大河ドラマ「真田丸」 第16回 表裏 感想

カテゴリ:真田丸
日時:2016/04/24 22:25

今回もまた、話としては大して動きません。豊臣秀吉の惣無事令を軸に、徳川の真田討伐を認めるか否かという本筋に、大坂城の面々が入れ替わり立ち替わり真田信繁を呼び出しては絡んでキャラ立てし、信繁が振り回されるという構造。それぞれキャラが立っているのでつまらなくはないのですが、序盤の怒濤の展開を思うと中だるみ感も漂ってきます。

では物語スタート。

秀吉「さて源次郎、悪い知らせがある」

上杉景勝が信繁を放置プレイして越後にリターンしたと聞かされ、信繁ビックリ。一体なぜと困惑する信繁に、あっさり答える秀吉。

秀吉「わしが今度徳川と真田が戦になったら真田に味方するなと言ったからでは」

とんでもない話を聞かされ、「えっ、ボクどうなるの?」とさらに困惑。

秀吉「よい知らせもある」
三成「そなたを殿下の馬廻衆に加える」
信繁「えー!?」
三成「というわけで、明日よりそなたは殿下の家来じゃ」

というわけで、馬廻衆に加わった信繁を案内する片桐且元。馬廻衆の詰め所で待っていたのは平野長泰。七本槍同士、何を話すかと思えば、権三がどうのこうのと、不穏なテーマ。前回、茶々が色目を使っていた相手の名前ともなれば、彼の運命は予想通りだったと察しが付くというもの。馬廻衆にできた欠員って彼のことか……。 且元が去ると、長泰の態度が豹変。コイツはこういうキャラですか。且元はいかにも小林隆だし、長泰は実に近藤芳正。当て書きバリバリですね。

長泰の話は、ほぼ予想通り。権三は井戸に落ちて死んだが、実は殺されたとみんな思っている。下手人は加藤清正。彼が飲みに誘った帰りに井戸に落とされた、と。

そんなぶっちゃけトークをしていると、秀吉が行動するということで黄母衣に出動命令。信繁が秀吉にさぶらえば、目的地は舶来ショップ利休。デパートの外商みたいなものですな。私には縁のないものですが。

ここで豊臣秀次が「呂宋がどうの」と言いだし、意外に目利きなことが判明。これには意表を突かれました。何か1つくらいは取り柄があるものです。

で、年長向けは予想通りお寧にプレゼント。

で、お寧にちゃっかり仕えているきりと遭遇します。きりを好色そうな目で見る秀吉。さて、これは何かのフラグなのか、ここだけのお話なのか。

秀吉の女好きキャラの強調&秀吉が見初める程度にはきりは見目麗しいというだけのことか。これは秀吉ときりのキャラ立てだけした最も単純なパターン。秀次と秀吉が同じ反応をしたということで、ある意味似たもの同士だったという、秀次も加えたキャラ立てパターンも考えられます。さらに、きりをめぐって秀吉と秀次がなんやかんやするパターンともなると、もはやどうなることやら全く見当も付きません。

取りあえず、このシーンのおかげで九州征伐(天正14年7月)より前であることが分かりました。

続いて若い娘向けの帯を茶々にプレゼント。すると、茶々が親しげに話しかけてきて信繁ピーンチ。権三の末路を聞いた後だとイヤすぎます。

詰め所に戻ると、信繁は石田三成に呼び出されます。そして、「何を書いてもいいわけではない」と、メールを返却されます。つまり、真田宛のメールは検閲されていてリジェクトされた、と。これは怖い。

続く三成の行動は、能吏らしからぬ杜撰さで、他に目的があるのではと邪推させられます。じゃあ何だと言われても困りますが。

書庫の奥の部屋に城の絵図を用意し、馬廻衆になったのだからと信繁に見せる三成。しかしコピー禁止、アイズ・オンリー。ここまではまあ分かる。

そして、書庫で三成と大谷吉継が密談開始。堺支配のため、堺の商人を手なずける。すると利休が邪魔だから排除しちゃうよ、と。割とクリティカルな謀議なのに、ほぼ部外者の信繁が盗み聞きできるようなところでやるかね。というかわざわざ盗み聞きできるところに信繁を連れてきてあげた感じ。

で、密談が終わると絵図閲覧は強制終了。信繁が城内を把握できたかどうかはお構いなし。もっともらしい適当な理由を付けて、密談をわざと聞かせたかのようなデタラメさです。信繁にあの密談をリークする意義は全く分かりませんが。それとも、三成は意外に脇が甘いというお話か?

信繁がまたまた詰め所に戻ると、今度は大蔵卿局が登場。茶々から呼び出しです。

すっと目をそらす長泰。ヒドイ、全然助ける気がない。

ことのついでに茶々に関する疑問を大蔵卿局に質す信繁。お気に入りの権三が死んだのに悲しんでいるように見えないのはなぜか?

大蔵卿局「あのお方は哀しむのをやめたのです」

おっと、茶々の内面をいきなり露呈してきました。今後、茶々を掘り下げる気マンマンなんですね。単なる天真爛漫・低知能キャラじゃありませんよ、と。

茶々ルームの帰り、井戸を発見。これがくだんの井戸かとのぞいていると、それを清正に見とがめられます。犯行を自白しつつ、信繁を井戸にダイブさせようとする清正。手を取って抵抗するも、抱え上げられて井戸にボッシュート寸前の信繁。

ジャストタイミングで表れた小一郎に制止され、清正撤退。主人公特権として、今度は秀長と親しくトークをエンジョイします。

秀長さんによると、あっという間の立身出世に心がついていっていないという。

秀長「誰もが身の丈から外れた地位と暮らしの中でおぼれかけてる。それが今の大坂城だ」

またもや豊臣政権の危うさを垣間見る信繁でした。

そして場面は浜松城へ。お稲ちゃんは薙刀のお稽古。中学生の娘さん(天正14年時、数え14歳、満12、3歳)には見えませんが、ここはひとつ、視聴者側が大人になってスルーするべきでしょう。

吉田羊の美貌やら年齢ギャップやらは些細なことで、このシーンで困るのは、稲ちゃんよりも、稲ちゃんを徳川家康に紹介する本多忠勝のニッコニコ顔の方がかわいいところ。武具を持って走るなと叱りつつ、怪我したらどうするとデレデレだし。

稲ちゃんはというと、「真田討伐、稲も行きとうございます。憎き真田、この手で滅ぼしてやりとうございます」

と、未来の夫を殺る気マンマンです。吉田羊らしからぬヘッタクソなしゃべりは、殿様の前で背伸びしている中一女子を演じているから?

徳川の動員体制を知り、真田もミーティング。やっぱり頼りは上杉だよね、というタイミングで上杉から援軍お断りのお知らせ。秀吉が手を回したと知り、家康が待っているのは秀吉の許可であると見抜く真田信幸。お兄ちゃん、政治的なセンスは優秀。

昌幸「皆の衆、えらいことになった」

この人が言うと、悲壮感どころか笑えます。

またまた詰め所にいると、今度は秀吉から呼び出し。家康が真田攻めの許可を求めてきた件で、信繁に家康のことを聞く秀吉。そこで、家康は秀吉に下ったわけではないと信繁は力説します。

秀吉は、「家康にいっぱい食わされるところであった」と言って信繁の言葉は一理あると認めます。秀長も信繁の言を支持し、一件落着な雰囲気です。

信繁が安堵していると、今度は且元から呼び出されます。使者として浜松に行くことになった且元さん。この時点から徳川との折衝役ですか。且元のことはあまり知らないのですが、徳川の取り次ぎ役でもしていたのかな?

で、且元さん、浜松まで何をしに行くのかというと、家康の真田討伐を認めるという使者だということで信繁ビックリ。

今回もまた、ひたすら大坂城で振り回される信繁でした。

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