを敢行。女性主人公だとなぜか、過去の因縁を知り当事者に確かめに行く、という行動パターンが多くなります。そういえば、ウザイ三姉妹の三女が築山殿事件(おお、瀬名がらみだ)についてインタビューして回るという、実にくだらないドラマもありました。吉田松陰の妹も似たようなことしてましたが、まあどうでもいいや。 すると、政直はいつになく殊勝な態度。「誰も信じて下さるまいがそれがしは井伊のことを思って……」と語ります。そして、次郎法師の深いようで浅い説法にむせび泣く政直。

が、政次が部屋に戻るとケロリとしている政直。次郎法師を感動させた役者ぶりはどうでもよろしい。重要なのは政次との会話です。

政直「己はこうはならぬとわしをずっと蔑んでおるじゃろ。じゃがな、言うておく。お前は必ずわしと同じ道をたどるぞ」
政次「井伊の縁戚となりますからには、井伊のお家を第一に考えていきたいと思うております。その中でも小野はさすがに頼りになると言われることこそ、まことの勝利かと存じます」

結果を知っているからこその予言セリフですが、ここからどうやって「あの政次の末路」に持っていくのでしょうか。直親の件は嫉妬からの行動としても、直親の死後の政次の行動はいかなる動機からか。この政次という男を脚本的に扱いきれるのかどうか、非常に興味があります。コイツの扱いに失敗したら、恐ろしくつまらないドラマになりそう……。

で、政直が死に、小野は政次が継承。小野の当主が井伊にも次郎法師にも好意的な政次になってめでたしめでたし、とはなりません。

この年、甲相駿三国同盟が成立。武田が南信濃に侵攻したことをきっかけに、亀之丞を呼び戻すことになります。

子ども時代同様、亀をだしに次郎法師をからかう政次。井伊直満にそっくりになっていると言われ、直満を思い出して激しくいやがる次郎法師。

それは……直満というか宇梶に失礼では(笑)。

そして、政次に煩悩だと指摘され、次郎法師は激しく動揺します。煩悩をはらうため、掃除で気を紛らわす次郎法師。さらに、井戸で瞑想して平常心を取り戻したら、目隠しをされる。振り向いたら……

宇梶

という、「出家した身にはあるまじきあさましい夢」(ノベライズより)に飛び起きる次郎法師。うん、これは……嫌だな。

そして、顔見せを引っ張りまくるという、別にちっとも面白くもなければドキドキもしない、つまらない演出で間延びさせて亀之丞帰参。三浦春馬だろ、予告で何度も顔なんか流してるし。このドラマは本当にテンポが悪いなぁ。

で、亀歓迎パーティー開催。主賓はなぜか、中座して武術のお稽古。帰参を祝ってくれる大人たちをおいて抜け出す若輩者という行動が不自然で、実に疑問。次郎法師と会わせたいという脚本家の思惑は分かりますし、そのついでに「中座させるもっともらしい理由が思いつかなかった」こともよく分かります。ノベライズでも、この点について「何も書いてない」ですからね。

で、山ごもりから帰ってきた次郎法師と再会。2人の会話は長いけど、別に面白くないのでまとめると、「還俗して嫁になれ」。ということでおしまい。


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